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馬鹿なのか?空想力の欠如か?NHK会長の桑田朝ドラ主題歌「歌詞意味不明」発言について

NHKの上田会長が今月11日に定例会見を行った際に、桑田佳祐が務める現在放送中の朝ドラ「ひよっこ」の主題歌「若い広場」の歌詞について、「聞き取りにくい。なかなか難しくて、どういう歌詞か調べてもらったが、意味不明なところもある」と話し、批判が集まっている。

まずは、主題歌の起用について桑田佳祐の発言から見ていこう。
「主題歌のお話を頂戴し身に余る光栄」「『ひよっこ』は1964年を舞台に始まる物語ということで、(同時代に産まれ育った)自分の人生を辿っていくような感覚とともに、夢と希望に溢れた日本の未来に思いを馳せながら、歌詞を綴りました。古き良き日本の情感のようなものも、合わせて感じていただけますと幸いです」などとコメント。NHKのドラマに楽曲提供すること自体が初となるものの親和的な姿勢を見せている。

考えられるのは、この上田という男が机上人間だという疑惑。NHKなんぞ、番組の質に関係なく黙ってても金が入ってくるお役所放送局である。役人張りのガチガチ石頭な連中が多い。元商社マンと聞くから、余計にアーティスティックな物への理解力に乏しい人間と容易に空想できる。

そもそも、歌詞とは抽象表現だ。小説や論文ではない。無表情な言葉の羅列に心情的な彩りを与えたリリックを如何に旋律に乗せて表現するかである。
応援歌で「ガンバレ」なんて言葉を使うのが如何に野暮で馬鹿げているかってことである。(「あの日 あの時 あの場所で 君に会えなかったら僕等は いつまでも見知らぬ二人のまま」なんて、当たり前じゃねえかよ! って歌詞も個人的には受け付けない。小田和正嫌いだし。)各個人で思い入れのある歌詞は異なるし、解釈ですら異なる場合がある。それでも、J-POPは英語や日本語をうまく調和させ、独自の発展をしてきた。ましてや、桑田は現代J-POPの礎を築いた最大の功労者である。それを「意味不明」と公の場で発言するというのは、自ら「私は詞(ポエム)の奥深さを理解できない大馬鹿者だ」と露呈しているようなものである。少しは恥を知ったらいい。

歌い出し《愛の言葉をリル》の“リル”が戦後のヒット映画『上海帰りのリル』であるとか、《サナギは今蝶になって》も阿久悠作詞の「白い蝶のサンバ」の歌詞であるなど、ドラマの時代設定である昭和初中期の文化へのオマージュと愛情が散りばめられている、小粋な詞になっている。

桑田批判は高齢者に最も多いという点。先でも述べたが、桑田は現代J-POPの礎を築いた最大の功労者のひとりと言って間違いはない。しかし、桑田出現前の日本音楽シーンは、演歌やムード歌謡が占め、今ほど歌詞表現は多様的ではなかった。夜のヒットスタジオで「勝手にシンドバッド」を歌った際に、「何を言ってるか聞き取れない」という声が殺到し、テレビに歌詞初めてテロップを付けたのは有名な話だ。なので、高齢者ほどサザン曲に対する理解力の乏しさは現実としてある。この会長も然りだ。

しかし、歌詞の抽象表現は桑田に限ったことでない。前回の朝ドラ主題歌であるミスチル「ヒカリノアトリエ」には《大量の防腐剤 心の中に忍ばせる》なんてワードもある。詩の世界は浅くない。桑田自身「たかが歌詞じゃねえかこんなもん」という著書を出したことがあるが、「マンピーのG★SPOT」などの過激な歌詞の読解に、言語学者や金田一氏まで発言する騒動にもなったり、「シュラバ★ラ★バンバ」「愛の言霊」等で日本語歌詞の極限に何度も達した言わずもがな天才である。そんな才人の書く詩の世界を、机上の論理で理解しようとしか出来ない人間に「意味不明」などと言われる筋合いはない。

ちなみに、朝ドラ直後に放送されている「あさイチ」でV6のイノッチが、桑田の曲を賞賛した上で、有働アナに「会長に言った方がいいよ」とコメントしたことに賛同が寄せられているという。的確な発言をし、“誰からも好かれる男”井ノ原という男の人間力は、ジャニーズと括るには勿体無いほどだと思うし、脱帽する時がある。

 

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