映画レビュー

『キャプテン・マーベル』最終決戦前の最重要作品!男性主義もサノスもぶっ飛ばせ!

(C) Marvel Studios 2019

マーベル好きとしては非常に意味深い作品だったと思う。アベンジャーズを統括するニック・フューリーとは何者なのか? どういう経緯でスーパーヒーローを集めることになったのか、それは、すなはちアベンジャーズ結成の前日譚が知れて、全ての辻褄が合わさり、いよいよ今月末にシリーズの佳境を迎える『エンドゲーム』に備えることが出来たからだ。見ない訳にはいかない重要な作品には間違いない。

しかし、マーベルと言うのは毎回毎回脚本がしっかりしている。娯楽作の鑑のような作品ばかりだ。人間の容姿に近いしい者が正義で、異星人は悪だと、容姿だけで判断していた潜在的なイメージを覆す巧みさは我々の思い込みを見事に逆手にとった脚本も見事で文句ないエンタメしてるのも良かった。特に、猫の扱い方が最高に良い(笑)

何よりも、キャプテン・マーベルの勇ましさに注視すべきだ。
デミ・ムーアが20年前『G.I.ジェーン』で丸坊主にして軍隊に入ったのは当時は相当に革新的だったが、それでもハリウッドも世の中も男性主義に支配されてきた。その是正を、この映画は、2010年代後半再びやってのける。キャプテン・マーベルは、人間の少女時代に男勝りな性格がゆえに、男性と体力面で対等になろうと奮闘してきた。しかし、やはり女性だから失敗・転んでばかりだった。それでも、何度も立ち上がる女性の勇ましい姿を、スーパーヒーローとして覚醒する際の姿とクロス・オーバーさせたのは、女性の自立心とジェンダー的向上を掲げたような描写で勇ましくカッコ良かった。

[PR]


ただ、過剰なフェミニズム礼讃的な印象もあった。ガラスの天井と言われるけど、果たして、パワーの象徴として女性を描き、ジュード・ロウ(男性)に暴力を振るう姿が正しいのか。MeTooの正解は神取忍なのか。女性が求めてるのって、こういう対等性なの? MeTooって、元は性的虐待や報酬格差の是正だったはずなんだけどなって違和感は少しばかりあった。

ま、そうも言ってられないんだ!
相手はサノス。今回の敵とは桁が違う。
メイウェザーと那須川天心並みの差。宇宙船を瞬間的にぶっ壊すくらいの彼女のパワーが必要なのだ。有無言わさず敵をぶん殴るくらいの女性でないと、それこそ二度目の指パッチンで全人類が消されてしまう。彼女の活躍に期待がかかる。

そんな勇姿を演じたブリー・ラーセンの二面性が何とも言えなかった。この人、めちゃくちゃ可愛らしい表情を見せる人だけど、この映画では勇ましいの一言だった。カッコ良い。

それと、音楽がかっちょいい!
ニルバーナ、R.E.M.、TLC、ノーダウト、セレブリティ・スキンと、グラム・ロックや90年代のポップの名曲がふんだんに使用されているのが最高過ぎた。

また、マーベルの名前の由来が、「Please Mr. Postman」でお馴染みのThe Marvelettesだという意外な事実も判明することも興味深い。

『インフィニティウォー』に続くシーンも見れて、いよいよ最終決戦を迎え、我々も身が引き締まる思いだ!

いざ、決戦の時!

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

[PR]



 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. DA PUMPがSMAPの振付をすることが芸能界で衝撃的である理由
  2. 【ヒットの勝算はネット戦略にあり?】恐怖のピエロ映画『IT』が公開第三週で興収首…
  3. 【追悼】アメコミ界の巨匠スタン・リー逝去~映画カメオ出演を振り返る~
  4. 『娼年』の実写化で性に真剣に向き合った監督と、素っ裸で腰振りまくった松坂桃李に敬…
  5. 『茅ヶ崎物語 ~MY LITTLE HOMETOWN~』からサザンがエロスを歌う…

関連記事

  1. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】モアナと伝説の海

    冒険活劇として一級品だった。まるで『マッドマックス 怒りのデスロー…

  2. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

    ティム・バートンという映画監督をどういう作家性と位置付けるかにもよ…

  3. アカデミー賞

    単なる恋愛ミュージカルをも超えた人生賛歌!それが『ラ・ラ・ランド』!

    もう、言いたいことが山ほどあるくらいの興奮を貰った、人間愛、映…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

[PR]
  1. ハリウッド

    【ヒットの勝算はネット戦略にあり?】恐怖のピエロ映画『IT』が公開第三週で興収首…
  2. 邦楽

    毎年恒例の大発表!俺が勝手に選ぶ素晴らしき邦楽たち2016!
  3. 邦楽

    DA PUMPがSMAPの振付をすることが芸能界で衝撃的である理由
  4. 映画レビュー

    実写化史上最も成功していると言って過言でない『美女と野獣』に感動する
  5. 邦楽

    月曜から夜遊びでマツコから「非イケメン宣言」受けたMy Hair is Bad椎…
PAGE TOP