ハリウッド

【実は悪事を働いていない?】『美女と野獣』の悪役ガストンから読み解く、強さを求めるアメリカ像

出典:https://www.youtube.com/watch?v=tTUZswZHsWQ
(C)Disney

ハロウィンの季節がやって来た。例年通り渋谷は仮装した人々で溢れかえって馬鹿騒ぎしてゴミの山と共に去っていくのだろうか?(←嫌味を言うな。私はこれらを仮装民と呼んでいる。下層量産型の人種・・・・・・だから嫌味を言うな)
約5年前から急に広まったハロウィン。この急激に盛り上がったムーヴメントの裏には絶対に仕掛け人がいると思うが、この経済効果がバレンタインを抜かして年中行事の2位になると聞くから驚く。それでも、絶対王者クリスマスには全然及ばないらしいが、つい最近まで何でもなかった10月下旬に大きく経済が回ることは良いことだ。

あなたが好きなディズニー・ヴィランズ

と言うことで、ハロウィン特別企画と言うことで、今回はこんなランキングを紹介したい。
米国のRankerという娯楽やスポーツ情報サイトが5800人の投票を募って発表した「あなたが好きなディズニー・ヴィランズ(悪役)ランキング」

1位 スカー『ライオン・キング』
2位 マレフィセント『眠れる森の美女』
3位 ジャファー『アラジン』
4位 アースラ『リトル・マーメイド』
5位 ハデス『ヘラクレス』
6位 クルエラ・ド・ヴィル『101匹わんちゃん』
7位 フック船長『ピーターパン』
8位 シアカーン『ジャングル・ブック』
9位 魔女『白雪姫』
10位 ガストン『美女と野獣』
出典:https://www.ranker.com/crowdranked-list/greatest-animated-disney-villain

流石トップ10に入るキャラアクターだけあってアクの強い面子勢揃いである。残忍な思考回路を持った猛獣、魔術や奇術を使う者、己の物欲のためには動物虐待も厭わない悪女・・・・・・全世界に共通の正義感を謳うディズニーはストーリーは国境、人種、宗教など関係なく、統一した正義を描かなければならない。だからこそ、彼らのような、有無言わさない絶対悪・ヴィラン無くしてディズニーは成立し得ない。

唯一の真っ当な人間でしかないガストン

しかし、このランキングの中で異様なキャラがいることにお気付きだろうか?
10位のガストンである。彼は不朽の名作『美女と野獣』に出て来る悪役だ。彼がどんな悪事を働いたかを振り返ってみると・・・・・・美女ベルを愛し、求婚するもなかなか恋が叶わず、野獣と恋敵になって、そんな野獣と美女を賭けて闘って城から落ちてしまう・・・・・・野獣を成敗しようとすることは犯罪(動物保護法違反?)にせよ、これといった悪いことをしていなくないか?(笑)
確かに、傲慢で乱暴で利己的なナルシストであるが、他のヴィランと比べてもいたって普通。そもそも、彼は特殊な能力も無い一般的な人間だ。(6位のクルエラも人間だが、彼女は始めから100匹以上の子犬で毛皮を作ろうとする残忍性を持っている、ガストンはただの横暴な男ってだけ)

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白人男性・筋肉隆々・傲慢
ガストンはアメリカ保守の象徴?

なのに、何故こうもガストンは100年以上続くディズニー史に強烈なインパクトを残すことが出来たのだろうか?
そこには彼のキャラクター自体がアメリカの保守層そのもので、彼の否定はアメリカという大国が持つ思想の否定にもなるのでは? という仮説を立ててみる。
劇中歌「強いぞ、ガストン」でも、彼の容姿や性格については歌われている。

イカしてるガストン
首は太くたくましいガストン
誰より男らしく完璧なヒーロー
町の誰にきいてもボスは君だと答えるさ
(中略)
ステキなアゴをしてるガストン
そうさ俺はイカしたやつ
たたえようガストン
英雄に乾杯
ガストンこそみんなの誇りさ
(中略)
筋肉はモリモリ
すごいぞガストン
射撃もガストン
ブーツをはけば無敵さガストン
見てくれよこの鹿の角
強いぞガストン

