音楽

第13回 独断で選ぶ今年素晴らしかった洋楽 TOP10 2021



ローリング・ストーンズのチャック・ベリー逝去、大ヒット連発のオリビア・ロドリゴがバイデン大統領と共にワクチン推奨、BTS大活躍、ブリトニーの後見人制度が遂に終了、クラプトン反ワクチン主張、アデル6年ぶりの新作発表、スーパーソニック開催・国内コロナ禍初の海外フェスとなる
昨年と変わらず収束が見えないパンデミック。ワクチン接種で一時的に収束が見えるも変異株の登場で、音楽業界は変わらず大打撃を迎えていました。しかし、世界の音楽界はニュースターも誕生し大きく盛り上がったように感じます。そんなシーンを振り返り、素晴らしい楽曲を厳選し、勝手にランキング!

第10位「MONTERO(Call Me By Your Name)」リル・ナズX

何かと物議を醸しだすリル・ナズだが、今年はナイキの血液シューズに始まり、同曲のMVでも「キリスト教では同性愛は罪だから、幼い頃から地獄に行くと教わったけど、なら自分から地獄に行きまーす」とサタンにストリップするなど、自分を批判する保守思想を掲げるクリスチャンに対しても容赦が無かった。ゲイである自分を旗印に全米で論争を巻き起こし、性的嗜好を表現するアーティスト性は凄まじく、彼がナゼ一発屋で終わらなかったのかも納得し得る。そのアグレッシブな表現力に好評価。

第9位「Lost」ジェイク・バグ

今までのアコースティックな彼のイメージとは逸するグルーヴ感あるダンス・ナンバーに高揚感が止まらなかった。エド・シーランとの仕事でも知られる、英プロデューサーのスティーブ・マックとのコラボでポップに振り切ったことが吉と出たようだ。パンデミックによる大切な人との別れや、喪失感を体験した人をイメージして作った曲で、明けない夜はないと願う希望が根底にあるという。



第8位「good 4 u」オリヴィア・ロドリゴ

2021年は彼女の年だった気がする。彗星の如く現れ「drivers license」で世界的ブレイクを果たし世界中を胸キュンさせたが、個人的には初期のアヴリルを彷彿とさせる同曲の軽快なポップ・パンクに爽快感を覚えて好感を抱いた。ケイティ・ペリーに「幼い頃に聞いていた」と言い、ケイティに「老人の気分」と言わせたのが時代だなと感じさせる。バイデン政権と組み、若者のワクチン接種を呼び掛けるなど幅広い活躍は、ディーヴァの新時代到来を予期させる。

第7位「Kiss Me More」ドジャー・キャット ft. SZA

グイグイ系な可愛さが特徴のドジャー・キャットの「らしさ」全開の最高傑作とも言うべき同曲。ポップでメロウなトラックが中毒性あって鬼リピしてしまう。tiktok世代に受け入れられた理由もそこにあろう。また、彼女はプロデューサーと共同作業をしながら、ハウスやディスコのエッセンスがあるものを多く聴きばがらも、自分のオリジナルを模索するなど「クリエーター気質」な面もあり今後が楽しみである。

第6位「STAY」キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー

ブレイクを果たした17歳シンガーのラロイにとって、まさに勝負の年に、希代のスターとコラボ出来たことはラッキー以外の何物でもなかっただろう。大物とのコラボが続くことに、感謝の意をSNSで発信する謙虚な性格も人気の秘訣か。過酷な幼少期を送るも、そのフラストレーションを音楽にぶつけたことで感傷的な傑作が次々に生まれ、歌声もどこか物悲し気なハイトーンボイスが真に刺さるようで聴き入ってしまう。20年代最大級のシンガーが生まれたといって過言ではない。

第5位「Bad Habits」エド・シーラン

時代の寵児だった彼も、自分が時代の中心に居なくなることを予感していたし、それは間違えていなかったけど、その反骨精神からなのか、狙いに狙いまくった挙句にリリースされた同曲は、とことんキャッチーで世界のポップ・シーンのど真ん中に否応でも置かざるを得ない大傑作であった。流石としか言いようがない。ギターに依存しない曲調は、彼が結婚や父親になるエモーショルな段階を経て、新たなフェーズに突入するような高揚感すら感じた。

第4位「Easy On Me」アデル

彼女が動けば世界が湧き立つ、満を持して発表された新作からのリード曲は、アデル節炸裂の切なくも圧倒されるほど壮観で、新しい世界を肯定するバラードであった。そのヴォーカル力は問答無用の安定感。まさに横綱相撲ともいえる極上の音楽体験でもある。同作を作るに当たり、離婚が大きなきっかけとなったようだが、我が子に、うまく説明できない気持ちを15年後に聞いて理解してもらうためだと語っている。



第3位「I NEED YOU」ジョン・バティステ

元々ニューオリンズの音楽家庭で育ち英才教育を受けて音楽一色の人生を送って来たんだとか。同曲は、ジャズに加えて、ソウル、ヒップホップ、ポップスなどの要素を詰め込んだ挙句に、ステレオタイプなアメリカ音楽界におけるアフリカン・ミュージックにならないよう、現代風にアレンジされてるような意欲作に思える。「I NEED YOU」なんて使い古された歌詞を直球に、軽快なグルーヴで奏でる王道感も、素晴らしい!!

第2位「Butter」BTS

昨年、世界的にヒットした「Dynamite」を聴いて感じたのは「彼らは世界で成功しアメリカで懐古主義に走りたいのか?」ということだったが、この「Butter」で確信する。正しく彼らは60年代の米音楽界の再現、米ショウビズの象徴であるジャクソン・ファイブのような軽快なポップ・ミュージックの現代版を目指しているのだと。それは果たせていると感じる。現代にアップデートされた同曲は底抜けに明るく、閉塞した時代の脱却に音楽で挑む意気込みすら感じ、喝采を贈るしかない。

第1位「I WANNA BE YOUR SLAVE」モーネスキン

ロックが廃れて何十年が経ったか? 昨年から欧州でのロック復活の兆しはあったが、それも一部の国でのことで世界的にはポップやラップなどのメジャーなジャンルには到底歯が立たないものだった。それがイタリア出身の平均20歳のロック・バンドが覆すとは。彼らのロックは実に王道的だ。なのに、癖になるリフと最高の四つ打ちグルーブ、加えて若干20歳なのに骨太なハスキー・ヴォイスに魅了される。世界の各種チャートでも久々にロックが首位に立つ快挙を成し遂げた彼らは既にスターの風格、コロナ後の音楽界は彼らを中心に回るだろう!

今年はこんな感じです。来年こそFu**nウイルスが収束し、多くの海外アーティストが来日し、素敵な音楽に出会える年になりますように。
See you 2022!

(文・ROCKinNET.com編集部)
※当記事の著作はROCKinNET.comに帰属し、一切の無断転載・再交付は固く禁ずる。



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