映画レビュー

『シャザム!』が最高過ぎた★こういうDC映画を僕らは待っていたんだ!

(C) 2019 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.

最高!
僕らは、こういうDC映画を待っていたんだ!

DC映画のフランチャイズ化を果たすべく華々しいスタートを切るはずだった2016年の『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』は世界中の期待を裏切った世紀の駄作で、娯楽として盛り上がりに欠ける致命的失敗に、ため息しか出て来なかった。それから約4年も掛けて『ワンダーウーマン』『ジャスティスリーグ』と、何度も軌道修正を図るも、マーベルと比べて後手を踏んでいるような印象は拭えなかった。

が!

この『シャザム!』で娯楽シリーズとしての面目が保てたように感じる。

DCでは単独作品では、他のヒーロー達とのクロスオーバーがなかった。それゆえに、同一世界の実感が持てなかった。しかし、この『シャザム!』では、バットマンやスーパーマンに関するエピソードが随所に出て来る。DCの他キャラをメタとして使用していることが画期的だった。今後の「ジャスティスリーグ」の展開に重要なポジションになる、いや、なって欲しいキャラである。辛気臭いだけのDCの世界に、ようやくボケ担当が加わったのだから。マーベルで言うところの「ガーディアンズ」?

大人になってもダサい。衣装も典型的なヒーローのコスプレ。渋谷のハロウインと同じレベルだ、あれじゃ(笑)
俳優(ザカリー・リーヴァイって主にドラマ俳優)もベン・アフレックの成り損ないのような間抜けた馬面でちっともカッコ良いと思えない。けど、そこが如何にもシャザム。中身が子供じみた青臭いキャラを見事に好演してた。QUEENの「Don’t Stop Me Now」をBGMに自分の能力をYOUTUBEに上げていく様は愉快爽快そのもの。空を飛ぶ、馬鹿力、鋼の肉体、雷を操るなど能力の特異性を感じないところに難があるものの、典型的ながらも一切飽きさせない作風は素晴らしいの一言に尽きる。それは、とにかく明るかったからだろう。キッズの視点で物事が描かれていたから、調度いい加減のくだらなさが何よりも痛快だった。

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あくまで主軸は子供に合わせていることが良かったと思う。teenの男子が大人になったら、まず先にしたいことは満場一致で、酒とナイトパブだろう。男子たるもの妙な憧れを持つもんだ。けど、ビール飲んでは不味いと吹き出し、パブでも大きな感動はないと冷静。子供の純真性を優遇したことは正解だと思う。


何より、子供時代の方がカタルシスを感じ、アドレナリンが出るシーンがあったのが良かった。主人公含めた兄弟たちは全員養子縁組だ。主人公も母親に捨てられた過去を持つ。異親兄弟たちは、足に障害を持ったり、引き籠りだったり、太っていたりと冴えない連中ばかり。しかし、単独でヴィランに立ち向かった主人公を救うべく、玩具の武器で凶悪なヴィランに立ち向かう様なんかダサカッコ良くて好感度大だ。一人の超英雄の活躍よりも、冴えない者が寄ってたかって問題を解決するグーニーズ形式の方が個人的にはグッと来る。そんな映画。


冴えない者、虐げられた者の反逆や成長、そして仲間の熱さ。本当に胸打つヒロイズムってのは無敵のスーパーマンが問答無用に悪を叩きのめすのではない、過去の辛さを克服し上り詰めることにある。シャザムが教えてくれたこと! かっこいいぜ! 既に続編制作にも意欲的だと聞くし、ジャスティスリーグの可能性もゼロとは言い切れないそうだ。この異端な青臭いヒーローの誕生でDCが楽しみになってきた!!!

(文・ROCKinNET.com編集部)
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