ガストンの特性と言えば、「白人男性」で「筋肉質」で「理論よりも体力勝負」、「己の欲求を満たすためなら、理不尽さも押し通す」。どこかで聞いたような・・・・・・

共和党支持基盤とガストンの類似性

そう、トランプ大統領や、前ブッシュ大統領の政権下のアメリカのようではないか?
まずは、共和党の支持基盤は「白人男性(中年以上)」が多数を占める。
支持政党の地域別傾向を見ると、古きアメリカを代表する中西部では共和党が強く、西海岸や東海岸など移民が多い州では民主党が強いという差にも如実に表れている。

そして、「筋肉質」で「理論よりも体力勝負」に関しては、共和党支持のセレブ達の名を挙げていきたい。

・クリント・イーストウッド
・アーノルド・シュワルツェネッガー
・ブルース・ウィリス
・シルベスター・スタローン
・メル・ギブソン
・チャールトン・へストン
・ラッセル・クロウ
・ジョン・ヴォイト
・キッド・ロック
・ザ・ロック
・ブリトニー・スピアーズ
・アダム・サンドラー
・ゲイリー・オールドマン

出典:http://www.cinema-frontline.com/2017/04/movie-news-Expendables4.html

どうだろうか? なんかどこかで観た顔ぶれだが・・・・・・(H・フォードの支持政党は不明)、これでもかってほどマッチョマン勢揃い、中年白人男性の名が並ぶ。また、アメリカの暴力の象徴でもある「銃」の所持を認める、全米ライフル協会も共和党支持であり、アメリカの共和党支持母体である保守層はアメリカに「強さ」を求める傾向がある。(ベトナム戦争時のジョンソン政権のように)民主党時代にだって戦争に介入した大統領はいたので一概に断言はできないが。

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また、「己の欲求を満たすためなら、理不尽さも押し通す」に関しては、言わずもがな、2003年にブッシュ政権が「イラクに大量破壊兵器がある」と言ってイラクに攻撃をしかけて占領したこと。結局、CIAの調査では事実として大量破壊兵器の確認はできなかった。しかし、多くの民間犠牲者を出し続けている戦争は、共和党による理不尽な欲求実現の最たる例であるとも捉えられよう。

絶対悪とは言い切れないのでは?

というように、ディズニーの悪者であるガストンの特徴は、アメリカの共和党大統領の言動に酷似し、その支持母体もアメリカには存在する。こういう傲慢なアメリカ人像は、正にアメリカの正義であり、必ずしも「悪」だとは言い切れない。言い切らない? 横暴なものの、ガストンは、アメリカという大国のひとつの側面の象徴とも言えるのだ。

もしあなたのタイプの女性が獣に恋したら?

馬鹿らしい例えになるが、仮に現実の世界で考えてみよう。舞台はどこか田舎の山里。あなたは、毎日の体力仕事によって身体は筋肉隆々になり、性欲の捌け口ならいくらでもあって、モテモテ人生を送るも、一向に自分に振り向かないタイプな絶世の美女がいるとする。何とか振り向いて欲しいと躍起になってアプローチするも、何故か彼女は熊に恋してしまう。普通ならその時点で、猟銃片手に美女を救いに行くだろう(もしくは、トチ狂った女だと思って身を引くか?)。『美女と野獣』をガストン視線で日本に舞台を設定するとこうなる。この場合、ガストンのやってることは至極真っ当と言えないか。

しかし、物語は野獣側に肩入れする。美女との恋が実り、野獣も人間に戻り、めでたしめでたし。
誰もガストンの葬式もせずに・・・・・・ディズニー史上最も気の毒なヴィランとも言えよう。
ま、傲慢だから悪役がピッタリではあるし、個人的にも苦手なタイプではあるんだけどね。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

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