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ビリー・アイリッシュがグラミー主要部門を独占の快挙。アメリカ大統領選にセレブ達が次々に支持表明。ガガとアリアナなど大物歌手同士のコラボ曲が軒並みヒット。ビヨンセ、アリシア、ビリー、ジャスティン・ビーバーなど「Black Lives Matter」に多くの歌手が声明を。34年ぶりにレコード売上がCD売上を上回る。BTSの新曲「Dynamite」がビルボードHot100で初登場1位獲得。エディ・ヴァン・ヘイレン逝去。ジョン・レノン没後40年。
多くのミュージシャンたちが世界ツアーを中止や延期する決断をするなど、新型コロナによってエンタメ業界が萎縮せざるを得なかった2020年。まさに激動の年を彩った素晴らしき洋楽を独断で10曲選出しランキングします!(ちなみに、毎年恒例となった、この企画も遂に12年目を迎えました!)
第10位「Beautiful Faces」Declan McKenna
コロナ禍とか関係なく世界のポップ・シーンでロックは苦戦を強いられて久しいが、今年は英国ロックの復活の予兆が垣間見えた年でもあった。若干21歳の彼がストーンズのリシュー盤とチャートを争ったことも必然と言えるのは、様々な社会問題をZ世代の視点から抜群の音楽センスで放つ強烈さにある。SNSやフェイク・ニュース、脱真実を切り抜いた、これぞ世代の声、今求められるロックである。
第9位「BROWN SKIN GIRL」Beyonce,Blue Ivy,SAINt JHN,WizKid
声優として参加した実写映画『ライオン・キング』にインスパイアされ、ビヨンセが黒人の起源を掘り下げた意欲作でもある。「聴く映画」とビヨンセ自身も公言しているように、MV含めてアート性が実に高い。アフリカンアーティストを起用したのも、エンタメ業界における有色人種の存在感を世に提示した偉業も含まれていよう。シンガーとしてではなく、総合プロデューサーとしてのビヨンセの凄みが伝わってくる。BLMと同時期に制作された宿命も凄い。
第8位「Lost in Yesterday」Tame Impala
サイケからエレクトロに傾倒した結果、大きなウェーヴに聴き手を誘うに、あまりに快感と説得性のある最新作に脱帽する。「ノスタルジー(過去を懐かしむこと)とは、ドラッグのようなもので、時に人を中毒にさせてしまう」と歌う同曲の共感と、グルーヴィーなベースラインんぼリフが心地良い。ジャンルレスであることが今のポップスの潮流だというのならケヴィン・パーカーは正にこれからの世界の音楽の中心と言えよう。
第7位「Watermelon Sugar」Harry Styles
複数のメディアの報道によれば同曲は、2018年前後にハリーが付き合っていたモデルのカミラ・ロウと彼女との性的な幸福感を欲している感情を歌っているとされている。真相は定かではないが、前作のような骨太なロックやブルースから一転し、ポップ・シンガー全開のハリーのカムバックを喜びたい。ハリーはこうでなくちゃ。
第6位「Yummy」Justin Bieber
音楽史に残る大傑作『パーパス』から5年経ってリリースされた『Changes』のリード曲。本作は全編が愛する妻のヘイリーに捧げるラブソングで、けど、それを現代的なR&Bに昇華させているのだから流石としかいいようがない。かつてのお騒がせセレブはいずこ?と言わんばかりの優等生っぷりで、少し安定し過ぎているようにも思える。
第5位「If You’re Too Shy (Let Me Know)」The 1975
なんか懐かしいなと思った。1stで魅せた煌びやかな80年代シンセ・ポップを再現しているのも嬉しいが、マシューの澄んだヴォーカルが戻ってきてくれたのが何よりだ。21世紀の『KID A』と評された『ネット上の人間関係についての簡単な調査』の続編となる『仮定形に関する注釈』の中でも最もThe 1975たらしめる楽曲だったと思う。
第4位「Dynamite」BTS
まさかアジア人のボーイズ・グループが欧米文化を制覇する日が本当に来るとは思っていなかった。ましてや、今韓国でブームとなってるニュートロ(現代と過去の融合)的な楽曲で、ディスコ・ファンクが底抜けに明るい。この楽曲はいわゆる70年代を彷彿とさせるグルーヴを踏襲してて、マイケル・ジャクソンが出て来た時代のポップ・ミュージックが持つ明るさを目指してるのだろうと思うのと、その軽快さが閉塞しているコロナ禍において、非常に心躍ったという意味でも非常に重要な2020年の楽曲であるほか表せる言葉が見つからない。
第3位「everything i wanted」Billie Eilish
「夢」を歌った同曲は、この僅か1~2年で彼女が経験したスターダムな経験を描いているが、絶頂を迎えつつある今、彼女自身にとって、それは「悪夢」でしかなく、欲しかったものは手に入ったが、その過程や現状は決して夢見ていたような良いことばかりでないパーソナルなダークな部分を、こうも美しく歌う彼女の才に今年も感動してしまったのだった。
第2位「Rain On Me」Lady Gaga, Ariana Grande
まず、ガガのダンス・フロア帰還を祝福したい。ここ数枚の駄作の何が悪かったかは己の原点からの脱却が失敗していたこと。それら悪評を吹き飛ばすくらいにハイ・クオリティなダンス・ポップだ。≪降り注いでくるのは苦しみの雨だが、生き抜いてやるから降れるもんなら降ってみろ≫と言わんばかりの、パワフル且つポジティブな歌詞が奇しくも今年の世界へのエールとも捉えられる。高音が冴え渡るアリアナを選んだのも吉と出ている。
そして、栄えある1位に輝いたのは・・・・・・!
第1位「Don’t Start Now」Dua Lipa
今年は彼女の年だったと言って過言ではない。失恋から前向きに立ち向かう女性の気持ちを歌った楽曲。ユーロ・ダンスとハウスの絶妙な融合が心地良く、ピュアなアドレナリンに満ちたダンス・フロア・アンセムとして、しばらくはフロアを揺らすだろう名曲。テイラーの出現以降、自身の恋愛を赤裸々に歌で表現する女性が増えたが、彼女は特に逞しい。
来年も素敵な楽曲に出会えますように、それでは、See you 2021!
(文・ROCKinNET.com編集部)
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