映画

若者の映画離れ・鑑賞料値上げも関係ない!2019年映画興収が過去最大を記録!

©『天気の子』製作委員会

映画不況なんて嘘っぱち!2019年興収が過去最高に!

先日、若者は映画の上映時間である2時間を長いと感じ、耐えられずにスマホをいじってしまうという情報が出回った。そもそも、私自身が若者総体論(最近の若者は○○だって決めつけ)自体が嫌いなもので、あまり鵜呑みにもしてないのだが、確かに平日は高齢の来館者も多いが、週末なんかは若者も多いのは事実。そこまで大げさに騒ぐほど、映画離れはしてないと実感してるが、それを裏付けるものがデータとして出てきた。

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消費増税に伴う鑑賞料金値上げも影響なし!

それは、今年2019年の邦画と洋画を合わせた興行収入の総額が、2016年に映画『君の名は。』が社会現象化して記録的ヒットした2,355億円を上回り、過去最高となる見通しであることが分かった。今年は消費増税に伴う鑑賞料金の値上げなど、映画業界にとっても興収に大きな影響を与えそうな問題もあり、若者の映画離れを助長させるような胡散臭いネット記事も話題になるなど、先行きが不安視されたが、映画を観る人口は確実に増えていることが数値として現れた結果となった。これは、ある一定の世代だけで達成できるほど容易な現象ではない。

2019年映画興収ランキングTOP20

では、2019年の興収ランキングを見ていきたい。

20位『劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD』25.8億円
19位『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』27.8億円
18位『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』28.7億円
17位『コンフィデンスマンJP』29.3億円
16位『ワイルド・スピード スーパーコンボ』29.8億円
15位『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』30億円
14位『名探偵ピカチュウ』30億円
13位『記憶にございません!』35.9億円
12位『翔んで埼玉』37.6億円
11位『マスカレード・ホテル』46.4億円
10位『ジョーカー』48億円
9位『映画ドラえもん のび太の月面探査記』50.2億円
8位『ONE PIECE STAMPEDE』55億円
7位『キングダム』56.9億円
6位『アベンジャーズ エンドゲーム』61.1億円
5位『ライオン・キング』66億円
4位『名探偵コナン 紺青の拳』93億円
3位『トイ・ストーリー4』100.7億円
2位『アラジン』121.4億円
1位『天気の子』139.9億円

圧倒的強さを見せた『天気の子』に軍配!

新海誠監督作『天気の子』の快進撃も強烈に記憶に残った2019年映画界。新世代のジブリとして確立した気風すら漂う。ただ前作『君の名は。』の250.3億円と比較すると約半減していることから、その大幅な失速感が気に掛かるところではあるが(実は新海監督の本当の正念場は次回作のような気がしている)、日本映画史上10作品目の100億超え、国内日本映画歴代7位の成績は凄い。

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洋画ヒット作が多ければ多いほど全体の底上げはされる?

それと、洋画のヒット作が多いことにも注目だ。少し前まで「邦高洋低」状態が続き、なかなかヒット作に恵まれない洋画不遇時代があったが、それもここ数年で回復、洋画からもヒット作が量産されるようになってから、業界全体の興収の推移が上がていった。どうやら映画興収が上がるためには洋画の好調さも重要のようだ。

2010年代前半は邦画優位の時代

具体例を挙げてみれば、2009年『ROOKIES-卒業-』や2012年『BRAVE HEARTS 海猿』など人気ドラマの映画化など『踊る大捜査線』で確立されたテレビ業界の映画参入が成功し続けているのと、2012年『テルマエ・ロマエ』などの漫画原作の急増、2013年『風立ちぬ』等ジブリを中心とするアニメ映画の好調などが影響し、2010年代前半までの邦画バブルを引き起こしたと言えよう。

2010年代洋画が盛り返し全体の興収も上がる!

しかし、2010年代後半は、2015年『ジュラシック・ワールド』『ベイマックス』、2016年『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『ファインディング・ドリー』、2017年『美女と野獣』『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』『ラ・ラ・ランド』、2018年『ボヘミアン・ラプソディ』『グレイテスト・ショーマン』とメガヒット作が増えたことで、洋画が盛り返す傾向も見られている。

とは言え、最も日本の映画産業を支えてるのは日本アニメ!

2019年のランキング20位までを見ても、20作品中9作品が洋画であり、内8作品が実写である。邦画は逆に11作品と洋画をリードしているものの、内アニメ作品が5作品と多く、如何に邦画の興収全体や、日本映画界自体がアニメ映画に支えられているかが明確になった結果である。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

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