映画レビュー

【映画鑑賞日記】二ツ星の料理人

2starArtwork (C) 2015 The Weinstein Company LLC. All Rights Reserved.

ブラッドリー・クーパー今回もいいですね!
『ハングオーバー』のダメンズや、『世界でひとつだけのプレイブック』の繊細な主人公にない、人間関係がうまくいかない問題児な調理人を見事に演じています。
そのくらいワークホリックな調理人がミシュランで三つ星を取るがために奮闘する様を描いた映画です。
しかし、どれもうまく事が運ばない。この主人公は実力こそ一流です、なのに、うまくいかない。現実世界にもそういうことってあると思うんですけど、追い風が吹いてこない・・・
で、様々な紆余曲折を経て、主人公は最終的に<自然体>な姿になります。

ミシュランと思しき客が来たと、主人公の最大のチャンスが巡ってきた時に、彼は<成すがまま>に現状と向き合い、ミシュランに立ち向かいます。その姿が実に心地良いんです。
結局、何かに達するというのは、こういう状況に自ずとなることなのかなって思ったんですね。

何よりも、この映画は、結果を言わないんです。
三つ星を取れたのか、取れなかったのか。明かさないんです。
これって結局はこの映画はミシュランなんてどうでもいいと位置づけているに他なりません。それ以上に、ひとりの調理人を通した<人生賛歌>を描きたかったんだと思うんですね。観た後に身になる映画を久々に観た気がします。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. アナタが行くヤツ、それ本当にフェス?フジロックが世界の最重要フェス3位に選出!
  2. 『いぬやしき』興行失敗で垣間見える漫画原作映画の限界~世間はエグさに飽きている
  3. 世界で大ヒット中の映画『スパイダーマン:ホームカミング』の主人公トム・ホランドの…
  4. 何故「バルス現象」は起きるのか?その理由は日本特有の国民性と風土にあった!
  5. エルレ細美が「待った!」転売野放し・・・チケットだけじゃないライヴ物販問題を考え…

関連記事

  1. 映画レビュー

    『ザ・プレデター』でプレデターはコミック化した

    誰もがプレデターがどれほど無敵で恐ろしい存在か知っている。…

  2. 映画レビュー

    OASIS日本ラスト公演「FUJIROCK’09」を映画館で観る!

    フェスにおける生の現場に比例する臨場感のある音響。月並みな表現にな…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

[PR]
  1. 映画

    日本アカデミー賞とかいう老害賞には文句しか出て来ない
  2. ライブレポート

    ロック・イン・ジャパン2017 2日目ライヴレポート
  3. 映画レビュー

    果たして労働は悪なのか?『ちょっと今から仕事やめてくる』に見る現代社会の新価値観…
  4. ハリウッド

    世界各国で記録的ヒットの『ブラック・パンサー』は何故ここまでの現象になったかを勝…
  5. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
PAGE TOP