ライブレポート

コールドプレイの来日公演を観て……

© ROCKinNET.com All rights reserved.

個人的には8年ぶりのCOLDPLAYということになる。
あの当時は、傑作『Viva La Vida』の世界ツアーで、しかもグラミー賞を受賞した直後の来日でバンド自体に異常なまでのパワーがみなぎっていた時期と来日のタイミングが相まって、本当に凄まじいパフォーマンスだったのを鮮明に覚えている。数多く観て来た洋楽アーティストの来日公演でトップに入るライヴと証している。しかし、流石は現在進行形の世界最高峰のバンドである、今回のライヴも最高の評価を自ら更新したような素晴らしいライヴだった。

ある程度は想定していたが、案の定(というか期待以上の、いい意味で)過剰とも捉えられる派手な演出、カラフルな紙吹雪が何度も打ち上げられ、バルーンもお決まりのように振ってきて、5万人の腕に付けられたピックスモブの多彩な光が、恍惚感と高揚感に相混ざって、終始、一大スペクタクルを繰り広げ、中だるみを一切許容しないフルスロットルなライヴだった。その様子は、東京ドームを我が物で完全制覇した、あのテイラー・スイフトのドーム公演をも超えるほどだった。正に音楽の楽園を体現したに等しい。“楽し泣き”すらしてしまうような、これぞ多幸感と言えよう。

新作『A Head Full of Dreams』は、最高傑作の呼び声高い『Viva La Vida』と肩を並べるほどの傑作だった。
その収録曲のどれもが本来のCOLDPLAYを象徴するかのような陽的なイメージの楽曲が多く、ライヴ栄えするものでもあった。加えて、往年の名曲も完全に網羅、「Yellow」「Clocks」「Viva La Vida」「A Sky Full Of Stars」・・・。ベストアルバムのような満腹感なセットリスト。

彼らの場合は、その代表曲やキラーチューンがアルバムの度に増えていく。
よくありがちな“昔の曲の方が良かった”という懐古的にもならない、要は新作に“ハズレ”が無いということでもあるが、COLDPLAYが現役最強たる由縁は、時代と共に変化する“変幻自在さ”にある。その為ならEDMも受け入れてきたし、最近ではチェーンスモーカーズとコラボし、主流のトラップダンスミュージックまで取り入れる。ロックの定石を尽く崩し、常に進化するのだ。この日も、まるでEDMフェスに来ているかのような錯覚を覚えた。ロックが衰退し、ポップ全盛のこの時代に、何故彼らの曲が全うにテイラー・スイフトやジャスティン・ビーバーと勝負できるのか、今日の東京ドームを見れば納得がいくだろう。
流石としか言いようがない。COLDPLAYはどこまで進化し続けるのか、今後が本当に楽しみだ。

image source:http://www.rollingstone.com/music/albumreviews/coldplay-a-head-full-of-dreams-20151204

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 【大混戦】#TimesUp運動の影響で本年度オスカー主演男優賞はティモシー・シャ…
  2. 年収50億のジョニー・デップが破産寸前な理由とは!~お金について考える
  3. ポール東京ドーム初日を観た!
  4. またもコンサート会場が狙われる「米国史上最悪の銃乱射事件」から音楽ライヴ運営の将…
  5. 2017年 勝手に選ぶベスト洋楽 TOP10

関連記事

  1. ライブレポート

    【ポップ・ミュージックの理想郷】桑田佳祐「がらくたツアー」東京ドーム2日目を観る!

    冷静に部屋を見渡すと、本当に生きる上で必要な物の少なさに驚く。…

  2. ライブレポート

    【ライヴレポート】ポール・マッカートニー(2018/11/1@東京ドーム)

    昨年の来日公演から早くも新ツアーで今年も来日を果たしたポール・…

  3. ライブレポート

    今度こそ!初めてAviciiを観る!

    不調により3年連続来日公演キャンセルとライブ活動からの引退…

  4. ライブレポート

    【祝・武道館】初武道館の理想形を実現した究極のエンターテイメント

    こんなにもパワフルで、こんなにも感動的で、こんなにもポジティブで明…

  5. ライブレポート

    COUNTDOWN JAPAN 1314 vol.2【最強の新人KANA-BOON】

    12/30に観たアーティストはこんな感じ。●FLOWE…

  6. ライブレポート

    ONE OK ROCK『EYE OF THE STORM』日本凱旋公演が最高だった!

    00年代中盤から毎年観ているワンオクのライヴの中でも、個人的に…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

[PR]
  1. 映画レビュー

    『娼年』の実写化で性に真剣に向き合った監督と、素っ裸で腰振りまくった松坂桃李に敬…
  2. 映画レビュー

    俺が勝手に選ぶBEST映画2016
  3. ニュース

    アリアナ・グランデのライヴ会場で起こった爆発テロについて
  4. ニュース

    遂にNYタイムズ誌まで?ガキ使の黒塗りメイク批判は行き過ぎだと思う理由!
  5. ハリウッド

    『マイティー・ソー バトルロイヤル』を楽しむための豆知識をちょこっとだけ紹介!
PAGE TOP