邦楽

ヤバイTシャツ屋さん紅白急浮上で感じる2つの違和感

出典:YOUTUBE

最近の紅白では「フェス枠」が設けられているような

オリコンが実施した、今夏のフェスシーンで活躍した中で“紅白で見たいバンドのランキング”の男性が選ぶ首位に「ヤバイTシャツ屋さん」が選ばれた。ちなみに、女性が選ぶランキングでの首位はSuchmosだった。(その他、Mrs.GREEN APPLE、DAOKO、GRIM SPANKYの名が挙がっている)
確かに最近は、昨年2017年のWANIMAをはじめ、2016年のRADWIMPS、2015年のゲスの極み乙女など、「フェス枠」があると言ってもいいように、その年のロック・シーンを象徴するバンドが出場する傾向が続いている。ただ、WANIMAの場合は2017年アリーナ公演の成功や、テレビCMや映画での楽曲起用が際立ったとか、2016年のRADWIMPSは国民的ヒットとなった『君の名は。』の主題歌「前前前世」で注目されるとか、2015年のゲス極も多数のCMタイアップや甘利元経済再生相がマイナンバーカードのPRで彼らの曲の替え歌を口ずさむなど世間的な話題性が十分にあった。ゲスの極みに関しては翌年の不倫騒動の方が遥かに話題になったけd・・・・・・(自粛)

[PR]

ヤバイTシャツ屋さんもフェス会場での人気ぶりは凄まじい。キャッチーなフレーズも多く、「あつまれ!パーティーピーポー」がLMFAOの「Shots」をまんまパクる無思想感が今の時代にハマったのかも知れない。ビバラでも入場規制だったし、ロッキンでも最大規模のグラスステージを埋めたし、人気といえば十分過ぎるほどある。

ヤバTは紅白出るほどの知名度があるか問題

ただ、なんぜ一般的な知名度が高くない。WANIMAやRADWIMPSのように浸透しきれていない印象があるのも事実だ。けど、それが紅白の選考基準に満たないとは言わないけど、紅白って本来はその年に話題になったアーティストの音楽的祭典だったはず。こんな若手いますよ歌合戦じゃない。ロッキンでもヤバT観て楽しかったけど、フェスという一部の狭い世界での人気者の印象が拭いきれず、紅白出るまでに至っているか否かについては正直違和感が残る。そういうのにすがる紅白も情けない。

実は相思相愛なヤバTとNHK

とは言え、ヤバTとNHK。この一見相反する両者、実は相思相愛であるのだ。ロックファンなら周知の事実であろうが、今年2018年3月に「NHKフレッシャーズキャンペーン」のイメージキャラクターに起用され、楽曲「案外わるないNHK」を書き下ろし。MVでNHK職員とヤバTが戯れている様子が微笑ましくて好きだ。8月にはNHK総合で司会を務める「テンゴちゃん」がレギュラー化。彼らの夢も「テレビで最初に歌うのは紅白と決めている」と言っている。NHKとしても、これほど後押し要素が揃っているバンドが他に無い以上は無視もできないだろう。

ロック・バンドが紅白に出たいと思う時代

そもそも、ロック・バンドが紅白に出たがることも驚きだ。否定はしない。ただ、時代が変わったんだなと思う。以前「HEY!HEY!HEY!」にキュウソネコカミが出た時もセイヤ(Vo)が「紅白に出たい」と言っていたのを覚えているが、一時期は権威に抗うことに美学を持っているバンドは多かった。GLAYやラルクなどタイアップ型の産業ロックのもと活躍してきた大衆バンドは除いて。
松任谷由実が売れに売れまくっていた全盛期に、紅白が絶対的な権威だった時代に最初に「紅白出ない宣言」をして以来(数十年後に出場しているが)、紅白という権威に抗う美学みたいなものが定着したのは言うまでもない。内田裕也なんて打倒紅白を掲げて「ニューイヤーロックフェスティバル」を開いたり(ビートたけしも出てたっけ)。
けど、紅白の影響威力と言うのは相応に大きくて、中島みゆきが初出場した後に「地上の星」が再び注目を上げ、結果ミリオンセラーまで売れたとかって例もある。

権力に抗う俺かっこいいが逆にダサいという保守世代?

何より、今は音楽が売れにくい時代であるから、自分たちを売ることが何よりも優先的であることは理解する。それと、ここ数年は伝統を重んじる保守的な物の捉え方も多くなってきてるので、NHKという権威に逆らうロック・ミュージシャンというのも少なくなってきているのかも知れない。紅白自体が権威を失って久しいので、以前よりも出場しやすい身近な存在になったとも言えよう。「敢えて出ません」とか「権力に抗う俺かっこいいが逆にダサい」という世代の価値観なのかなと。けど、完全に個人的見解だけど、細美武士や10-FEET、マキシマムザホルモン等がやたら滅多に地上波の番組に出ないにも関わらず、フェスやライヴだけで人気を維持しているバンドがいることを考えれば、紅白なんかより自分たちの土俵で勝負することに徹するのもかっこいいけどね。ロック・バンドの価値観も変わってきたのかなと思うと、もうちょっと突っ張ってもいい気がした。どの道、ヤバTが出ることになっても、大学の学園祭レベルで終わるのは目に見えているが。NHKホール、誰もモッシュやダイブしてくれんからな(笑)

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

[PR]


 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 世界で大ヒット中の映画『スパイダーマン:ホームカミング』の主人公トム・ホランドの…
  2. エルレ細美が「待った!」転売野放し・・・チケットだけじゃないライヴ物販問題を考え…
  3. 実写化史上最も成功していると言って過言でない『美女と野獣』に感動する
  4. またもコンサート会場が狙われる「米国史上最悪の銃乱射事件」から音楽ライヴ運営の将…
  5. 年収50億のジョニー・デップが破産寸前な理由とは!~お金について考える

関連記事

  1. 日記

    ゆず新曲に「靖国」が出てきて大騒動!これはポップソングの右傾化なのか?

    ゆずの新作『BIG YELL』に収録された楽曲「ガイコクジンノ…

  2. ライブレポート

    13年ぶりロッキンに出演したサザンが凄かった!ROCK IN JAPAN史上最大に盛り上がったサザン…

    サザンオールスターズ、ロッキン実に13年ぶりの登場であった。圧…

  3. 邦楽

    バンプ新曲「虹を待つ人」MV公開

    惜しくも行けなかった8月9日のQVCマリンフィールドでのスタジ…

  4. 邦楽

    三代目JSBレコ大ノミネートすら逃す(悪意に満ちた指摘・・・笑)

    聴いたこともない曲で二連覇した三代目JSBが今年は候補にも…

  5. 邦楽

    NICO Touches the Wallsの活動終了の理由を考える

    突然の活動終了に驚き通り越して無心・・・NICO Touche…

  6. 邦楽

    なぜか悔しがる古株ファンの心理

    とあるロック・バンドに初期からファンになると、ライヴなんか…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

[PR]
  1. ニュース

    映画『アントマン』では味方だった猛毒蟻“ヒアリ”について徹底解説!
  2. 映画レビュー

    想定外のラストに衝撃!『アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー』で初めてアメコ…
  3. 映画

    『いぬやしき』興行失敗で垣間見える漫画原作映画の限界~世間はエグさに飽きている
  4. ライブレポート

    COUNTDOWN JAPAN 1718 4日目ライヴレポート
  5. テレビ・芸能人

    【徹底考察!】元SMAP「72時間テレビ」が大盛況!ネットはテレビに取って代わる…
PAGE TOP