映画レビュー

【映画鑑賞日記】ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス

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冒頭から巨大な海洋的な異性物が落下してきて、お馴染みの駄目駄目メンバーが大迫力の戦闘を繰り広げるわけだが、カメラはあくまでノリノリに踊る、(前作で破壊されたため)今作で小枝の成長過程の幼きグルート中心に動く。そして、BGMはElectric Light Orchestraの「Mr. Blue Sky」とベタな選曲なのが、実にガーディアンズらしく本質を失っていないことに安堵する。

言わずもがな、このシリーズの最大の売りは安直さだ。シュールでキッチュな路線を敢えて歩むことで、他に類を見ないヒーロー映画を確立している。それを支えるのが80’sの音楽群だと気付かされる。この時代のPOPが持つ独特の無責任さ。名曲が無いという意味合いは少しも無いので前置きしておくが、音楽バブルだったゆえに、軽妙なだった時代のPOPソングが、2017年において、ここまで、程よいウィット感を醸して、こうした映画に再利用され、再び輝くのだから不思議なもんだ。

ただ、続編である本作は、ぶっ飛んでいた前作よりも各々のキャラクターの心情が深く掘り下げられている。とにかく、ふざければ、それで良い作品なのだが、意外に“マーベルしちゃってる”のだ。
クリス・プラット演じる主人公ピーターもカッコいいし、ちょっとロマンスあるし・・・腐ってもマーベルなんだなと思った。(個人的には、もっと下らなくていいと思ったが)次回?の『アベンジャーズ』にも出るとのことなので、少しはヒーローっぽさを見せてくれたのか?・・・と思いきや、危機的な状況でも、ウ●コの話で盛り上がる連中だから最高だ! 多額の制作費を使って、CGバリバリ使って巨悪を倒して、美女を抱けば、ヒーロー映画としては満点だ。しかし、それをやってのけた上で、かっこつけない。
駄目を演じる美学、ピエロの美学とでも形容しようか。これって、北野武やサザンの桑田佳祐にも通じるところがある。かっこつけないところに、かっこ良さを見出す。これまでのハリウッド映画には無かった発想だ。誰だってアイアンマンにはなれない。マーベルなんて、感情移入なんか出来る類の映画ではない。しかし、ガーディアンズに好感を覚えるのは何故だろう? 彼らの駄目さこそが感情移入である、観客の共感を呼ばないはずがない。観客にヒーローはいないからだ。だから、この映画は最高なのだ!

何よりも、今作はグルートのキャラ勝ちだろう。ため息が出るほど愛らしい。前作が、本来愛でられる存在であるアライグマにスポットライトを当てて、実は彼が最悪で凶暴であるというギャップを以って作品自体にインパクトを与えた。しかし、今回は小枝に負けた。グルートの造形、天然なところ、幼児性に愛情が芽生える。近年ディズニーアニメ以外では見ない、名物映画キャラの誕生である。
前作同様、キャラだけでも十分に観客を魅了するのだから、その設定の上手さには唸ってしまう。

3年ぶりの続編である。
もはや『スター・ウォーズ』級に好きなSFシリーズである。3年と言わず、もっと早く続編が観たい! とりあえずは、どういった形で来年の『アベンジャーズ』に参戦するのかが非常に楽しみである。ただでさえ、アイアンマン派閥とキャプテン・アメリカ派閥で分裂しているが、さらに、めちゃくちゃにしてほしい。もしくは、深刻な状況下にあるからこそ、彼らのようなボケ担当が必要だったりもするか? マーベルにとって最重要キャラなことだけは言えそうだ。それと、グルートが成長しないことを願う。今のままでいい。

 

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