ライブレポート

【ライヴレポート】ポール・マッカートニー(2018/11/1@東京ドーム)

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昨年の来日公演から早くも新ツアーで今年も来日を果たしたポール・マッカートニー。平日にも関わらず東京ドームは満席だった。11年ぶりの来日となった2013年から僅か五年で4回目の来日。
来日の度にライヴへは行っているが、まさか、こんなに生ポールを拝めるとは思ってもみなかった。今回のツアーは最新作「エジプト・ステーション」を携えてのツアーではあるものの、同作からの新曲は「Who Cares」「Come On to Me」「Fuh You」と三曲にとどまった。他はビートルズやウイングス、ソロのお馴染みの曲だ。
一曲目は前ツアーと同じ「A Hard Day’s Night」だった(とは言ってもビートルズ以来2016年から初めてソロとして披露するようになったことを考えると希少性が半端ないことが分かる)、惜しげも無く人類史を彩ってきたポップやバラードなど名曲が連投され、最後は「Live And Let Die」「Hey Jude」で本編が締め括られ、アンコールでは「Golden Slumbers/Carry That Weight/The End」に突入する(その頃には俺の涙腺は崩壊している)。ポールのライヴには定型がある。

けど、ポールのライヴには飽きが来ない。マンネリしない。むしろ、それらお馴染みの楽曲を求めているのだ。いつ見ても多幸感に満ち溢れ、楽しさと感動が刷新されている。凄いことである。自分は新しいファンだから過去の名曲と同列に近年の楽曲も好きである。オールド・ファンは過去に縛られる傾向ってあると思うが。だから「Queenie Eye」も聴けたのも嬉しかったし、その次に「Lady Madonna」と続くことにポールの現役感が垣間見れた気がして嬉しかった。楽曲リリースが云十年離れているものを並列に置いて披露するなんて通常できない。ポールの現時点でのキャリアを総括したものを聴かせようとする姿勢なのかなという凄味を感じた。
普通なら新譜リリース後のツアーである、新譜の楽曲をやりたがるだろう。しかし、ポールはそこを最小限にする。希代のスターは聴衆が何を聴きたがっているかを熟知しているからだ。彼以上のスターは世界見渡しても、そういないことは明確だが、ポールの選曲にはエゴイズムが無い。むしろ献身的で、サービス精神旺盛。
加えて、この日「Eleanor Rigby」を歌い出す時に珍しく失敗してやり直し、「これでライヴだと分かっただろ」とおどけたが、その時に見せた愛嬌というのがポールらしくて微笑ましい。この人の楽天的な部分や、こういうチャーミングな魅力というのは永久なんだろうなと思った。

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初日では披露されたらしいが自分が行った日は「Yesterday」が披露されない初のポールのライヴだった。その分「Let it be」に胸が熱くなり、自然と涙が出てきた。


アンコールの「I Saw Her Standing There」「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」「Helter Skelter」の流れが個人的に上がった。ここにも表れているように今回のポールはどちらかと言えばロックモードだったと思う。50年前のロックを2018年にも聴かせる、楽曲の普遍性とポールのボーカル力の見事なマッチングが成す奇跡だと思う。「マタアイマショウ」と言ってポールは会場を後にした。いつも「もしかしたら今回が最後かも知れない」という覚悟を決めて観に来ている。けど、そんなネガティヴな気分さえも跳ね除けるほどポールはパワフルで、絶対また会えるという確信が何故か持てた。来年でもいい。希少価値がなくなろうと構わない。また、会いましょう!

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

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