いよいよ明日に迫った第90回アカデミー賞授賞式!
映画界最高峰の賞の行方を、映画ファンならずとも全世界が固唾を飲んで見守っている。今年のキーワードは、今や映画界だけの問題ではなく社会全体の問題と化している女性の権利向上「#TimesUp」である。これが賞にどのような結果として表れるのか。結構、重要なポイントとなっている。芸達者な司会のジミー・キンメルが、このデリケートな話題を、どのように調理するかも非常に楽しみだ。
肝心の受賞予測だが、とにかく、今年は予想が難しい!
昨年は世界が口を揃えて『ラ・ラ・ランド』と言っていたように、愛され映画がひとつに偏向していた。しかし、実際は違ったわけだが。とにかく『スリー・ビルボード』と『シェイプ・オブ・ウォーター』の一騎打ちになるだろうが、脚本賞を獲りそうとも言われている『ゲット・アウト』や、もしかしたら、主演男優賞を獲るかもしれないと期待される『君の名前で僕を呼んで』など、主要部門に食い込んでくることが予測される、下馬評高い大穴作品もある。
けど、まぁ、注目される作品賞は、『スリー・ビルボード』と『シェイプ・オブ・ウォーター』のどちらかだろう。役者映画が獲るか、技術映画が獲るか? 昨年の大逆転もあるから難しいところだ。
では、当サイトの主要部門の予想をザッとご紹介しよう!
【作品賞】
『スリー・ビルボード』
米の主要媒体は全部が全部口を揃えて『シェイプ・オブ・ウォーター』と予想する中で、何故これを推すかって。まず、「#TimesUp」の影響を考慮すれば今のアメリカを的確に表してるのはコッチだろうと思うのと、何よりも脚本の巧さが別格だからだ。脚本賞は手堅いと思うが、同作の監督が監督賞にノミネートすらされてないので、ここは監督賞は確実視されている『シェイプ~』と、分け合いの気持ちってことで(笑)
【監督賞】
ギレルモ・デル・トロ『シェイプ・オブ・ウォーター』
『シェイプ・オブ・ウォーター』は技術職映画だった。実際に鑑賞して、社会的メッセージは組み込まれてるにせよ、この時代を代表する作品では無いと思った。けど、非常に細部まで丁寧に作られた作品なだけに、その映画愛に敬意を込めてデル・トロ監督にあげとこうよ(笑)
【主演男優賞】
ゲイリー・オールドマン『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』
演技力とチャーチルそのものとも言える変装には言葉も無い。オスカーは実在の人物の物真似上手を非常に好むので、今までの功労的な意味合いも込めて。ただ、最も危惧するのは元妻へのDV告発。これがどう影響するかは未知数。その代わりに『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメが取り沙汰されているが、彼はまだ獲るべきではない。今獲ってしまうと、せっかくの才能とキャリアが台無しになってしまうだろう。
【主演女優賞】
フランシス・マクドーマンド『スリー・ビルボード』
全員一致だと思う。『スリー・ビルボード』って結局は役者の演技合戦的なところもあったし、その主要の役者三人(フランシスと助演男優候補のウッディ・ハレルソンとサム・ロックウェル)の圧倒的な演技が相乗効果を示してて、彼女の存在も際立っていた。長年にわたり、地道に大半を脇役としてハリウッドに貢献してきたことも相まって、『ファーゴ』以来の栄冠は間違いなさそうだ。彼女以外には考えられない。
【助演男優賞】
サム・ロックウェル『スリー・ビルボード』
上記と同じ。彼の演技も際立っていた。
【助演女優賞】
アリソン・ジャニー『アイ、トーニャ史上最大のスキャンダル』
無難に。
【脚本賞】
『スリー・ビルボード』
とにかく先の読めない展開は見事で、登場人物の印象をガラリと変えてしまうという語り口は見事としか言いようがない。しかし、『ゲット・アウト』のホラー映画をコメディにしてしまう斬新さが印象的だった巧みさも忘れられないから、逆転もあるかも。
【脚色賞】
『君の名前で僕を呼んで』
とにかく評判が高い映画である。作品賞も二大有力候補である『スリー・ビルボード』と『シェイプ・オブ・ウォーター』でなければ、この映画だろうと言われているだけあって。個人的には推す。
まさかの再抜擢!今年も作品賞のプレゼンターに!
ま、言ってみれば、間違えた封筒を渡された二人も気の毒だからね。
これで、今年は「老眼で・・・」とかで、ガチ間違いしたらおもろいけどね。#オスカー #アカデミー賞 pic.twitter.com/M2SmOiMJDC— ROCKinNET.com (@ROCKinNETcom) 2018年3月3日
昨年2017年のアカデミー賞で作品賞を間違えるという世紀のミスが発生したことは記憶に新しい。これは管理会社のスタッフの手違いということだったが、驚くべきことに、その発表をした『俺たちに明日はない』のボニーとクライド役の、ウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイが、なんと今年も作品賞のプレゼンターを務めるとのこと。言ってみれば、作品賞の発表という大役で呼ばれて壇上に上がらされ、主演女優賞の紙を渡されてしまったのだから、彼らも被害を被っている側。名誉挽回のチャンスを与えられたという訳だが、昨年の件を何と発言するか。非常に見物である。
セクハラ問題で、大きく揺れるハリウッドで開催されるアカデミー賞だけに、その発言には例年以上の注目が集まる。いよいよ明日、オスカーはどういう審判を下すか!?
(文・ROCKinNET.com編集部)
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