映画レビュー

SW初の感動作『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に涙する!

image source:http://www.imdb.com/title/tt3748528/mediaviewer/rm1098980352
© 2016 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.


前作のJ.J.エイブラムスの『EP7/フォースの覚醒』があまりに既存のスターウォーズ(以降SW)6作品への遠慮と、世界中の旧来SWファンに媚びへつらったもので新鮮味に乏しく心底ガッカリした部分があったのは本音としてあります。

が、やりました!やってくれました!完璧です!脱帽です!大拍手です!
ルーカスは、SWにはまだまだ語られるべきEPがあると発言していた、まさにその「まだまだ語られるべき」部分。これぞ「我々が見たかったSW」を真っ向勝負で描いて大成功。エンディングでお馴染みのテーマ曲が流れた瞬間に「(EP3~4が)繋がった」実感を確かに感じ、鳥肌が立ちました。
しっかりルーカスイズムを引き継ぎながら、新しい物語を構築し、SWという一大叙事詩の中で存在意義のあるEPとして成立させました。ルーカスが手掛けなくても、同シリーズが成立し続ける不安の払拭をしてくれた!

何よりも、この『ローグ・ワン』は泣けるんです!泣けるSW!
言ってみればSWは、所詮はSF映画であり、大衆娯楽の最高峰なので、これまでは感動とは無縁の「遊園地のような映画」でしかありませんでした。楽しければそれでいいってやつ。

しかし、この作品では、今までアトラクション的な描写とでしか描かれて来なかった戦闘シーンに「大義名分」を持たせました。
戦争に大義名分や正義などありはしないと個人的には思いますが、この映画で活躍する先述の反乱軍のスパイ達は、ローグ(=ならず者・無法者)なので、愛国心より「自身の正義」のために立ち上がります。「利他的な信念」とでも言うべきでしょうか。そんな信念を持ったローグ・戦士たちが帝国軍に挑む自己犠牲の姿をこの上ない英雄像として描き切り、思わぬ感動路線に持っていく。

その戦闘シーンが、テンポがあり、流石の迫力が凄いこと!
初めてSWの戦闘シーンで、まるで『プライベート・ライアン』のような生身の人間の戦いなんだというリアリスムが感じられました。
これが吉と出たんです!本来ならSWはWarsと銘打っておきながらも、現実の戦争を感じさせるべきではないと思っていましたが、そういう嘘くさいファンタジーが、もはや通用しない世相なんじゃないかと思うんです。娯楽は娯楽として、SWはその王道中の王道でもいいけど、ここまで迫真のメッセージを見せつけてくれなきゃ、もはやSW歴も25年以上になる古株ファンの俺は満足はしない。SWが好きで本当に良かった。そう思える名作でした!

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 『娼年』の実写化で性に真剣に向き合った監督と、素っ裸で腰振りまくった松坂桃李に敬…
  2. RADWIMPS「HINOMARU」が物議!ポップ・ソングの右傾化に不自然さを感…
  3. サザン40周年ライヴをLVで観る!~親近感こそサザン最大の魅力だと再確認する~
  4. 【追悼】アメコミ界の巨匠スタン・リー逝去~映画カメオ出演を振り返る~
  5. DA PUMPがSMAPの振付をすることが芸能界で衝撃的である理由

関連記事

  1. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】ドント・ブリーズ

    20年に一度のホラー映画と言うから期待していったんですが肩透か…

  2. 映画レビュー

    米国保守の象徴が自省を込めた『運び屋』はイーストウッドの贖罪映画である!

    御年88歳で監督主演、90歳を演じる超人イーストウッドイースト…

  3. 映画レビュー

    『バリー・シール/アメリカをはめた男』を見て感じた、貯蓄額の多さと幸福度指数は比例しない!

    まさに狂想曲。金に物を言わされ、米国そのものに踊らされるバリー・シ…

  4. 映画レビュー

    先進国ニッポンの歪みを見事にえぐった今観るべき傑作『万引き家族』

    是枝監督作品は優しさに満ち溢れている。絆や愛情とは何かという根本テ…

  5. 映画レビュー

    余計な台詞すら削ぎ落とし、戦争を臨場体験させる『ダンケルク』こそ真の戦争映画だ!

    21世紀の娯楽作の王者ノーラン監督が戦争映画を撮るとこうも凄いとい…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

  1. 音楽

    2017年 勝手に選ぶベスト洋楽 TOP10
  2. ライブレポート

    ELLEGARDEN復活ライヴを観る!10年の活動休止の先にあった変わらない尊さ…
  3. 映画

    日本アカデミー賞とかいう老害賞には文句しか出て来ない
  4. ライブレポート

    ポール東京ドーム初日を観た!
  5. ハリウッド

    【追悼】アメコミ界の巨匠スタン・リー逝去~映画カメオ出演を振り返る~
PAGE TOP