映画レビュー

『 IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』驚き倍増!娯楽ホラーとして合格!

(C) 2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

ビックリ倍増で続編としてスケールアップ成功!

前回よりも過剰なサプライズ演出の連続で、続編としてもパワーアップしていたように思える。心の真髄まで怖がらせると言うよりも、急に驚かす古典的な手法ながら、その王道加減は「娯楽ホラー」としては余裕で及第点に達していたと思う。

救いようのないエゲツ無さこそキング氏の真骨頂!

とにかく、「品位がねぇな~」のひと言。
冒頭でLGBTのカップルがチンピラに絡まれてボコボコに殴られ濁流の河川に投げ落とされたに終わらず、その被害者をピエロがとどめ刺すとか、容赦なく被害者を悲惨な目に遭わせる。顔にアザがある少女に対しても、その容姿コンプレックスを逆手に取って、おびき寄せるデリカシーのなさ。趣味が悪い。ホラーは人の嫌な感情を逆撫でするものなのだから、ベクトルは正しいのだけども。
その徹底したサディスティック加減には辟易とするが(決して悪い意味ではないが良い意味でもない)、キング氏がホラー小説の頂上に君臨する由縁と感じる。

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前作でピエロに勝ったけど、克服は出来てなかった!

吃音障害、実父からの性的虐待、異常な潔癖、性的嗜好、いじめ・・・・・・主人公たちは生い立ちや家庭に複雑な事情を持った子供たちであった。『スタンド・バイ・ミー』的なひと夏の冒険テイストを醸し出しながら、勇敢にピエロに立ち向かい勝った。


しかし、27年経って再び現れた“IT”は、その幼少期のコンプレックスを思い起こさせ、大人になった主人公たちも苦しめる。随所で子供時代の役者を登場させては、過去とシンクロする見せ方が、主人公たちが過去の呪縛の中で生きてるかを表すには抜群だった(あと、前作は数年前なので誰が誰だか忘れてた情報を補完するに助けられた)。
そんな、いい年齢した大人になった主人公たちがお化けを怖がるという矛盾にリアリティがあったのは、彼らがアダルト・チルドレンのままだったからだ。身体的にも成長し、社会的地位も手に入れたとしても、過去のトラウマに苦悩する。何も克服は出来てなかったのだ。

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過去の闇歴史からの脱却こそITとの決別!

そんな“IT”と、どう対峙し克服するか?
主人公たちには大義名分なんかない、ピエロ退治の必然性はトラウマとの決別である。現実世界での日常の光景では“IT”は見えないけど、過去のしょうもない事実からは解放されるべきなんだと、我々にも通じるメッセージを感じる。彼らは今回本当の意味でペニー・ワイズを退治できた、それは過去の自分との決別も成功したことを意味する。ラストで街の窓ガラスに映った彼らの姿は幼少期の姿であるシーンがあったが、彼らが幼いながらも背負い続けた過酷な運命の重さに切なさを感じるとともに、言葉もなかったが、囚われていた心が解放される清々しさも感じた。
主人公たちが大人になった分、人間ドラマとしても濃厚になっており、160分を超える長丁場を感じさせないだけのストーリーテリングになっていた分、続編としては成功だろう。


(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

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