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ピエール瀧騒動で垣間見えた石野卓球の凄さと日本社会の電気愛

引用:女性自身より

平成も終わろうとしている今年の三月、日本に衝撃が走った。
電気グルーヴのピエール瀧がコカイン使用の罪で逮捕された。

出演作は北野武など人気監督作品から、ディズニー映画『アナと雪の女王』(吹替)まで多岐に渡る。その影響は数知れない。電気グルーヴもちょうど今年結成30周年で盛り上がっていた。が故に、彼の逮捕を憂う人は多かった。

案の定の出荷停止・・・Amazon遅せえよ!


しかし、世間の関心は薬物使用がいかに危険かよりも、彼の逮捕により上映中止や出荷停止になった映画や音楽に移った。「作品に罪はあるのか?」という以前からの疑問が社会から噴出した。実際に私も前々から買おう買おうと思っていた電気グルーヴのフジロックでのパフォーマンスDVDがあって(2006年のフジロック10周年のパフォーマンスが伝説的に凄くて欲しいと言いながら10年以上忘れていたやつ。俺もアホなんだけど)、テレビで速報が流れた瞬間に、それこそ秒速で「ピエール瀧逮捕」⇒「CDやDVD出荷停止」⇒「俺の欲しかったやつ買えないじゃん!」まで考え、速報が流れた後の1分後にはAmazonで購入を済ませた。なんとかギリギリ間に合ったと思ったがAmazonが遅かった! 在庫は十分にあったのに、梱包までの数日間で出荷停止が発令。数か月経過した今でも注文保留状態である。たまーに、Amazonから「事情により出荷が遅れている」メールが届くだけ。もちろん、キャンセルはしない。同時に本来3000円程度のDVDが中古で10000円以上で売りに出されている。転売を促進させていると思うと果たして出荷停止は正しい選択なのか?

やはりピエール瀧の存在は唯一無二

意外にもピエール自身への批判的意見は少なかったように思える。何故か? それは、まず被害者がいなかったこと。また、芸能人の薬物事件に世間が飽きたこと。何よりも逮捕前のピエール瀧への程よい好感度だったと思う。加えて実力のある人間だ。演技も殊更ながら、昨年末にカウントダウンジャパンで幕張で電気グルーヴのパフォーマンスを観て、やはりピエール瀧の存在感とカリスマ性に感激したものだった。今をときめく、あいみょんの前の出演で会場中は、あいみょん待ちの若者で溢れかえっていたので、ダンス音楽である電気グルーヴのステージを地蔵の如く微動だにせずに見る者が多く、ピエールが「あいみょんまで、もう少々お待ちください」と言及した。奇しくも年が明けて、あいみょん以上に話題になるとは思っていなかっただろうが。そんな、あいみょん地蔵で会場がギュウギュウな中でゲストとして呼んだのが日出郎で一緒に「エクスタシー得るなら肛門よ」と歌うピエールが何よりもシュールで笑えた。ああいうところが最高だね。

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排他主義の中でカンバックを望む声が多かった

保釈時にも「めげるな!」「頑張れよ!」「待ってるからな!」という激励や叱咤の声が警察署の前に飛び交った。排他主義が蔓延する今の日本の風潮で垣間見えた“情”に少し驚いた。相方の石野卓球は「えー!死刑じゃないの?」と愛情のあるコメントを発表。本当に電気は夫婦以上の仲であることの証明だったと思う。

道徳的ファシズムをからかう卓球の言動が最高過ぎた


矛先は卓球にも向けられ、「あたかも卓球も薬物をやってる」かのような憶測も飛び交った。特にフジテレビの「バイキング」という番組に至っては、(その時初めて番組を見たのだが)ピエールが再犯する仮定で話が進んでいたのには呆れを通り越して怒りすら芽生えた。道徳的ファシズムとも言える横暴な報道の仕方に「いまやTVじゃバカか老人しか誘導できないよ」という余裕のコメントを卓球は出したが、それに本気で喧嘩を吹っかけるバイキングは滑稽だった。何でも謝罪を求める日本社会の中で己のポリシーを貫いた卓球に賞賛の声が上がった。


ワイドショーをからかいながら世間を味方に付け、フジロック出演が話題になったり、本「メロン牧場」はバカ売れし、結果、自分のプロモーションに繋げたのだから。馬鹿とは同じ土俵に立たない卓球の勝利だ。

とは言え、薬物使用は許されるものではない

しかし、薬物使用は反社会的行為であることは間違いない。敢えて反省を促す必要はないだろうが、ピエール瀧には薬物から縁を切って再びステージに上がって欲しい。道徳ファシズムが渦巻く日本社会で道を外した者を(暴力などで被害者がいるのは別問題として)徹底糾弾し排除するのではなく、ピエール瀧には「馬鹿野郎!何やってんだよ!んなもんとっとと縁切って、また戻ってこいよ!」と励ますのが今回は正しいように思えた。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

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