邦楽

松任谷由実「恋人がサンタクロース」がクリスマスは恋人と過ごす日という社会的呪縛を作ったと反省する(笑)

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今日はクリスマス。師走の街全体に流れる「物を買え」オーラが恐ろしくて、想定していた貯蓄額よりも数十万円少なくなるなんてのが毎年恒例になってる駄目人間な訳だけれども(来年は節制というものを覚えたい)しかも、もはや全然クリスマスとか気にしなくなってる自分が逆に末恐ろしい(笑)

そんなおっさん話は置いといて、松任谷由実が「恋人がサンタクロース」を反省しているという面白い話を思い出した。このユーミンの発言は、2016年のコメントではあるんだけど、それまでクリスマスは家族の時間で、子供がサンタクロースにプレゼント貰う習慣だったし、世間で“クリスマス・ソング”と言えば「きよしこの夜」「サンタが街にやってくる」や、ビング・クロスビーで有名な「ホワイト・クリスマス」などがスタンダードだった。そんな中、ユーミンが「(クリスマス・ソングを)ロックチューンで作ったら面白そう」と書き上げたのが「恋人がサンタクロース」だったという。しかも、恋愛がテーマだったのが画期的だった。サンタクロースを“背の高い彼氏”と喩えてしまったのだから。それが定番化し、今では老若男女が周知のクリスマス・ソングとなった。



実はこの曲はシングル化されていない。アルバム『SURF&SNOW』の収録曲である。同作の発売日は1980年12月1日。時はバブル。世間はスキーブームが起こっていた。リフトに乗るための列が1時間待ちなんてのも当たり前だとかいうから、そのブームたるや凄まじかったことを想像するに易い。先輩の話を聞けば、スキー場のホテルは即満室となり、プレゼントでティファニーが飛び交う異常な状況だったらしい。
その頃からユーミンはゲレンデの聖地である苗場で今も続く冬の代名詞的ライヴ「SURF&SNOW in Naeba」を開催する。スキー場と言えばユーミンであり、クリスマスといえば「恋人はサンタクロース」のイメージが定着していった。そして決定的になったのが、1987年ホイチョイ・プロダクションによる映画『私をスキーに連れてって』の挿入歌に抜擢され、恋愛ソングとしての地位を確固たるものにした。当然、映画は大ヒット。それと並行して、世間では「クリスマスは恋人と過ごす日」というイメージに変わっていった。





※コラムニストの堀井憲一郎氏が、雑誌やテレビを検証し、クリスマスは恋人と過ごすという概念が広まったのが80年代半ばということを突き止めたことも裏付けになっている。その時代に使われた重要なアイコンのひとつが松任谷由実であることも。また、最近では「マツコの知らない世界」に出演した音楽ライターの冨田明宏氏も「恋人がサンタクロース」によって、クリスマスの概念が恋人と過ごすようになったと発言している。ユーミン世代のマツコ・デラックスにとったら言わずもがなな周知の事実であろうが。

それを受け、ユーミンは次のように述べている。

「自分でいうのもなんだが」と前置きして「“恋人がサンタクロース”というフレーズが社会への呪縛のようになったかも」「クリスマスをそういう風な日にしてしまったかもしれなくて。反省してもはじまらないんですけど」と振り返った。

いずれにせよ、松任谷由実という巨大な才能と「恋人はサンタクロース」という名曲によって、日本の国民意識まで変えてしまい、それが未だに受け継がれていると思うと、とてつもない影響力と偉業だと思わずにいられない。

(文・ROCKinNET.com編集部)
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