映画レビュー

絶対的なエンタメ性!これぞ娯楽作の鑑!『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』

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これぞ娯楽の鑑だ! 何なんだろう、この安定の絶対的なエンタメ性は!
何が凄いって、当たり前に歳を重ねるトム・クルーズが年齢と反比例するように、体当たりアクションが過激になっていること。ビル間を飛んで着地した際に膝を負傷して撮影が中断したのも有名な話。吹雪かれる髪の様子からも、絶対にアテレコではないと見てすぐ分かるようなヘリでのシーン。飛んでるヘリコプターにへばり付くとか、実際にヘリを操縦しちゃうとか、ここまで来ると常人の発想の域ではない。容姿も含めて、とてもじゃないけど56歳とは思えない。まさに超人であり、今世紀最大のスターの称号に相応しい。

MIシリーズと言えば、各々が単独の物語であることが挙げられよう。毎回悪い奴らが世界征服を企む、そんな単純明快な勧善懲悪な設定が、全世界のどんな人種や宗教や価値観の人間にも受け入れられる由縁だった。しかし、今回は2015年公開の前作『ローグ・ネイション』の続編というシリーズ初の設定だ。前作を復習してから鑑賞した方がより物語の深みにハマることが出来よう。
今回の『フォールアウト』では、物語上で真偽が二転三転するような緻密なシナリオ構成も目が離せない由縁のひとつであるが、何よりも今回は邪魔が多い。

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核装置に使用されるプルトニウムが盗まれ、それを使って同時多発テロが計画されていることが発覚し、イーサン・ハントに、計画阻止のミッションが下された! イーサンたちは、「ジョン・ラーク」という人物の名前だけの手掛かりでミッションを開始する(名前だけっていうのも酷な話)。加えて、イーサンの動きに不信を抱くCIAが、監視役として敏腕エージェントを送り込んでくる。そして、コイツが何かと邪魔(笑)
そのCIA側のエージェントが、DC『ジャスティス・リーグ』のスーパーマン役でもあるヘンリー・カヴィルというのが、また手強さを助長している。トムよりも遥かに高身長でガタイもいい。しかも、トムよりも全然若い。威圧感たるや半端ない。
行動を起こす度に一悶着が起こり、一筋縄ではいかない・・・・・・けど、時間も無い中でイーサンは悪戦苦闘する!
まるで、人気ドラマ『24』を彷彿とさせるような時間制限の中で起きる慌ただしさが何とも言えない緊張感を醸し出す。2時間半の長編にも拘らず、体感時間は本当にあっという間。

自分の仕事柄、妻を危険に晒してしまったというアウトロー特有の憂いも描き、単なる工作員ではないイーサンの人間性が垣間見れる。これも、自分の置かれた立場で周囲を不幸にしてしまった『24』のジャック・バウアーに通じるところがある。決してヒトとしての幸せを成就できない悲しみと、背負わされた任務と宿命を飲み込んだ、イーサンの背中に英雄の美学を垣間見ることが出来た。次の続編があるとしたら(いや絶対にあるだろうが)トムも60歳を迎えているだろう。還暦の無敵なヒーローがどんな感じなのか。イーサン・ハントから目が離せない。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

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