アカデミー賞

第91回アカデミー賞ノミネート発表!今年の賞レースを席巻している『ROMA/ローマ』優勢か?

Netflix

『ブラック・パンサー』ヒーロー映画として初の快挙!

いよいよ本格化してきた2019年の映画賞レース。
2019年2月22日(日本時間)遂に世界最高峰のオスカーの候補が発表された。今年は世界的に興行的な成功を収めたヒット作『ブラック・パンサー』や『ボヘミアン・ラプソディ』も高い評価を得ていることから例年に比べて注目度が高い気がしている。

多様性が見事に反映されたノミネート

© Marvel Studios 2018

オスカーと言えば、大衆性よりも作品のアート性を重要視することで、その権威を保ってきた。しかし、ここ数年は白人優位で保守的な側面に批判が集まっていたので、今年の候補を見るとダイバーシティの結果が如実に反映されているので時代の変革を良い意味で感じた。特に、マイノリティを題材にした『ブラック・パンサー』が多くの映画賞にノミネートされていることは、トランプ政権下に渦巻く偏向的な差別意識への反骨的メッセージの表れなのかも知れない。これがどう結果に表れるのか? 非常に楽しみなところであるが、個人的には思う

絶対に作品賞獲れないから!

『ブラック・パンサー』も『クレイジー・リッチ!』も『ボヘミアン・ラプソディ』も
獲ったら坊主にしてやるよ!ZOZO前澤みたいに1億分配してやるよ!ってくらい獲れないと思う。

もちろん、WANT(獲ってほしい)の気持ちはあるがWILL(獲るだろう)ではない。
特に『ブラック・パンサー』に関しては、一発大逆転を狙ってほしい! けど、オスカーもテレビ視聴率が低下している問題を抱えているため、注目度を上げるだけの客寄せパンダ的な作品を多く選んできた感も否めない。しかし、これに受賞させることで、もっと視聴率は跳ね上がるのだけれども? 『タイタニック』や『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』の時のように。
初のヒーロー娯楽映画が作品賞の候補になった喜びもひとしおだし、現代のアメリカが抱える問題を反映した社会派の側面も持つし、大衆性と社会性を兼ね揃えているという点では作品賞として、非常に分かり易い図式ではあるけど、十分に相応しいと思う。

『ボヘミアン・ラプソディ』は好きな映画だけど絶対に無理だろう。今回は客寄せパンダ役。そもそも、この映画は公開当時は英米の批評がすこぶる悪かった。タイムズ誌からは、“実際にYOUTUBEで「ライヴ・エイド」の映像を見たほうがマシ”と酷評される始末だった。主演男優賞を是非狙ってほしい気がするが。

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では何が有力候補か?

最多10部門候補の『ROMA/ローマ』が大きく優勢!

既に始まっている前哨戦で他の追随を許さず受賞数で独走しているのが『ゼロ・グラビティ』のアルフォンソ・キュアロン監督作『ROMA/ローマ』である。ローマと言っても休日ではない。つまんねえか(笑)幼き頃にメキシコで育ったというキュアロン監督の半自伝的な物語で、各方面から絶賛の嵐が吹き荒れている。実際にゴールデン・グローブ賞でも外国語映画賞を受賞。スペイン映画であるから外国語映画扱いされたが、外国語作品である本作がオスカーを獲るなんてことになれば史上初の事件となる!
全米公開され外国映画としては異例のヒットを飛ばし(字幕嫌いなアメリカ人が珍しく好感触を示した)その後、昨年2018年12月14日からNetflixで配信されている。今までオスカーは劇場公開のみの作品が対象だったのに対し、配信されている映画が作品賞に選ばれ得るということに同賞の大きな変貌を感じる。是非は問わず。今年のオスカーで最多10部門でのノミネートとなった。

意外なダークホース『女王陛下のお気に入り』

同じく『女王陛下のお気に入り』が10部門でノミネート。個人的に最近で最も受賞に納得のいかない『英国王のスピーチ』のような何の面白みも無い無難映画?保守映画?のような風合いも感じるが、アカデミー賞は何故か英国王室が大好き。ダークホースとして作品賞も十分にあり得る。特に役者のノミネートが目立つ作品だけに、演技自慢の部類かなとも思える。

オスカー予想に参考となる賞とは?

約15年前まではゴールデン・グローブ賞がオスカーの前哨戦と言われていたが、ここ数年の傾向としては同賞とオスカーの結果が被ることはほぼない。
で、オスカー受賞作の予想に最適とされるのが、大半の投票者が重複する、全米監督組合(DGA)と、全米プロデューサー組合(PGA)全米映画俳優組合(SAG)である。PGAが『グリーンブック』を選んだ他はこれからの発表となるから、今後ますます賞レースから目が離せない!




(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

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【作品賞】
『ブラックパンサー』
『ブラック・クランズマン』
『ボヘミアン・ラプソディ』
『女王陛下のお気に入り』
『グリーンブック』
『ROMA/ローマ』
『アリー/スター誕生』
『バイス』

【監督賞】
ヨルゴス・ランティモス 『女王陛下のお気に入り』
アルフォンソ・キュアロン 『ROMA/ローマ』
スパイク・リー 『ブラック・クランズマン』
アダム・マッケイ 『バイス』
パヴェウ・パヴリコフスキ 『COLD WAR』

【主演男優賞】
クリスチャン・ベイル 『バイス』
ブラッドリー・クーパー 『アリー/スター誕生』
ウィレム・デフォー 『At Eternity Gate』原題
ラミ・マレック 『ボヘミアン・ラプソディ』
ヴィゴ・モーテンセン 『グリーンブック』

【主演女優賞】
ヤリツァ・アパリシオ 『ROMA/ローマ』
グレン・クローズ 『天才作家の妻 40年目の真実』
オリヴィア・コールマン 『女王陛下のお気に入り』
レディー・ガガ 『アリー/スター誕生』
メリッサ・マッカーシー 『Can You Ever Forgive Me?』

【助演男優賞】
マハーシャラ・アリ 『グリーンブック』
アダム・ドライヴァー 『ブラック・クランズマン』
サム・エリオット 『アリー/スター誕生』
リチャード・E・グラント 『Can You Ever Forgive Me?』
サム・ロックウェル 『バイス』

【助演女優賞】
エイミー・アダムス 『バイス』
マリーナ・デ・タビラ 『ROMA/ローマ』
レジーナ・キング 『ビール・ストリートの恋人たち』
エマ・ストーン 『女王陛下のお気に入り』
レイチェル・ワイズ 『女王陛下のお気に入り』

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【脚色賞】
ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン 『バスターのバラード』
バリー・ジェンキンス 『ビール・ストリートの恋人たち』
ブラッドリー・クーパー他 『アリー/スター誕生』
ニコール・ホロフスナー他 『Can You Ever Forgive Me?』
スパイク・リー他 『ブラック・クランズマン』

【脚本賞】
デボラ・デイヴィス他 『女王陛下のお気に入り』
ポール・シュレイダー 『魂のゆくえ』
ブライアン・ヘイズ・カリー他 『グリーンブック』
アルフォンソ・キュアロン 『ROMA/ローマ』
アダム・マッケイ 『バイス』

【長編アニメーション賞】
『インクレディブル・ファミリー』
『犬ヶ島』
『未来のミライ』
『シュガー・ラッシュ:オンライン』
『スパイダーマン:スパイダーバース』

【外国語映画賞】
『Capernaum』(レバノン)
『COLD WAR あの歌、2つの心』(ポーランド)
『Never Look Away』(ドイツ)
『ROMA/ローマ』(メキシコ)
『万引き家族』(日本)

 

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