映画レビュー

DC史上最高傑作『アクアマン』多用な映画的要素が詰め込まれた究極の娯楽作

(C) 2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM&(C) DC Comics”

圧巻のアドベンチャーでありDC映画の不評を吹き飛ばす素晴らしいクオリティだった。冒頭はロマンス映画の如き、アクアマンの両親の馴れ初めから紹介。まさかのニコール・キッドマンの登場に驚くも、これで単なるコミック原作映画よりも箔が付いた感も出た。海の女神であるニコールと、人間の漁師の間に生まれた、言わば異種間ハーフであるアクアマンが、海中族の正当な血筋を受け継ぐ異父兄弟に妬まれ、王座をかけて決闘するって話自体は単純ではあるのだが、見せ方の上手さや、詰め込んだ情報量とテイストの多様さで他の追随を許さない無二なヒーロー映画に昇華されていた。言ってみれば、マーベルの『ブラック・パンサー』の逆だね。あっちは異母兄弟がヴィランで反旗を翻していたけど、こっちは正当な血筋ではない方が主人公で王に相応しいと。そんな無骨さが魅力でもあり、歪なヒロイズムが面白おかしかったわけだが。


特に劇中の終盤に出て来る、深海部のバケモノ(指輪物語のゴラム的な連中)の集団に襲われるシーンの趣味の悪いグロテスクな容姿描写なんか、流石は『SAW』などのホラー映画で一世風靡してきたジェームズ・ワン監督ならではの手腕だと思った。
西洋史が基の映画で幾度と見る決闘シーンで戦士が跨るのが馬ならば、こちとら鮫やら鰐やらに跨って水中大決戦じゃ。流石は『ワイルド・スピード SKY MISSION』で大成功を収めただけはある。舞台が海中になろうとも、そのスピード感は変わらず大迫力の海中アドベンチャーが繰り広げられる。これでワクワクしないわけがない。仕舞には巨大な甲殻類の化けモンが現れるカオス状態になり、圧倒的で大迫力な大作の名に恥じないビジュアルで魅せ付けられた。
ロマンス、母子愛、格闘、化けモン、怪獣、スピード・アクション・・・・・・2時間半と長丁場ながらも、これだけのエッセンスが詰め込まれれば、時間経過も気にならないくらいに映画に入り込めた。昨今のヒーロー映画の長時間化に疑問を呈していたが、優れた映画なら、気にもならないということか。

[PR]


バッドマンやスーパーマンばかりが持て囃され、女性ヒーローとして注目されたワンダーウーマン、愛嬌で人気が爆発したフラッシュにさえも存在感を奪われ、『ジャスティス・リーグ』では、あくまで脇中の脇役でしかなかったアクアマンだったが、今のところDC映画史上No.1の出来と断言できるほどに圧倒的なエンターテイメントを展開したと思う。逆に、『ジャスティス・リーグ』続編でのアクアマンの活躍が楽しみになってきた。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

[PR]








[PR]

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. アナタが行くヤツ、それ本当にフェス?フジロックが世界の最重要フェス3位に選出!
  2. RADWIMPS「HINOMARU」が物議!ポップ・ソングの右傾化に不自然さを感…
  3. エルレ細美が「待った!」転売野放し・・・チケットだけじゃないライヴ物販問題を考え…
  4. DA PUMPがSMAPの振付をすることが芸能界で衝撃的である理由
  5. サザン40周年ライヴをLVで観る!~親近感こそサザン最大の魅力だと再確認する~

関連記事

  1. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス

    冒頭から巨大な海洋的な異性物が落下してきて、お馴染みの駄目駄目…

  2. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】ドント・ブリーズ

    20年に一度のホラー映画と言うから期待していったんですが肩透か…

  3. 映画レビュー

    『僕のワンダフル・ライフ』この映画で泣ける幸せを噛みしめたい☆

    いや実際にはナイアガラの滝のように泣いた(笑)ハルストレム監督…

  4. 映画レビュー

    『ボヘミアン・ラプソディ』最高の伝記映画にして最高の音楽追体験のできる大傑作!

    身震いがした。全身の細胞が躍動しているのが分かった。それだけの…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

[PR]
  1. 映画レビュー

    想定外のラストに衝撃!『アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー』で初めてアメコ…
  2. ニュース

    【歌姫から伝説へ】安室奈美恵に25年分の感謝を!さよなら、ありがとう安室ちゃん!…
  3. ハリウッド

    2018年も大活躍間違いなし“次世代イケメン俳優”を青田刈り!
  4. 映画

    是枝監督『万引き家族』がカンヌで最高賞!カンヌにおける日本映画の歴史と、今回の受…
  5. テレビ・芸能人

    テレ朝スーパー戦隊の放送時間変更の暴挙は吉と出るか?
PAGE TOP