ハリウッド

映画『バトルシップ』のリアーナ抜擢の理由はアノ事件が関係していた!この映画から改めて彼女の魅力は何かを探る!

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今夜(2017年9月8日)遂に『バトルシップ』が地上波で放送される。同作のファンは今日の放送を渇望していた。何故か・・・・・・それは、今年(2017年)の6月に予定されていた放送が、その約一週間前に起こった米海軍イージス駆逐艦の衝突事故の影響で延期になったからだ。延期時にはtwitter上で映画が放送されている架空の設定で、同映画のファンたちが空想で実況するなどして、ちょっとした話題に。これに出演者の浅野忠信本人までもが参加したので、話題のワードに上がるまでの騒動となった。今日も浅野が「バトルシッパー(同作のファン)諸君!用意はいいか?!(^o^)!」とツイートするなど、放送までに軽い祭りとなっている。(『ラピュタ』の「バルス」現象にせよ、最近は金曜ロードショーでの映画放送が祭り化するのが面白い)

映画の上映や放送の延期は珍しいことではない。

  • クドカン監督作『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』は上映予定一カ月前に起こった軽井沢バス転落事故により上映延期。劇中に高校生が乗るバスが谷底に転落するシーンがあるため仕方ないと思う。
  • アンジェリーナジョリー監督作『アンブロークン』は「日本軍の容赦ない虐待行為が描かれている」という前情報が先行し“反日映画”という身も蓋もないレッテルを貼られ上映中止に。後に署名活動により一部上映。
  • 今年(2017年)12月に公開予定の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』も5月26日公開予定が大幅に延期されることに。理由は『フォースの覚醒』の試写を観た観客の反応などを受けて修正を行ったからとのこと。
  • キングコング西野原作の映画『グッド・コマーシャル』は主演の松田翔太が監督との演技の方向性の相違から公開延期に。当時、松田のワガママと報じられていたが、監督の意見を強引に押し付けられたらしく、表現者として面白くないのは理解できる。

米国では酷評の嵐だった(納得はいくが)

米国では2億ドル以上の製作費に対し興収はわずか6500万ドルに過ぎず、興行的に大失敗。ラジー賞に全10部門のうち6部門にノミネートされる。しかし、日本ではその年の洋画7位と大健闘。浅野忠信の出演もあってか、特に洋画が落ち込んでいた時期にしては興収14億円超のヒットとなった。

何故、本国で酷評されたかと言えば、ラストで大昔に戦争に行った老人がゾロゾロ出てきて、あれだけ何をやってもダメージさえ受けなかった無敵の異星人ロボットを倒すのに、最終的には、第二次世界大戦時に活躍したアナログな戦艦で倒すという米国軍万歳的なメッセージが、当時のアメリカの風土に合わなかったと個人的には分析する。戦争賛美を助長するような保守的な考え。当時のアメリカはオバマ政権二期目に差し掛かる頃だ。今のようなトランプ掲げるナショナリズムが横行していないだけに、あからさまな軍部賞賛的なメッセージが受け入れられないのは納得である。

リアーナの映画初出演
抜擢された理由はアノ事件だった!

出典:http://www.imdb.com/name/nm1982597/mediaviewer/rm361106944

この映画で特筆すべきは、やはりリアーナの存在だ。彼女が映画に出演するのは本作が初めてであり、大いに話題になった。しかし、何故、彼女ほどの歌手として大きな成功を収めているスターが、この映画に抜擢されたのか? それには、やはりアノ事件が関係しているという。

洋楽を聴いている人なら言わずもがなだろう。当時の恋人クリス・ブラウンによるDV騒動である。2009年の第51回グラミー賞授賞式のよりによって前夜に事件は起きた。何度も殴られ、リアーナは口から血を垂らすほどだったという。左目付近が痣で腫れ上がった写真が公開され、世界中に衝撃が走った。後に(今でも?)クリスに対するフェミニスト達の反発は強く、クリスが新譜を出す度に「女性を殴るような人間のCDを買わないでほしい」というメッセージがCDに貼られたり、反クリス運動が起こるくらいだ。しかも、困ったのはグラミーである。その年のグラミーはリアーナがオープニングアクトを務めるはずだったが本番数時間前に穴が空いてしまった。そこで、リアーナの代役として急遽、ジャスティン・ティンバーレイクとアル・グリーンがステージに上がることとなる。ほぼリハ無しにも関わらず圧巻のステージだったが。

