『スタンド・バイ・ミー』などの往年の人気感動作や、『シャイニング』『IT/それが見えたら終わり』など、多くの名作ホラー映画の原作者で知られる巨匠であるスティーヴン・キングが、2018年に日本で話題になった上田慎一郎監督の映画『カメラを止めるな!』を絶賛したという!
キングは、知人の作家から『カメラを止めるな!』を勧められて鑑賞したとかで、「もし皆さんがゾンビが暴れる映画で様々なバリエーションを見たと思っているなら間違いだ。オリジナルでとても楽しかった」と、ホラー映画では決して無い『カメラを止めるな!』をゾンビ映画とジャンルを位置付けた上で、独創性を賞賛した。
思えば、ゾンビ映画は『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』に始まり、『28日後…』でスピード感で進化を遂げ、『バイオ・ハザード』シリーズで使い古され、ドラマ「ウォーキング・ザ・デッド」で頂点を迎えた感がある。韓国映画『新感染』も面白いゾンビ映画ではあったが、結局はハリウッドの発想を焼き直しただけで、斬新とは言い難い。アメリカがゾンビで出来ることは全てやったように思えるだけに、キング氏は思いもよらない切り口でゾンビを撮った『カメラを止めるな!』に喜びを覚えたのかも知れない。
これに対して『カメラを止めるな!』の上田監督は「え!え!スティーブン・キングが『カメラを止めるな!』を観てくれた!キャリー、シャイニング、ミザリー、スタンド・バイ・ミー、ショーシャンクの空に・・・あなたの産み出した作品が僕の血肉になっています。貴方の本『書くことについて』はボロボロになるほど読みこんでいます・・・ありがとう!」と感激のツイートを投稿している。
個人的には演劇作品の舞台裏のドタバタを描いたという点では三谷幸喜の『ラヂオの時間』を彷彿とさせるので、独創性は感じなかったのだが、『カメラを止めるな!』は前半で如何にも低予算なホラー映画が30分続いた後に、その伏線を回収する構成が優れており、アメリカのコメディ映画には無い、日本独自の短編小説のようなコントノリがキング氏の目にも新鮮に映ったのかも知れない。エグいホラー作品が続くキング氏だけに、これを機に初のコメディなんて書いたら、めっちゃ読みたいかも!(趣味悪いコメディになりそうだけど・・・)
(文・ROCKinNET.com編集部)
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