ライブレポート

ELLEGARDEN復活ライヴを観る!10年の活動休止の先にあった変わらない尊さ

Copyright © ROCKinNET.com All rights reserved.

日本の音楽界において今年最大のサプライズと言って過言では無かったELLEGARDENの突然の復活。10年ぶりの復活宣言に旧年来のファンはもちろん、新規ロックキッズ達も大いに色めきだった。僅か三公演しかやらないツアーのチケットは想定通りの争奪戦となった。奇跡の復活でもあり、参加できること自体も奇跡的なんだと、その幸せを噛みしめながら、心の底から楽しもうと思っていたのだが、そういう自分の高ぶったテンションが野暮ったらしいほど、エルレは常温でいた。それが嬉しかった。

対バン相手はONE OK ROCKだった。敬意や愛など、takaがエルレに対する熱い想いを全て語り、自分たちのライヴを貫徹することに加え、ステージを降りてスタジアムの反対側まで全速力で走って行き「エルレが復活すんだぞ、そんなんでいいのかよ!」と、会場のボルテージを上げまくる。エルレ前のパフォーマンスとして最大限の責任を果たした。

出典:http://ellegarden.jp
© ELLEGARDEN

そして、いよいよ登場したエルレ。10年ぶりとか、復活とか、初のスタジアム公演とか、そういう特殊性を全く意識しないメンバーの変わらなさに感激した。時が経っても青春の思い出のままの姿とスタンスでステージに立ってくれたエルレに感謝しかない。
この日演奏されたのは、「ジターバグ」も「高架線」も「風の日」も「Red Hot」も「Salamander」も、この10年間あるのかないのかハッキリしなかった、この日を夢見ながらも、当たり前のように日常にあったお馴染みのエルレの楽曲が出し惜しみなく披露された。あまりに長期に渡って休止が続いたのと、全くビジネス的な思想を持たないバンドだけに、本当に復活する日は来るのかという疑念から、神格化が勝手に増大された感がある。けど、エルレはそういうバンドじゃない。細美武士(Vo)が「この10年間で、自分がどれだけの成長が出来たか分かんねえけど」と相変わらず不器用に言ったけど、二つのバンドを成功させて、今も第一線で唯一無二なロックスターとして、ぶれないでいてくれている、それだけでも感謝しかない。

[PR]

細美は、この日の観客たちを「相変わらず仲間から浮きまくってるお前ら」と形容した。ロックが好きであることは、今でこそフェス文化が大衆化しているから趣味の共有も簡単に出来るだろうが、エルレの活動休止前はそうでもなかった。ロックは居場所のない者の拠り所であった。細美は、だからこそ常にロックに群がる者に優しい。同胞意識を持ち続けてくれている。まだ自分が若かりし頃に、エルレに、どれだけ背中を押されたことか。自分を肯定し守ってくれたことか。《雷には怯えて》《次の日には忘れて/風の日には飛ぼうとしている》《僕らはそんなものさ》と、肩の力を抜いてくれる。エルレの曲は救いであり続けた。今もそうだ。

《数えきれないほど無くして/また拾い集めればいいさ》
新曲がない中での復活劇で、実際にこの先どうなるかなんて決まってない丸腰な姿勢。このライヴの後、数日後に、この日のライヴは何だったのか飯でも行って4人で話してみるよと言った細美の顔は、決して消極的なものではなかったと思う。何故、この日が来るまで10年間もかかったのか分からないけど、メンバーにとって、この日の光景は、絶対にエルレが前進する僅かながらのモチベーションに繋がってくれると信じてる。細美も生形(G)も感じてるはずだ。二人は、なかなか目を合わせないけど、そんな細美と生形の関係性、語らずとも多くを分かり合えている二人の間の空気感が本当に好きだ。

否応にも変わってしまったことも多いだろう。けど、変わっていないこともある。その変わっていないことの尊さと、いい意味での愚かさと、美しさの確認をエルレが示してくれた。
そして、アンコールの際に、2018年8月15日に復活したことを告げた後、73回目の終戦記念日だと控えめに言った細美。昔はこれっぽっちも思っていなかったけど、「愛と平和を伝えるのがロックの役目なんだって思うようになった」という言葉に身震いした。こういうロックシンガーがいてくれることは救いだ。“今日だけ、ロック・スターになってもいい?”と、聞いたけど、細美武士は永遠の俺のロック・スターです!

セットリスト
M-1. Supernova
M-2. No.13
M-3. Pizza Man
M-4. Fire Cracker
M-5. Space Sonic
M-6. 高架線
M-7. Missing
M-8. スターフィッシュ
M-9. The Autumn Song
M-10. 風の日
M-11. Middle Of Nowhere
M-12. Surfrider Association
M-13. Marry Me
M-14.‪ Lonesome
M-15.‪ 金星
M-16.‪ サンタクロース
M-17. モンスター
M-18. Red Hot
M-19. Salamander
M-20. ジターバグ
M-21. 虹
En-1. Make A Wish
En-2. 月
En-3. BBQ Riot Song

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

[PR]


 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 初の武道館公演を控えるマイヘア椎木ってナゼ好かれるのか?彼の魅力を挙げてみる!
  2. 13年ぶりロッキンに出演したサザンが凄かった!ROCK IN JAPAN史上最大…
  3. 半漁人の勝利!90回目のオスカー発表!
  4. 『娼年』の実写化で性に真剣に向き合った監督と、素っ裸で腰振りまくった松坂桃李に敬…
  5. 2018年も大活躍間違いなし“次世代イケメン俳優”を青田刈り!

関連記事

  1. 邦楽

    歓喜!感涙!青春カムバック!ELLEGARDENが10年の時を経て奇跡の大復活!

    夢を見ているのかと思った。2018年5月10日、ELLEG…

  2. ライブレポート

    アーティスト観るのを放棄www

    ポカリスエット買うのに30分かかって、やっと買ったポカリが…

  3. ライブレポート

    SUMMER SONIC 2015 【アリアナに恋♡】

    なんと言っても、この日は、彼女目当てのオーディエンスが多か…

  4. 邦楽

    KEYTALK新曲でも期待通りにぶちかましてる!

    いかにも義勝らしい王道アンセムが感涙レベルで嬉しい!昨年の…

  5. ライブレポート

    SUMMER SONIC 2017 東京会場1日目ライヴレポート

    今年もサマソニの季節がやってきた。サマソニと言えば、八月中旬。お盆…

  6. 邦楽

    紅白にサザン降臨で35年ぶりにNHKホールで歌唱決定!何を歌うか予想!

    サブちゃんと言いサザンと言い紅白に箔が付いた感があるなんやかん…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

  1. ライブレポート

    COUNTDOWN JAPAN 1718 4日目ライヴレポート
  2. ライブレポート

    COUNTDOWN JAPAN 1718 2日目ライヴレポート
  3. テレビ・芸能人

    【徹底考察!】元SMAP「72時間テレビ」が大盛況!ネットはテレビに取って代わる…
  4. テレビ・芸能人

    テレ朝スーパー戦隊の放送時間変更の暴挙は吉と出るか?
  5. 映画レビュー

    実写化史上最も成功していると言って過言でない『美女と野獣』に感動する
PAGE TOP