映画レビュー

大根キアヌが暴走するだけの荒唐無稽なSF映画の駄作『レプリカズ』!

(C) 2017 RIVERSTONE PICTURES (REPLICAS) LIMITED. All Rights Reserved.

出来そうで出来ないがSF映画のリアリティ

この手のSF映画を許容できるのは「いつか現実世界でも起こり得る」かも知れないと思わせられるか否かに掛かっていると感じた。ニコラス・ケイジとジョン・トラボルタが顔面移植する97年の『フェイス・オフ』や、ケヴィン・コスナーとライアン・レイノルズの記憶だけを移植する16年の『クリミナル 2人の記憶を持つ男』なんかがソレ。両方とも実現不可能であると分かっていても、科学の進歩と共に近未来では出来る“かも”しれないと思わせる、この微妙なリアリティとファンタジー性にSFの面白みがある。

[PR]

そんな簡単に人間のクローンなんか出来るかッ!

しかし、この映画にはソレが無い。そもそも取り上げているクローン問題は22年前の話だ。当然、人間のクローン実現は技術的・倫理的な議論の中されていないが、97年に羊で成功し、18年は猿でも成功している。夢物語感が薄い。ましてや、人間の複製が簡単過ぎる。アミノ酸とかそんな簡単なもん混ぜるだけで人間なんて複製できるかッ! 「ねるねるねるね」じゃあるまいし! あまりの荒唐無稽な展開にファンタジーとしての軽薄さにも及ばない適当さ、無責任さが感じられて興醒めする。

キアヌの大根っぷりに戸惑いを隠せない・・・?

加えてキアヌの大根ぶりにも驚いた。この人、こんなに演技下手だったっけ? 最近では『ジョン・ウィック』の好演が記憶に新しいが、本当に使い方次第の俳優だと感じた。

Summit Entertainment / Photofest / ゲッティ イメージズ
ジョン・ウィックの時の君は格好良かった(笑)

倫理観を捨て、家族をクローンで取り戻そうとする人間のエゴや愚かさを描き、人間の心は電子回路ではないことを訴えかけるテーマ性にも関わらず、まだ“仮想現実(マトリックス)”にいるのか?と思うくらいの棒読み台詞。生身の人間の体温が感じる演技では無かった。何より、クローン製造に関しても、何にしても、主人公には葛藤が無いのだ。そんな安易に進むべきことなのかと。キアヌにそういう繊細な表現ができるほどの演技力が無いのか。胡散臭い世界観のまま何の説得力も無く観客を置いてけぼりで、訳も分からず物語は進んでいった。B級と片付ければ簡単ではあるが、下らな過ぎて何の味もしない噛み過ぎたガムのような感じの映画だった。

[PR]


(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

[PR]




[PR]

 

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 13年ぶりロッキンに出演したサザンが凄かった!ROCK IN JAPAN史上最大…
  2. アナタが行くヤツ、それ本当にフェス?フジロックが世界の最重要フェス3位に選出!
  3. 世界で大ヒット中の映画『スパイダーマン:ホームカミング』の主人公トム・ホランドの…
  4. 遂にNYタイムズ誌まで?ガキ使の黒塗りメイク批判は行き過ぎだと思う理由!
  5. KEYTALKの八木氏はナゼ愛されるのか?その無敵な愛嬌の謎と八木氏のドラムテク…

関連記事

  1. 映画レビュー

    【報道とは何か?】映画という名のワイドショーだった『フロントマン』

    アメリカの大統領選は完全にエンターテイメントなんだなと思っている。…

  2. 映画レビュー

    『アントマン&ワスプ』物理学の常識を自在に遊びまくる発想が見事で楽しい!

    『インフィニティ・ウォー』(以下、IW)が絶望的な内容だったの…

  3. 映画レビュー

    【SF映画の金字塔更新】『ブレードランナー2049』が、映画の続編の史上最高傑作である理由

    SF映画の金字塔の続編として圧倒的な成功例続編映画の最高峰と言…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

[PR]
  1. ハリウッド

    【ヒットの勝算はネット戦略にあり?】恐怖のピエロ映画『IT』が公開第三週で興収首…
  2. グラミー賞

    今年のグラミー賞で明確になった黒人音楽(RAP/HIPHOP)劣勢の事実と、ブル…
  3. ハリウッド

    『君の名は。』遂に北米公開で絶賛の嵐!
  4. 邦楽

    松任谷由実「恋人がサンタクロース」がクリスマスは恋人と過ごす日という社会的呪縛を…
  5. 音楽

    【この夏も話題独占】ジャスティン・ビーバーの恋愛遍歴を振り返り!
PAGE TOP