映画レビュー

【映画レビュー】『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』陰気臭いDC映画で際立つキラキラ映画☆彡



© 2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

DCがMUCと比べて暗いのは、DCの原点ともいうべきバットマンが活躍するゴッサム街の雰囲気を踏襲しているからで、これは許容せざるを得ないものなのかも知れない。バットマンの相棒ロビンを描いた、Netflixオリジナル配信ドラマの『タイタンズ』も、まぁ~陰気臭いこと。
また、個人的にはDC一発目の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は失敗だったと未だに思っている。アメコミの割には陰気だし、何よりも純粋につまらなかった。その分析をいするとキリがないので省略したいが、スタートダッシュから躓いたDC映画の立て直しは、やはり新キャラによる再構築だと思わせたのが、彼女の存在に他ならない。

ハーレー・クインだ!
ゴッサム街を牛耳るジョーカーの彼女であるがゆえに、如何なる悪党でも彼女の縦横無尽な振舞には文句も言えず、やりたい放題でブッ飛んでる。『スーサイド・スクワッド』では、その強烈なキャラが際立ち、主演のウィル・スミスの存在が霞んでしまうほどだった。しかし、自由な彼女は底抜けに明るく、彼女自身が辛気臭いDC映画に、ある種の煌びやかさも放っていた。



そんな彼女がジョーカーと別れたから、さぁ大変って言うのが本作。
彼女に恨みを持った悪党たちが復讐のために彼女を襲う!襲う!中でもユアン・マクレガー率いる組織から狙われ危機的な状況に陥るが、それを、訳ありな女性たちと徒党を組んで戦い抜いていく様が、めっちゃエンタメ。こういうDC映画を待っていた。
極悪クイーンの覚醒が最高にキュートでヤバくて最狂なのに観てて何故か痛快!? 不良版MeToo?とも言うべき歪な形で現代性を醸し出しつつも、どこかシュールでコミカルなので、アクション的な緊迫感が無いのは物足りなさがあるものの、薄暗いゴッサムを、キラッキラな映像で鮮やかに彩った異色のDC映画としての存在価値は大きい!

ジャスティス・リーグにも彼女は出すべきだ。シャザムだっているじゃないか。MCUで『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』がいるように、ただでさえ緊迫した内容の中和剤的な存在ってのは必要なんだと感じる。緩急が必要だって。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。



◆関連記事◆




 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 【フジから若者が消えた?】フェスの“聖地”フジロックが中高年化している問題。若者…
  2. 「時代遅れのRock’nRoll Band」を聴く
  3. 想定外のラストに衝撃!『アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー』で初めてアメコ…
  4. エルレ細美が「待った!」転売野放し・・・チケットだけじゃないライヴ物販問題を考え…
  5. サザン40周年ライヴをLVで観る!~親近感こそサザン最大の魅力だと再確認する~

関連記事

  1. 映画レビュー

    『レッド・スパロウ』で初ヌードを見せたジェニファー・ローレンスの女優魂に圧倒される!

    時代の寵児であるジェニファー・ローレンスが果敢にもキャリア初と…

  2. 映画レビュー

    『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』ハリウッドと日本映画の差を感じざるを得ない圧倒的娯楽作!

    日本のゴジラが人形劇に思えるくらいに力の差を見せつけられた気がした…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

[PR]
  1. ライブレポート

    ELLEGARDEN復活ライヴを観る!10年の活動休止の先にあった変わらない尊さ…
  2. 映画レビュー

    俺が勝手に選ぶBEST映画2016
  3. 映画レビュー

    果たして労働は悪なのか?『ちょっと今から仕事やめてくる』に見る現代社会の新価値観…
  4. 音楽

    ジャスティン・ビーバー新曲のスペイン語が歌えず大ヒンシュクからのブーム化
  5. ハリウッド

    『マイティー・ソー バトルロイヤル』を楽しむための豆知識をちょこっとだけ紹介!
PAGE TOP