映画レビュー

過剰評価?Netflixの宣伝の成果?『ROMA/ローマ』を「つまらない」と言える勇気を持つべし!

Netflix

劇場で観ました。
どうも映画をネットとか、今主流のDVDでさえも駄目なもんで近くの劇場でやってくれて良かった。
果たして良かったのか、ぶっちゃけ言ってしまうが、大衆娯楽作では無い覚悟は十分にした上で観て、それでもつまらないと思った。

※注意※
結構、本作や名作への乱暴な批判をしてますので、この映画に好意を抱いてる方の閲覧はご注意ください。ご判断は閲覧者様に任せます。

踏絵になる映画ってあるじゃん?
例えば、キューブリックの『2001年宇宙の旅』なんかもそう。公開された68年当時からすれば人工知能など夢物語であっただろうけど、妙なリアリティを感じたのは、正に2019年現在に実現しつつある技術だからで、その先見性から人類進化論などの哲学的な考察が出来る根源的なテーマ性を鑑みれば、不朽の名作とか金字塔と評されるけど、アレ観て、涙腺緩んで大号泣したとか、アドレナリン大放出で興奮したとか、そういった娯楽的な楽しみ方は無い。映画好き失格と言われそうだが。

[PR]


個人的な話になって申し訳ないが、某大学の映画学科を卒業したが、映画ってそもそもが抽象芸術ではないと結論付けた私にとっては、『2001年宇宙の旅』も『ROMA』も同じ。つまらないと言ったらセンス無いように言われがちだけど、いやいや、つまんないでしょって。

『ゼロ・グラビティ』など超SF映画で世界的ヒット作を手掛けてきたキュアロン監督が、まるで小津安二郎の『東京物語』のように、幼き頃の日常を描いた半自伝的な作品だと。その頃の社会背景とかも忠実に描きながら、あざとい目立たせ方をしないで、カメラも左から右ぃ~~、左から右ぃ~~と、横にパンするだけなもんだから、淡々と感じるわけだけど。水や光の使い方、宗教画のようなカット構図など、画ヅラは美しいし、お馴染みの長回しなど、技術的にも凝ってることは分かる。

分かるんだけど

・・・・・・

・・・・・・だから、何だよッ!

家具屋に行ったら学生運動のようなデモが始まって目の前で人が撃たれたり、子供が荒波の中で海水浴しながら溺れたのを救助したり、命の危険を日常に取り入れることで「生」を感じる、生きてる実感を覚えるシーンが印象的だったという強烈な感想はあるんだけど。

この映画って、キュアロン監督の幼き時代のボンヤリした記憶を映像化した映画なわけだ。メキシコってアメリカ南部然り、白人であればあるほど裕福で、先住民は差別され搾取されていたと。名前すら覚えられてないとかね。経済格差も酷くて、その延長上で、政府と過激派が対立している社会構造とかがある。だけども、キュアロン監督は子供だったから理解できなかった。お手伝いさんがいる程度だったけど、先住民、女性がどれほど蔑ろにされてきたかを、大人になったキュアロン監督が今だからこそ謝りたいっていうのが創作意欲に結びついているのではないかなと思う。けどね、だからって本年度のアカデミー賞に最多10部門の候補になったとか、そこまで騒ぐほどの名作かね、これ? ネットフリックスの膨大な宣伝費の影響でしか無いように思える。

こういう抽象的な物を評する時に、本当に映画通であるかが、よく分かる。この映画の感想(称讃)とかYOUTUBEとかブログにあがってるの何人も見て来たけど、浅い、薄い、評価してる割には小学生の読書感想文以下。小学生のほうがマシ。「構図が綺麗でした」とか「長回しが良かったです」とか、上っ面の感想だけ。アホかっちゅうねん! こういう奴らより、よっぽど俺の方が、この映画を理解した上で批判してるように思えるほど、内容が無い感想ばかりだった。ダサいよ、そういうの。美術館で抽象画見て感動したふりするようなダサさというか、こういう地味な抽象的な映画の良さ分かっちゃう俺って通じゃね?ってスケベ根性しか感じないんだわ。

感動も何も無かったわ。
映画的な凄味も何も感じない。
つまんねえなら、つまんねえでいいと思うんだわ。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

[PR]



 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 実は失敗していたサザンの紅白!ユーミンとの奇跡の共演に助けられ拍手喝采!
  2. 安室奈美恵の引退への想い~安室という現象が現代の日本女性像を変えた~
  3. ロック・イン・ジャパン2017 2日目ライヴレポート
  4. ロッキンにサザン13年ぶりの降臨!昨年の桑田ソロに引き続きフェスに出る意味とは!…
  5. サンボマスター vs My Hair is Bad 男どアホウ夏の陣!日本ロック…

関連記事

  1. 映画レビュー

    『パワーレンジャー』が成功したのは若者の青春群像劇を多様性でもって描いたこと!

    スーパー戦隊の映画といえば夏は30分、冬は60分以内で終わることを…

  2. 映画レビュー

    『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』感動も多幸感も表現しきれない薄味ミュージカル

    日本人が如何にも好きそうなミュージカル映画だなと思った。『グレーテ…

  3. 映画レビュー

    近年のディズニーにハズレ無し!『ズートピア』で描かれる現代米国の縮図

    『ラプンツェル』以降、傑作を生み続け、『アナ雪』で何度…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

[PR]
  1. ハリウッド

    【ヒットの勝算はネット戦略にあり?】恐怖のピエロ映画『IT』が公開第三週で興収首…
  2. ハリウッド

    世界で大ヒット中の映画『スパイダーマン:ホームカミング』の主人公トム・ホランドの…
  3. ライブレポート

    【ライヴレポ】ワンオク初の東京ドーム公演で見た“世界基準のバンドの風格”に圧倒さ…
  4. ハリウッド

    【勝手に大予想】ダニエル・クレイグ007卒業で次のボンドは誰になる?
  5. ハリウッド

    年収50億のジョニー・デップが破産寸前な理由とは!~お金について考える
PAGE TOP