映画レビュー

『僕のワンダフル・ライフ』この映画で泣ける幸せを噛みしめたい☆

(C) 2017 Storyteller Distribution Co., LLC and Walden Media, LLC

いや実際にはナイアガラの滝のように泣いた(笑)

ハルストレム監督の映画は本当に“温かい”のひと言に尽きる。『ギルバート・グレイプ』『サイダーハウス・ルール』『ショコラ』と、一貫として人生賛歌を謳ってきた。どれもこれも好きな映画だ。映画とはこうあるべきという作品を毎回撮ってくれる。で、今回の題材は「犬」である。反則技とも言える題材だと思うが、それでも絶対に観てしまう自分の単純さに辟易とする部分もあるけれども、結果、薄らと涙を流せたことに安堵感を覚える。こういう映画で泣けなくなることの方が怖い。

「泣ける(いや泣くに決まってる)」との絶賛の嵐!

https://twitter.com/mrs_potatehead/status/929321847681777664


https://twitter.com/mayu_kichi/status/925638918812381184

犬と共にある人生

話の内容は、一匹の犬が転生しながら様々な人生を歩んでいくというもの。主役犬は、最初に運命的な出会いをする。少年イーサンとの出会いだ。少年期に無邪気に犬と遊び、青年期のイーサンに恋人ができても常に一緒に過ごす。エリートであった父親が酒乱となり家族が崩壊したりと、家庭内でトラブルが起きることもある。人間も楽しい、辛いこともある。けど、それらは同時に犬も経験する。多くの喜怒哀楽を共にするからこそ愛おしく、かけがえない。

純粋無垢で献身的な犬だから人は愛を注ぐ

それから、主役犬は警察犬、雌犬、虐待を受ける犬など、様々な人生を転生しながら歩んでいく。各々のドラマは、そんな複雑な話ではないが、そのどれにも描かれていたのは、犬の無邪気さである。犬にも性格はあるが、絶対的に言えることは、犬が純粋無垢であるということ。けなげなのだ。犬が心の底では、愛くるしい姿とは異なって、どうこう思うとかは、ソフトバンクのCMだけでいい(ま、あれはコメディではあるが)。実際は、もっと本能的で、忠実で、純粋で、飼い主に対して無償の愛を捧げるもんなんだと思った。こういう描写には涙腺は容赦なく刺激される。何度も泣けた。

素敵なファンタジーをありがとう!

いろんな転生を繰り返しながらも、最終的に主役犬は偶然にもイーサンと再会する。そして、若い時に叶わなかった恋に一役買う。心地良いファンタジーを見せてくれる。こんなこと、あってほしいと誰しもが願うのかも知れないような、でも現実では有り得ないけど、起きたら素敵だなと思う“粋な”ファンタジーをハルストレム監督の温かさで描き切る。気持ちの良い涙と共に、劇場を後に出来た。こういう映画体験が出来ることに感謝しなければならない。

(文・ROCKinNET.com)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。
引用の際はURLとリンク記述必須。


 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 遂に日本国内興収100億円突破!『ボヘミアン・ラプソディ』はアカデミー賞を獲れる…
  2. パリピが日常悩んでる嫌なことって何?ストレス溜めない極意がULTRA JAPAN…
  3. アナタが行くヤツ、それ本当にフェス?フジロックが世界の最重要フェス3位に選出!
  4. 『ブラック・パンサー』を観た!社会風刺と娯楽性が融合したマーベルの新傑作が誕生し…
  5. ELLEGARDEN復活ライヴを観る!10年の活動休止の先にあった変わらない尊さ…

関連記事

  1. 映画レビュー

    【報道とは何か?】映画という名のワイドショーだった『フロントマン』

    アメリカの大統領選は完全にエンターテイメントなんだなと思っている。…

  2. 映画レビュー

    『ミスター・ガラス』シャマラン監督流のこじんまりしたアクションが愛おしい

    全身の骨がガラスのように脆いサミュエル・L・ジャクソン、24人…

  3. 映画レビュー

    本当に作品賞?『グリーンブック』毒にも薬にもならない無難な映画だった

    無難な作品だった。これを賞賛と捉えるか、悪意と捉えるかは個人に因る…

  4. 映画レビュー

    俺が勝手に選ぶBest映画2015

    今年も発表します!大学で映画学科として映画を学び、その後も映画に対する…

  5. 映画レビュー

    実写版『アラジン』賞賛する言葉が多過ぎて的確な表現探すのが大変なほど名作!

    この映画を賞賛したい言葉が多過ぎて的確な表現を見つけるのに大変…

  6. 映画レビュー

    第10回 独断で選ぶ今年良かった映画 TOP10 2018

    早いもので今年も残り3日!今年はインディーズ作品『カメラを止めるな…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

  1. ニュース

    遂にNYタイムズ誌まで?ガキ使の黒塗りメイク批判は行き過ぎだと思う理由!
  2. 映画

    日本アカデミー賞とかいう老害賞には文句しか出て来ない
  3. 映画レビュー

    果たして労働は悪なのか?『ちょっと今から仕事やめてくる』に見る現代社会の新価値観…
  4. 音楽

    【徹底考察】ビルボード1位、米英人気過熱、国連演説・・・勢いが止まらないBTS(…
  5. ニュース

    原爆シャツ騒動でMステ出演中止になったBTSが犯した罪とは?
PAGE TOP