映画レビュー

『ジョン・ウィック:パラベラム』アクションが九割を占め正直飽きる・・・

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愛犬を殺され、その復讐のためにマフィア組織を全壊させてきたジョン・ウィック。すべては犬から始まっている。本作でも、ハル・ベリー扮する女殺し屋が自分の飼ってる犬が撃たれた瞬間に、相手が権力者でも感情的に銃で撃ちまくったし、下手したら『僕のワンダフル・ジャーニー』以上に“愛犬家映画”なんじゃないかと思える。

前作で、裏社会でも聖域とされるホテル「コンチネタル」で禁断の殺しをしてしまい、掟を破ったことで、懸賞金1400万ドルが懸けられ、追われる身となるところから第三弾がスタート。役所手続きのように、老婆がジョン・ウィックが組織から除名され、全世界の殺し屋から狙われるまでカウントダウンする事務的な進行がゲーム仕様で面白い。鬼ごっこ、そのものだ。

このジョン・ウィックは裏社会が舞台となっているが、第三弾ともなれば、様々な組織が出てくる。様々な新キャラが出てくるのは、ロール・プレイングのようで面白い。ますますゲーム感が増す。その各国の組織へ向かうためにジョンは世界を縦横無尽に渡っていく。その無国籍感がシリーズ最大のスケール感を醸し出していたように思える。

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ただし、アクションが九割を占めるだけに、正直飽きる。アクションが売りのシリーズだけに力の入れようも凄いのだろう。終始そればっか。キアヌ・リーブス今年で55歳である。千葉真一を敬愛し、親日家で今年お忍びで三重旅行に来たらしいが、日本の柔術にも精通してるのか、銃撃戦というよりも、生身のアクションが多かった。それだけに迫力もあったが、むろん残酷なシーンもある(隣の老夫婦の奥さんは「ひゃっ!」と目を伏せていたので免疫ない人はご用心)、けど、ほぼ血は出ない。水戸黄門の世界。だが、それでいい。娯楽であるためには過剰な表現は最低限に抑えるべき、韓国映画じゃあるまいし。


三部作だと思って、どんな結末になるか見ていたが、意外や意外にまだ続く。全米の興収で『アベンジャーズ/エンドゲーム』が三週連続で首位をキープしている時に、初登場首位を記録しただけあって、回を重ねるごとに人気が増しているようだ。『マトリックス』以来のキアヌの新たな代表作にもなっている。キアヌが動けるうちは、ずっと続けるのがいいが、もう少しアクションは控えめにしてドラマも見せてほしい。派手なアクションが続けば、飽和も早いから。それだけ心配。主席連合を本格的に敵に回してしまって、ジョン・ウィック、これどう収集付けるよ?

(文・ROCKinNET.com編集部)
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