日本でも大ヒット記録中の『ジャスティス・リーグ』だが、DCの主要キャラクターの一部が登場し大活躍した。今後のフランチャイズ展開も楽しみな映画となった。その中でも、話題なのが“フラッシュ”の存在だ。役を務めた、エズラ・ミラーの日本での人気も既に高く、ダークな空気感のDC作品群の中でも、少しおちゃらけたキャラで一種の明るさも与えている。
ドラマ版も絶好調!主演のグラントも大人気!
フラッシュは2016年公開の『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』の時に既に一瞬出ているが、ドラマ版は2014年10月より北米での放送が始まり、既にシーズン3まで放送されている。初回視聴者数は480万人を獲得、18-49層の視聴率は1.9であったが、この数値はCW局のパイロット版としては、2009年の『ヴァンパイア・ダイアリーズ』に次ぐ高数値である。レビューアグリゲータの批評家レビューでは支持率が96%、平均点は7.4/10の高値だった。主演のバリー・アレン(フラッシュ)を演じたのは、世界的人気を誇る「glee」でも既に注目されていた、グラント・ガスティンである。
なぜ映画版はグラントじゃないのか抗議発生!
しかし、ここで問題が起きた。あまりにグラントが人気で適役だったためか、映画版のフラッシュに選ばれなかったことに、一部ファンから不満の声が上がったのだ、そう言う私も、その内の一人であるのだが。これを受け、グラント本人が映画版フラッシュに選ばれたエズラ・ミラーを後押しするコメントを発表した。
グラントはエズラのキャスティングに文句はないとして「僕はDC映画でフラッシュことバリー・アレンを演じるエズラ・ミラーに支援を惜しまない。彼に会ったことはないが、素晴らしい興味深い俳優だと思う」と綴った。自分が映画版で演じられるならもちろん演じていたと正直な気持ちを述べ、一部のファンから起きているバッシングについては「その手の振る舞い(特にオンラインでの)を大目に見る気はないし、参加もしない」とバッサリ。『THE FLASH/フラッシュ』映画版のみならず様々なDC映画を観るのが待ち遠しいと述べ、「みんな落ち着いて、優しくね」という言葉で締めくくっている。
引用:http://www.crank-in.net/drama/news/41016
では、なぜザック・スナイダー監督はフラッシュにグラントを起用しなかったのか?
その理由について、ザック本人は次のように述べている。
「グラント版のフラッシュが映画の世界に登場することはいいとは思えなかった。僕は、この映画の世界観をとても厳しい目で見て作っているから、その世界に彼は合わないように感じたんだ」と、スナイダーはグラントを起用しなかった理由を説明。
引用:http://dramanavi.net/news/2016/03/post-4534.php
ザック監督の作風としては、とにかくダークであることが挙げられる。ひたすら暗い。しかし、ドラマ版「The FLASH」はDCの作品群にしては珍しくコミカルな要素も強いため。印象として見合わないと結論付けたのかも知れない。ただ、フラッシュ=グラントの構図が既に完成されているので、違う俳優が演じる事実を受け入れるまで時間がかかった(未だにグラント版で観たいという願望はあるくらいで)
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あなたはどっち派?ドラマ版vs映画版フラッシュ徹底比較!
映画版のエズラ・ミラーが思いのほか良かったけど、やはりドラマ版のグラント・ガスティンの適役感が半端ないとも感じたフラッシュ。#エズラミラー #グラントガスティン #フラッシュ #ジャスティスリーグ pic.twitter.com/DkloacJuBO
— ROCKinNET.com (@ROCKinNETcom) November 26, 2017
家に関して
では、両者のフラッシュ像を比較していこうと思う。先日公開された映画版とドラマ版では描かれ方が全く異なっていた。
まずは住んでいる家。ドラマ版は、無実の罪で刑務所に入れられていた父親の代わりに(この設定はドラマも映画も同じ)、警官である義父に引き取られたバリーは、きちんとした家に住んでいるのに対し、映画版のバリーはスラム街の錆びれた廃墟的な部屋に住んでた。また、独り暮らしのようで孤独さが際立っていた。
交友関係に関して
映画版では、バットマンに仲間に入るように言われて「YES」と即答したが、その理由が「友達が欲しかった」というほど孤立した青年だったのに対し、ドラマ版のバリーは「スター・ラボ」という大きな研究所に属している。その研究所の仲間、ケイトリン、シスコ等、仲間と共に敵に立ち向かう。なぜ、『ジャスティス・リーグ』でラボの存在を描かなかったのかは不明だが、2018年公開予定の単独映画によって、そのへんの詳細は明らかになるかもしれない。
フラッシュの前提条件は「警察の化学班で働いていたバリー・アレンが、実験室で雷に打たれたことをきっかけに超高速で走る能力を得た」とされているので、ドラマ版の人物像が近い。ただ、『ジャスティス・リーグ』のラストでバリーは正規の仕事を得たと父親に報告しているので、これからラボに勤めるのかも知れない。
キャラクターの違い
先述の通り、バリーは元は科学者である。特殊能力を持つ前は、いたって文化系少年。怪物と闘うような性分ではない。そこは、グラントも、エズラも、どちらも肉体派ではない現代っ子的な容姿なので、適役だと思われる。映画『ジャスティス・リーグ』でも、戦闘に乗り気でない様子は描かれていたが、エズラ版のバリーは至って普通の青年である印象だったのに対し、グラント版のバリーの方が知性を感じた。
また、エズラ版のバリーは、『ジャスティス・リーグ』においては、ボケ担当だったのに対し(バットマンとワンダーウーマンが喧嘩をした時にも場の空気を和ますような発言をしている)、グラント版のバリーは、同僚のシスコがギャグ担当なこともあり、優等生タイプのキャラクターという印象が強い。
ただ、ドラマ版は「ARROW/アロー」のスピンオフ作品であり、同作と同時系列で事が進んでいるので、エピソードが交錯し、「ARROW/アロー」のキャラクターが「フラッシュ」に登場することもしばしばある。その時に、堅物であるアローと比較すれば、グラント版のバリーもおちゃらけた風には見えなくもない。
容姿について
グラントもエズラもタイプは違えども、容姿端麗でイケメンである。グラントは髪をビッシリ固めているのに対し、エズラはパーマを当てているせいかボサボサ髪である。グラントが細マッチョ系に対して、エズラは中性的な雰囲気(カミングアウト済)と、大きく違う。コミック内のフラッシュ像は、グラントの方が忠実な気もするが、(途中降板したが)ザック監督が目指していたダークなDC世界観の構築には、エズラのような陰のある俳優の方が適していたのだろう。エズラは実際に『少年は残酷な弓を射る』『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』などで闇を抱えた少年を演じてきたキャリアが、今回の起用に繋がったと考えていいかも知れない。また、エズラが持つ中性的なオーラが現代的で、キャスティングとしては間違えていないと思う。
どちらにせよ、今後フラッシュ単体の映画も公開されるし、ドラマもシーズン4に突入する。別物と開き直るのもいいかもしれないし、優劣を決めて観るよりも、(007を複数の名優たちが演じてきたのを受け入れる要領で)各々のフラッシュ像を楽しんだ方がいいだろう。
(文・ROCKinNET.com編集部)
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引用:http://www.crank-in.net/drama/news/41016
http://dramanavi.net/news/2016/03/post-4534.php
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