映画

日本アカデミー賞とかいう老害賞には文句しか出て来ない

© 2016「君の名は。」製作委員会

俺は「老害」という言葉が嫌いである。逆に「最近の若者は」と一括りにする風潮も大嫌いで、個性や個人を排除した物の見方に違和感しか覚えない。これから、その傾向は益々進んでいくであろう、自分よりも年上で自分の嗜好にそぐわない相手は全て害!それでは、世代間の溝は深まるばかりで、真っ当な社会形成がされるとは到底思えない。

そんなことを思いながらも日本アカデミー賞を見ながら、心底思った「これ、老害だな」と。
まず、『シン・ゴジラ』が作品賞、技術賞はじめとし最多賞を受賞していたのはいいとしても(技術が褒められる映画が作品賞を獲るのはオスカーに例えるなら『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』のような感じだろうか)、おそらく昨年の公開作では最も役者としての演技の幅を見せつけたであろう綾野剛を主演男優賞に選ばなかった件、海外では箸にも棒にも引っ掛からなかった凡作『ハドソン川の奇跡』を外国映画賞に選ぶところ、『君の名は。』にアニメ賞を獲らせないところだ。

殊更『君の名は。』がキネマ旬報や日本アカデミーに選ばれないことに関しては、『世界の片隅で』が素晴らしい云々でなく、日本映画界の閉塞感、高齢化の顕著に表れた現象として捉えている。要するに、あの映画は日本のポップ・カルチャーの集大成的な映画なわけで、その肯定が、何故できない!と憤りを感じたのだった。大衆との温度差!“ぜんぜん”納得いかない!ああいうものを、理解できないような年の取り方を俺はしたくない!

結局、『シンゴジラ』に多くの賞をあげたのは、これから東宝が再びゴジラを中心に一大ビジネス展開することを想定したお膳立てな気がする。
そもそも、日本映画最高峰の映画賞で権威がある(ことになってるのに)受賞を待たずに、主演女優を実際に受賞した宮沢りえが、他の仕事でその場にいないって言うのが、この賞がどれほど舐められているのかを表していると思う。そういう権威化は、やはり大衆寄りな結果に多少は意識することだと思うのだが。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 【全曲レビュー】桑田佳祐の最新作『がらくた』が凄過ぎた!大衆音楽ここに極まり!
  2. 半漁人の勝利!90回目のオスカー発表!
  3. 遂にNYタイムズ誌まで?ガキ使の黒塗りメイク批判は行き過ぎだと思う理由!
  4. 【追悼】アメコミ界の巨匠スタン・リー逝去~映画カメオ出演を振り返る~
  5. 安室奈美恵の引退への想い~安室という現象が現代の日本女性像を変えた~

関連記事

  1. ハリウッド

    『マイティー・ソー バトルロイヤル』を楽しむための豆知識をちょこっとだけ紹介!

    シリアス路線からコメディ路線に大きく舵を変更したことで興収的にシリ…

  2. 日記

    東京コミコン2018に行ってきた

    フラッシュに会ってきた。ド派手な衣装でお馴染みのエズラ・ミ…

  3. ハリウッド

    SW史上最大の被害者?ダース・モールその悲劇の人生を徹底解析!

    ※注意※この記事は、映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストー…

  4. ニュース

    『君の名は。』ジブリの牙城を崩し興収200億突破の快挙!

    これで洋画も含めた日本国内の興行収は1位『千と千尋の神隠し…

  5. 日記

    映画『セッション』に関する菊地vs町山の喧嘩が下らなすぎる問題

    どうでもいいっつっちゃーどうでもいいのだが・・・俺自身…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

  1. 邦楽

    勝手に選ぶ素晴らしい邦楽たちTOP10 2017
  2. ニュース

    原爆シャツ騒動でMステ出演中止になったBTSが犯した罪とは?
  3. 邦楽

    サザン40周年ライヴをLVで観る!~親近感こそサザン最大の魅力だと再確認する~
  4. ライブレポート

    【ライヴレポ】ワンオク初の東京ドーム公演で見た“世界基準のバンドの風格”に圧倒さ…
  5. ライブレポート

    ロック・イン・ジャパン2017 2日目ライヴレポート
PAGE TOP