ハリウッド

もはや超人!『ミッション・インポッシブル/フォールアウト』の撮影舞台裏を知ればトム・クルーズの凄さがより分かる!

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もしかしたら現在ハリウッドで最強なのは、アベンジャーズを半壊させたサノスでも、プレデターでも、『IT』の道化師ペニー・ワイズでも無く、トム・クルーズなんじゃないかと真剣に思う。最新作『ミッション・インポッシブル/フォールアウト』の撮影舞台裏を調べていくと、トム・クルーズという人間の映画(殊更アクション)に対する本気度、超人度が想像をはるかに超えるもので、驚きを通り越して、敬意とか賞賛というか唖然してしまっている。あまりに凄過ぎて。

壁に激突で骨折するも驚異の早さで現場復帰!

2017年8月『ミッション・インポッシブル/フォールアウト』の撮影中、トムが、ビルからビルに飛び移るスタントに失敗して壁に激突し、右足首を骨折したニュースは瞬く間に世界中に拡散され、かなり話題になった。記憶にある人も多いことだろう。

ただ、このシーンは決して事故映像では無い。もともとが壁に激突する設定だったらしい。もちろん、トム自身も骨折することは想定外だったと思うが。何が凄いって、不自然な方向に右足首が曲がったほどの重傷を負いながらも、そのまま撮影は続行されており、トムは屋上に這い上がり、負傷した右足をかばいながらも走っていったことだ!
後にトムは「正直やりたくなかったよ。折れた自覚はあったからカメラから逃げたんだ。撮影はされていると思うから、劇中にもあるよ。」と振り返っている。しかし、普通なら失神してもおかしくない怪我である。トム・クルーズは、特にこの『ミッション・インポッシブル』において、アクションを自ら行い、その本気度が半端ないとは前々から言われていたことであるが、怪我してまで撮影を止めないプロ根性には頭が下がる思いだ。が、なんと、その怪我が完治する前に撮影に復活したというから驚きである。

病院でMRI検査を受けると、右足首(正式には距骨[きょこつ]というスネと踵の間の骨)が砕けており、完治には6~9ヶ月かかる診断だったにも関わらず、トムは「僕は6週間で治すよ」と言って、本当に6週間で現場に復帰、12週間後には走っていたという。そろそろ人間じゃない疑惑が出始める頃だが(笑)普通の療養期間の僅か6分の1の期間で現場復帰したトムが、最初に挑んだ撮影が、断崖絶壁にしがみつくシーンだ。『ミッション・インポッシブル/フォールアウト』でもクライマックスのシーンである。普通の身体状態でも危険な撮影にもかかわらず、トムはスタント俳優に頼らない。究極のMなのか? 究極の負けず嫌いなのか? 究極のアホなのか?(笑)凄いを通り越している。

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自分でヘリ操縦!?前代未聞の空撮実現の背景とは!

この『フォールアウト』の華僑は何と言っても、ヘリによる空中シーンである。映画を観ていて「あれ?」と思った方はいないだろうか? そう、トムが乗るヘリにカメラマンがいないのだ。なのに、ヘリ内部操縦のカットはあったし、ヘリのプロペラの風圧に髪がなびくトムの顔の接写もあった。通常、ヘリスタントは内部を撮影することはしない。接近撮りもしない。カメラマンが写っちゃうし、非常に危険を伴うからだ。じゃ~、ヘリスタントのシーンの撮影をどう成立させたのか?

トムが実際に操縦したというのだ。

いやいやいや・・・・・・

飛行スタントの専門家ですら「役者がヘリコプターの操縦に挑戦するのは不可能」と言われる中、トムは自らパイロットになることを志願。ヘリコプターの操縦は、1日8時間訓練しても3ヶ月で初心者レベルと言われる非常に難易度の高いもの。
しかし、トムは「短時間で2,000時間(1日8時間とすると8カ月間)の訓練をこなす」と言い放って見事ライセンスを所得。18カ月の準備期間を経て、質量1,200kgのヘリコプターを見事に操縦し、アクション映画史上、誰も見たことのない前代未聞のシーンを実現させる。地面近くで低空飛行したり、曲がりくねった川に合わせての操縦というプロでも難しい飛行をこなしたのだ。

スタント専門スタッフは「少しでも誤魔化せば観客にバレる」というが、「なにも、そこまで真を求めなくても」ってレベルである。CGの発達により生身の人間では撮影が困難なシーンの実現が可能になったのだが、トムの場合はその流れとは真逆を行く。
プロデューサーのジェイク・マイヤーズは「もしもトムが何らかのコントロールミスを犯せば、一巻の終わりだ。ものすごく神経がすり減ったし、彼らが無事に戻ってくるたびに、心の底からホッとしたよ。」と気が気じゃなかった様子。
トムが凄いのは「操縦士」「役者」「撮影者」の三役を同時にこなしたことだ。ここまで危険で命懸けな体当たり演技をしているとは、誰も思わないだろう。これを知っていたらポップコーン片手になんか見れない。映画の撮影というよりも「世界の果てまでイッテQ」のスケールでかい版を見ているような感覚?(笑)映画の内部だけでなく、撮影裏でも常人には考えられない物凄いことが行われていたのである。

これが血気盛んな若手俳優がやるなら分かる(いや、それでも理解に苦しむが)、トム・クルーズ御年56歳である。もはや、そんじょそこいらの若者よりも強靭な肉体と精神力、他に追随を許さないプロ意識を兼ね揃えている。彼をスターと言わずして誰をスターと言えようか。なんか、こういうのを調べていくと、もう一度『ミッション・インポッシブル/フォールアウト』をアクション目当てで、正座でもして心して観たい気になる。

(文・ROCKinNET.com編集部)
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