それでもDV男を捨てきれないダメンズウォーカー

ただ、リアーナが本当に馬鹿だなと思うのは、クリスを愛し続けていることだ。後に2015年にツーショット写真をインスタにアップし復縁宣言までする。結局リアーナはクリスを捨てきれていなかった。(ハッキリ言えば、典型的なダメンズウォーカーであり、歪曲した正義感の元の「共依存」に苛まれているとしか思えない。)
暴行事件直後、オプラ・ウィンフリー司会のトーク番組「オプラズ・ネクスト・チャプター」に出演し、事件について言及している。「私は親友を失ったわ。全てが一晩で変わったの。理解するのは簡単ではなかった。私は怒っていたわ。傷ついて、裏切られたって。けど、誰が彼を助けるの? 誰も彼に助けが必要だなんて言わないわ。何も知らないのにみんな彼がモンスターだって言うの。私は彼が心配だったわ」と涙ながらに明かしたという。

ちなみに、余談だが、前年(2011年)には、彼女の最大のヒット曲となる「We Found Love」のMVでも、男とドラッグに快楽的に溺れる破滅的な女性を演じている。彼女は一種の“危うさ”が魅力なのかなと思った。また、『バトルシップ』公開の2012年に、サマソニのヘッドライナーとしても出演。もちろん、リアーナひと目見たくて行ったが、ラストで披露されたこの曲は大盛況だったのを覚えている。

監督から見たリアーナの印象と彼女の男勝りな一面

話を戻して、先ほどの暴行事件後のテレビ番組でのインタビューを『バトルシップ』のピーター・バーグ監督も視聴していたらしい。その時、監督は「しっかりした考えを持った娘だ」と思ったという。それが映画抜擢の理由だとも明かす。
現に、リアーナは『バトルシップ』に出演するにあたり、本物の兵士に訓練を受け、徹底的に自分の肉体と精神を鍛えたという。その兵士は訓練中に彼女を決して「リアーナ」とは呼ばずに特別扱いしなかったという。それだけガチだったわけだ。リアーナも訓練には「甘くしないで、あなたが納得行くまで止めないでください」と懇願したという。実にストイックな人だ。
劇中でも男勝りなキャラクターで登場し、船上で日米の男達に交じってフットボールをしている時、倒れた男性に対し「だらしない、あんたオカマ?」と吐き捨てるシーンがある。それまで華麗にR&Bを歌っていたディーヴァから、完全にマッチョな女性に変貌しているのが見て分かる。

この変貌に、監督も次のように述べている。

彼女はシンプルな服装で、ほぼメイクもせずに、インタビュワーとフランクに話していた。その時、“この娘は、思ってたよりもずっと強くて賢い人なんだな”と思ったのを覚えている。彼女には知られざる魅力がたくさんあって、ブリトリー・スピアーズではないんだなと思ったよ。

リアーナの性格と『バトルシップ』の役はマッチしている

いくらDV男と復縁するダメンズウォーカーとはいえ、例えばテイラー・スイフトのような、女同士で群がるのが大好きなバリバリ女子を「ロール・モデル」と揶揄し、「絶対に共演はしない」宣言までする、R&B歌手らしいサッパリした、男勝りなところがリアーナの支持される由縁でもある。同じくテイラーが、このような軍隊映画に出演するだろうか? ビヨンセでもいいが、絶対に出演しないだろう。リアーナだからこそ成立する。「夢見る少女じゃいられない」と歌った日本の女性歌手がすさんで見えるほど、リアーナのボーイッシュな側面、根の強さ、ストイックさは凄まじく、他の男性俳優をも上回る。そんな女性らしからぬ“危うい”魅力が如何なく発揮されているのが、この映画である。
だからこそ、この『バトルシップ』の役どころはリアーナにとっても当たり役と言っていいし、超有名歌手だからこそ存在感を放ちながらも、調度いいポジショニングで、下手に目立たず、かといって引き過ぎず、映画を引き立てている。同映画にとっても彼女の存在は必要不可欠だ。今日は、改めてリアーナに注目して、同映画を観るとしよう・・・・・・

(文・ROCKinNET.com編集部よっしー)
※無断転載は固く禁ずる

参考引用:http://www.hollywood-news.jp/news/gossip/29864/
https://www.washingtonpost.com/blogs/celebritology/post/peter-berg-talks-battleship-rihannas-toughness-and-the-friday-night-lights-movie/2012/05/17/gIQAAk7lWU_blog.html?utm_term=.2a9dc2d566db
http://www.elle.co.jp/culture/celebgossip/rihanna-taylor-swift_15_0903

 

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