映画レビュー

絶対的なエンタメ性!これぞ娯楽作の鑑!『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』

© 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

これぞ娯楽の鑑だ! 何なんだろう、この安定の絶対的なエンタメ性は!
何が凄いって、当たり前に歳を重ねるトム・クルーズが年齢と反比例するように、体当たりアクションが過激になっていること。ビル間を飛んで着地した際に膝を負傷して撮影が中断したのも有名な話。吹雪かれる髪の様子からも、絶対にアテレコではないと見てすぐ分かるようなヘリでのシーン。飛んでるヘリコプターにへばり付くとか、実際にヘリを操縦しちゃうとか、ここまで来ると常人の発想の域ではない。容姿も含めて、とてもじゃないけど56歳とは思えない。まさに超人であり、今世紀最大のスターの称号に相応しい。

MIシリーズと言えば、各々が単独の物語であることが挙げられよう。毎回悪い奴らが世界征服を企む、そんな単純明快な勧善懲悪な設定が、全世界のどんな人種や宗教や価値観の人間にも受け入れられる由縁だった。しかし、今回は2015年公開の前作『ローグ・ネイション』の続編というシリーズ初の設定だ。前作を復習してから鑑賞した方がより物語の深みにハマることが出来よう。
今回の『フォールアウト』では、物語上で真偽が二転三転するような緻密なシナリオ構成も目が離せない由縁のひとつであるが、何よりも今回は邪魔が多い。

[PR]

核装置に使用されるプルトニウムが盗まれ、それを使って同時多発テロが計画されていることが発覚し、イーサン・ハントに、計画阻止のミッションが下された! イーサンたちは、「ジョン・ラーク」という人物の名前だけの手掛かりでミッションを開始する(名前だけっていうのも酷な話)。加えて、イーサンの動きに不信を抱くCIAが、監視役として敏腕エージェントを送り込んでくる。そして、コイツが何かと邪魔(笑)
そのCIA側のエージェントが、DC『ジャスティス・リーグ』のスーパーマン役でもあるヘンリー・カヴィルというのが、また手強さを助長している。トムよりも遥かに高身長でガタイもいい。しかも、トムよりも全然若い。威圧感たるや半端ない。
行動を起こす度に一悶着が起こり、一筋縄ではいかない・・・・・・けど、時間も無い中でイーサンは悪戦苦闘する!
まるで、人気ドラマ『24』を彷彿とさせるような時間制限の中で起きる慌ただしさが何とも言えない緊張感を醸し出す。2時間半の長編にも拘らず、体感時間は本当にあっという間。

自分の仕事柄、妻を危険に晒してしまったというアウトロー特有の憂いも描き、単なる工作員ではないイーサンの人間性が垣間見れる。これも、自分の置かれた立場で周囲を不幸にしてしまった『24』のジャック・バウアーに通じるところがある。決してヒトとしての幸せを成就できない悲しみと、背負わされた任務と宿命を飲み込んだ、イーサンの背中に英雄の美学を垣間見ることが出来た。次の続編があるとしたら(いや絶対にあるだろうが)トムも60歳を迎えているだろう。還暦の無敵なヒーローがどんな感じなのか。イーサン・ハントから目が離せない。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

[PR]

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 半漁人の勝利!90回目のオスカー発表!
  2. 今年2018年のサマソニがガラガラの異常事態!~その原因を探ってみた
  3. マーベルが『ブラックパンサー』でヒーロー映画初のアカデミー作品賞を獲得するために…
  4. パリピが日常悩んでる嫌なことって何?ストレス溜めない極意がULTRA JAPAN…
  5. 映画『アントマン』では味方だった猛毒蟻“ヒアリ”について徹底解説!

関連記事

  1. 映画レビュー

    『オリエンタル急行殺人事件』名優勢揃い!それだけでも十分に楽しめる!

    ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、ペネロペ・クルス、ウィレ…

  2. 映画レビュー

    『アントマン&ワスプ』物理学の常識を自在に遊びまくる発想が見事で楽しい!

    『インフィニティ・ウォー』(以下、IW)が絶望的な内容だったの…

  3. 映画レビュー

    ジョディ・フォスター史上最高傑作だった『マネーモンスター』

    文句なしで今年のトップに入る娯楽作だと太鼓判を押し…

  4. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】ドント・ブリーズ

    20年に一度のホラー映画と言うから期待していったんですが肩透か…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

  1. 邦楽

    CDJ1819で大量発生した「あいみょん地蔵」で垣間見えた若いマナー違反客の現実…
  2. ライブレポート

    【ライヴレポ】ワンオク初の東京ドーム公演で見た“世界基準のバンドの風格”に圧倒さ…
  3. 音楽

    PSY「江南スタイル」が持つYOUTUBE再生回数1位の記録を破ったのは!?【最…
  4. ライブレポート

    COUNTDOWN JAPAN 1718 3日目ライヴレポート
  5. ハリウッド

    SW史上最大の被害者?ダース・モールその悲劇の人生を徹底解析!
PAGE TOP