映画レビュー

【映画鑑賞日記】ファインディング・ドリー

dori(C) 2016 Disney / Pixar. All Rights Reserved.

まずは、前作から13年も経ってると聞いて驚きます。
続編も見事に成功!前作を超える一流の冒険活劇!主人公が変わったとは言え、海の中での大冒険を繰り返しては、前作をなぞってるだけで新鮮味もない駄作化すると思ってましたが、この映画は大半を陸地が舞台となっているのです。魚のキャラがメインの映画にして、それを可能にするアイディアたるや、素晴らしいのひと言!これで、マンネリズムの回避を成し遂げています!

何よりも、ドリーの記憶を維持できない<障害>の扱いに注視したいです。
この映画は、ドリーの記憶障害を<個性>として受け入れています。『アナ雪』の<ありのまま>にも通じるテーマ性ですが、ネガティブな要素を否定することでなく個性として尊重した価値観こそ、この映画の本質です。
これは差別批判に通じます。
現実世界に、例えば、自分の周囲に記憶障害の方がいたら、どのように接するか?
記憶障害を自覚するドリーの口癖は「ごめんなさい」です。常に自分を責めて生きている。周囲が彼女を受け入れないからこその自己嫌悪に思えます。果たして、それでいいのか?
ドリーの内省的な寂しさが、彼女の<家族への愛情>という普遍的なテーマに感動を覚えることで、多くの観客に共感を得させる・・・「正常とは何か?異常とは何か?」個性の尊重を今一度見つめ直す機会にもなる傑作だと思います!

また、ヒラリー・クリントン民主党大統領候補が女性初の米国大統領になるか否かといったところではありますが、最近のディズニー映画は女性の活躍を特出して描いています。
今回も女性のキャラクターであるドリーを主人公にしたのも、『ズートピア』然り『アリス・イン・ワンダーランド』然り、<勇敢な女性像>を描く、ディズニーの方針に忠実だと思いました。時代がそう流れているのかなと感じます。もはや、男尊女卑の時代の終結が、いよいよハリウッドからはじまってるように思えます。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. テレ朝スーパー戦隊の放送時間変更の暴挙は吉と出るか?
  2. 2017年 勝手に選ぶベスト洋楽 TOP10
  3. 安室奈美恵の引退への想い~安室という現象が現代の日本女性像を変えた~
  4. 【ヒットの勝算はネット戦略にあり?】恐怖のピエロ映画『IT』が公開第三週で興収首…
  5. アナタが行くヤツ、それ本当にフェス?フジロックが世界の最重要フェス3位に選出!

関連記事

  1. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】沈黙 -サイレンス-

    無信仰者の筆者が何を思って観たらいいか、着目点を絞るのに非常に…

  2. アカデミー賞

    【映画鑑賞日記】メッセージ

    宇宙人襲来映画は腐るほどあるが、その中でも群を抜いて素晴らしい…

  3. 映画レビュー

    『15時17分、パリ行き』でハッキリした、映画に役者が絶対必要である理由とは?

    まず大前提として明確にしておきたいのは、この映画で描かれているテロ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

[PR]
  1. ライブレポート

    COUNTDOWN JAPAN 1718 2日目ライヴレポート
  2. ライブレポート

    COUNTDOWN JAPAN 1718 3日目ライヴレポート
  3. 映画レビュー

    実写化史上最も成功していると言って過言でない『美女と野獣』に感動する
  4. 邦楽

    勝手に選ぶ素晴らしい邦楽たちTOP10 2017
  5. ライブレポート

    ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017 4日目ライヴレポート
PAGE TOP