映画レビュー

『デッドプール2』ブラックな笑いと過激描写が続編で増し増しで強引に続編成立

(C) 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation.


前作で度肝を抜かされたブラック・ユーモアが続編となって何割か増し増しになってカンバックしたのだから凄く無いわけがない。言ってみれば、この『デッドプール』の最大の売りはエグさにあるので、続編を続けていくのならば、その過激さをより強烈なものにするしか方法はない。
しょっぱなからドッカンスッカン暴れまくって敵役たちが倒されていく。そんなグロ描写の中で、本作を「ファミリー映画」と定義付けるのだからアッパレ。その理由が、『ライオン・キング』『バンビ』ついでに『SAW』(←明らかに違うだろうが笑)など、今までのファミリー映画も殺しのシーンで始まるというアホな発想に笑わされる。

加えて、ウルヴァリン映画の傑作『LOGAN』に対して「同じR指定作品なのにあんなにカッコイイ作品作りやがって」と、ボヤキを散々言った挙句に、どうしてもX-MENへの憧れと嫉妬は消え去ること無く、本作でもX-MEN(見習い)として活躍。求人を出すも、中途半端で使えない奴らばっか。その中の透明人間が電線に絡まって感電した際に、その素顔がブラピだったのもウケる。



FOX管理下のマーベル内でここまで出来るのだから、ディズニー管理のマーベルと相見えた時の暴走がどんなものか観てみたいものだ。難しいんだろうけど。ガーディアンズとの絡みなんか超絶観たい!

しかも、本作の敵役ケーブルを演じるのはジョシュ・ブローリン。凄いね。『アベンジャーズ』でもサノスを演じてるにも関わらず、配給が違うからってマーベル内で奇跡の?ご法度の?ダブル・ブッキング。『インフィニティ―・ウォー』で英雄達を壊滅させたサノスであるが、実はデッド・プールとは原作では恋敵。配給会社の厚い壁で共演はできないにせよ、あの重苦しい雰囲気の中、デッドプールが参戦したら、もうハチャメチャだろうな(笑)

この『デッドプール2』滅茶苦茶なことしまくってるのに、根底にあるのは品行更生のような道徳的なオチ。デッドプールが珍しく大人めいた常識的な行動をとりまくる。それも見所。

忽那汐里が前作からの主要人物ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドの恋人ユキオって美少女を演じているのにも注目! もちろん彼女らは、レズビアン・カップルなんだけど、過激ネタ満載なデッドプールにおいてはLGBTなんて甘っちょろい範疇。なんの違和感も無く普通にやり過ごされている。しかも、ユキオが戦闘するシーンもあり、意外にかっこいいことから次回作での活躍が大いに期待できそう。マーベルもLGBTが当たり前の時代。急速に時代は変化する。

クールなラップ・ミュージックをBGMに目を覆いたくなるようなエグい描写でヒロイズムを語るデッドプール、今後も止まらない。いつか、本格的なX-MENとの共演を!

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 【ライヴレポ】ワンオク初の東京ドーム公演で見た“世界基準のバンドの風格”に圧倒さ…
  2. 『茅ヶ崎物語 ~MY LITTLE HOMETOWN~』からサザンがエロスを歌う…
  3. マーベルが『ブラックパンサー』でヒーロー映画初のアカデミー作品賞を獲得するために…
  4. ロック・イン・ジャパン2017 2日目ライヴレポート
  5. 『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』の功績は神話をオリジナリティをもって進展させ…

関連記事

  1. 映画レビュー

    『空飛ぶタイヤ』池井戸潤が感じる自分の正義を庶民的正義と重ね合わせた大衆娯楽の鑑のような傑作!

    池井戸原作の映画を楽しみにしていた。初の映画化である。彼の作品は現…

  2. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】ナイスガイズ!

    今年度の賞レースを独占している『ラ・ラ・ランド』で主演を務めた…

  3. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】アーロと少年

    (C) 2016 Disney / Pixar. All Rights…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

  1. ハリウッド

    『君の名は。』のハリウッド実写化が失敗すると断言したい理由
  2. ハリウッド

    【SW神話崩壊?】北米で『ハン・ソロ』の興行収入が大コケ!その理由とは?
  3. 映画レビュー

    『娼年』の実写化で性に真剣に向き合った監督と、素っ裸で腰振りまくった松坂桃李に敬…
  4. 音楽

    【徹底考察】ビルボード1位、米英人気過熱、国連演説・・・勢いが止まらないBTS(…
  5. ニュース

    【日米LGBT理解度格差】LADY GAGAが「ミス・ゲイ・アメリカ」選出!一方…
PAGE TOP