邦楽

第12回 独断で選ぶ素晴らしい邦楽たちTOP10 2020



©ROCKinNET.com

恒例企画となりました、今年もやっちゃいます!
個人的に独断で勝手に選ぶ、素晴らしい邦楽ベスト10!

今年は何と言ってもコロナ禍により大半のフェスやライヴは中止に追い込まれるなど音楽業界も大打撃を被りました。昨年ブレイクした髭男やKing Gnu、あいみょんが相変わらずシーンのトップに君臨し続けた一方で、ボカロ出身のYOASOBIがYOUTUBEやtiktokで話題を呼び、CD未発売ながらビルボードジャパンで年間トップを獲得するなど、ヒットという概念の新基軸が構築された年でもあったと思われます。
2020年数多くの楽曲を聴き込んできた末に選ばせて頂く「独断で勝手に選ぶベスト邦楽10選」はこれだっ!

第10位「さよならの今日に」あいみょん
正直彼女の何が評価されるのか分からないでいた。この曲を聴いて少し理解に及んだ気がした。今年度の報道番組のエンディング曲として書き下ろされたとは言え、こんな閉塞した年になるなんて誰も想像も付かなかっただろうに、生きにくさの普遍性を吐き出しながらも、その心情を≪不滅のロックスター 永遠のキングは/明日をどう生きただろうか≫という歌詞で表現できる彼女は確かに天才なのかも知れない。それでも抗って生きる誓いの力強ささえ感じる、希望の詩だ。





第9位「Alba」須田景凪
柔らかな打ち込み電子音が終始続くグルーヴの心地良さから、あざといくらいに盛り上がるサビに心持って行かれる楽曲構成が素晴らしい。≪行き場を失くして泣いてはいないか≫≪言葉の渦に囚われてないか≫≪痛みを隠して笑っていないか≫と「~ないか?」という言葉のチョイスのインパクトも、それを切り取る若者世代独自の視点がリアルなのも抜群だ。ボカロが急増していく中、今後は「エレクトロニカ」が否応でも鍵となっていくと思われるが、そのジャンルで秀逸な位置に君臨し続けるに違いない。

第8位「エンターテイメント!」佐野元春&ザ・コヨーテバンド
日本で最もカッコ良い親父。佐野元春というのは朽ちないメロディ・メーカーの才能の塊なんだと感じた。苦しい時期でもエンターテイメントは前進し続けると発信し続けてやるんだ!という御大の矜恃に酔いしれるのが心地良い。疾走感があるのに押し付けがましさを感じないのは、この人のヴォーカル(声質)の品の良さが成す業だと思った。コロナ禍で衰退しかけた音楽全てへの激励と愛情を感じる名曲。

第7位「紅蓮華」LiSA
鬼との死闘を繰り広げる漫画の迫力ある戦闘シーンそのままのテンションでメロディが盛り上がっていくので楽曲全体に隙が無いどころか曲だけでカタルシスさえ感じさせるほどドラマティック。《世界に打ちのめされて/負ける意味を知った》とLiSA自身を描きながらも漫画の世界観とマッチングするソングライティング力は素晴らしい。サウンドは骨太なハードロックながら、老若男女受けするキャッチーなサビが親しみやすく、格闘系漫画のアニメ主題歌としては史上最高な名曲に思える。

第6位「Keep On Running」菅田将暉×OKAMOTO’S
こういう変化球の無い王道的なJ-ROCKに潔さと好感が持てる。安心するんだよなぁ。今まで米津玄師や石崎ひゅーいなどと様々なコラボを果たし、歌手としても成功を収める菅田将暉だが、凄いなと思うのは、多様な曲で多様な表情を見せるところ。やはり実力派の役者だなと思う。今回もジュブナイルな明るさの裏に垣間見れる切ない楽曲は爽やかで少年時代を思い出し胸キュンしてしまう。菅田将暉に似合う楽曲に仕上げたオカモトショーとオカモトコウキも凄い。





第5位「ギガアイシテル」レキシ
クレヨンしんちゃんの映画の主題歌。歴史物でなければいけないという絶対的コンセプトと、タイアップという制限を何なくクリアしてしまうのだから、この人の才能には脱帽だ。落書きがテーマの映画で「鳥獣人物戯画」を持ってくるセンス、もはや常人には達することの出来ない域。国民的アニメとして、ファミリー映画の主題歌として、キラキラしたポップソングに仕上がっているのも流石。もはや、レキシが国民的歌手になってきているってことなのかな?

第4位「白春夢」My Hair is Bad
邦楽界隈でロック・アーティストとしてはもちろん、「詩人」としても無二な存在感を放つ椎木知仁は、このコロナ禍で何を感じ何を語るのだろうと思っていた。リアルがリアルじゃ無かった2020年の心情が見事に日常的な歌詞に落とし込められ共感せずにいられない。≪偽物もないよりマシと思った≫という歌詞に表われているように、本当に見事な日常の切り取り方で、椎木が常に説いてきた人生の儚さに、珍しく「未来」が込められた希望のロックだ。

第3位「何なんw」藤井風
毎年必ず度肝を抜かれるアーティストに出会う。今年は彼で間違いない。岡山弁をまるで洋楽のヒップホップのように聞かせる絶妙な譜割りとボーカルが成す不可思議な音楽体験に誘う才能は正に唯一無二。サウンドの斬新さ・スケールの大きさと歌唱力はもちろん、セルフ・プロデュース能力がズバ抜けて高いことから米津玄師並みの存在になるのも時間の問題と思っている。小袋成彬とレーベルを設立したYaffleと組んだのが吉と出た。相思相愛なのが音楽の完成度の高さが物語ってる。2021年は飛躍の年になるに違いない!

第2位「SMILE~晴れ渡る空のように~」桑田佳祐
冒頭からEDMっぽいシンセやシーケンサーが現代的で、今までの桑田サウンドに無い表現で一気に引き込まれ、応援ソングとして振り切った希望の歌詞と、涙腺を刺激する勇ましくもどこか切ないメロディが壮大。この曲もだが、「希望の轍」や「波乗りジョニー」など、桑田佳祐の作曲には、希望を感じるのに何故か切ないものが多い、そこが琴線に触れる最大の理由かも知れない。人々の中にくすぶるバイタリティを呼び起こすような、国民ソングとなる宿命を予め約束されたプレッシャーを見事にクリアしているように思える。来年こそ希望の歌として聞きたい。





第1位「感電」米津玄師
ブルースを基軸に軽快なダンスポップ化したナンバーなんけど、陽とも陰とも捉えられないカオスな曲調は、理不尽な社会でも生きていくしかないだろ?と、苦笑いながらも踊りたくなる、正に2020年を象徴するに最も相応しいと感じた。歌詞の巧さは今さら言わずもがなだが、≪ワンワンワン≫≪ニャンニャンニャン≫という、ある種の軽薄な言葉のチョイスや、容赦なく投入される韻の多さには、ソングライティングのさらなる可能性を秘めていると感じさせる。相変わらず、サビのキャッチーさも素晴らしい。正直「Lemon」の何が良いのか理解できない俺でも、これは太鼓判を押したい。

今年は、こんな感じです!
来年は今年できなかった分の素敵な音楽体験ができることを祈って・・・・・・See you 2021!

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。



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