邦楽

茨城県医師会「ロッキン中止要請」で自己弁護のお粗末加減に真っ向から反論!



© rockin’on holdings inc.

ロッキン開催1か月前で”今年も”中止で大騒動

ワンオクtaka、King Gnu井口、RAD野田なども抗議

またしても音楽ファンの夢が打ち砕かれた。「ROCK IN JAPAN 2021」中止。二年連続だ。しかも、開催1ヶ月前の中止決定。理由は公式サイトに詳細が書かれているが、茨城県医師会の要請があり、それを議論する時間の確保ができないことからの苦渋の判断だったという。まさに、急転直下とも言える事態に、参加予定だった音楽ファンからは大ブーイングが巻き起こっている。ツイッターには「#茨城県医師会に抗議します」というハッシュタグがトレンド入りするほどである。ONE OK ROCKのtakaや、KinG Gnu井口、RADWIMPS野田、サカナクション山口、LiSAなどのアーティストからもコメントが発せられる事態となっている。

現状でもフェスは開催されているのに何故ロッキンだけ?

やはり大きく関わるのが五輪開催である。五輪のために我々の生活は大きな犠牲を強いられている。ただし、緊急事態宣言下で31人も集まって宴会をするとか、路上飲みするとか、マスク会食をしないとか、そういう常識はずれなマナー違反者たちは除こう。なぜなら、フェス参加者はマナーを守るからだ。それは、今年の春に開催された「JAPAN JAM」や「VIVA LA ROCK」でクラスターが発生しないことで証明されたではないか。その後も、「京都大作戦」(前半週)などお馴染みのフェスから「百万石音楽祭」「DEAD POP」など知名度は低いものの、多くのロックファンが集うフェスは開催されている。問題なくフェスは開催されているのだ。
何故、ロッキンだけ目の敵にされなければならないのか。紛れもなく、知名度の問題だ。日本最大級の邦楽フェスを謳っただけあって、その知名度は国内でもトップクラス。それによって、春フェス「JAPAN JAM」の際は、各局ワイドショーがまるで違法行為のように報道した。些か事実を湾曲した報道姿勢に首を傾げざるを得なかった。


果たして茨城県医師会はガイドラインを見ているのか?

何よりも、腑に落ちないのは、茨城県医師会連中は「フェスの感染対策を検討したのか?」ということである。ガイドラインを見たのか? 運営側に確認したのか? 春の「JAPAN JAM」の会場内を実際に見たのか? 単なる老人連中が、実情を確認せずに、漠然とした不安で「何となく」中止要請を出したのではないかと疑う。距離を取り(1m四方のエリア内に必ずいること)、発声も許さず、違反者は退場までさせるというのに、感染拡大する論拠は何かを提示していない時点で、中止要請は決して正しいとは思えない。

同県内の鹿島の試合は有観客(県外6割)で行われているが?

それなら、鹿島アントラーズの試合が有観客で行われていること(県外から来る観戦者が6割)、茨城で開催される五輪のサッカーも学校連携観戦させることに辻褄が合わない。そんな曖昧な基準で中止要請するほど、対策は疎かにしていないし、安易なイベントではない。それは、地域活性化、経済効果としてもだし、音楽業界の停滞を招くことも、我々、音楽ファンが抱いた希望すら踏みにじる行為だからだ!


雑誌に書かれた茨城県医師会の言い分すべてに反論していく!

では、実際に茨城県医師会は何と言ってるのか簡易的に見ていきたい。
赤字が本サイト意見だ。※あくまで一意見として見て頂きたい。
女性自身のYahoo掲載記事より参考引用
※参考引用のため雑誌と文章は異なるが意味が変わるような引用はしていない。予めご留意を。

開催中止の要請書を提出した意図は?

医師会「『何がなんでも中止してください』ということではなく、開催する場合でも感染対策をしっかりとお願いしますといった要請です」
⇒それはガイドラインに書かれていることであり、確認していないのがバレバレ。要は思い付きってことだ!

今年開催された「JAPAN JAM」ではクラスター感染が起きていない。県内では他に様々なイベントが催されているのにロッキンだけ何故?

医師会「茨城県医師会がフェスが開催されることを知ったのが6月18日頃で、県外からも多くの人が参加することで我々だけの問題じゃないと、何回か会議も行い要請書を取りまとめました。」
⇒「JAPAN JAM」の成功について言及していない。茨城県内のイベントが許され、ロッキンがダメな説明が一切されていない。それは先述の通り、鹿島アントラーズの試合の観客の6割が県外からの観客であることでロッキンと何も差が無いこと、サッカーがOKでフェスがNGな理屈が理解できない。

要請書にあった「観客の会場外での行動を含む感染防止対策」とは具体的に?

医師会「主催者が観客の行動について回って注意するなんてできないことは承知。ですので事前に、開演時や終演時に声かけをしっかりしていただくなどの感染防止対策をお願いしました。」
⇒結局はこれが中止決定の最大の理由なわけだが、こんなもの言われなくとも、ロッキンは毎年「熱中症や体調管理、スリなどの注意喚起」ですら、アーティスト間でしっかりアナウンスしている。今回もコロナ対策についてはガイドラインにも注意喚起されており、渋谷陽一は「今まで以上の規制やルールがあり、それを面倒だと思うのなら参加を断念してください。」とまで言っている。規則違反は退場とまで言っており、また医療逼迫を避けたい意思も表明している。そういう運営側の決意も、ガイドラインも読んでいない。まったくもって無責任だし、悔しい!

要請書を手渡した後、医師会のHPに文書を掲載するも削除した理由は?

医師会「7月5日に要請書を提出したことをHPに掲載したが、その日の内に、主催者の方から中止の話があったので、私どもが載せた内容はいずれ主催者側からの発表があると思って削除しました。隠したわけではない。」
⇒いえ、隠してます。開催側が中止の決断することと、医師会が要請したことは、異なる組織の、異なる行動であるので、削除するまでの理由になっていません。すり替えの論理はやめて頂きたい。思わず、騒動が大きくなったことで、「責任逃れ」したい魂胆が見え見えです。

茨城県で開催される五輪競技についてもロッキンと同じように中止要請を出しているのか?

医師会「五輪大会には要請書は出していません。理由は、五輪の開催や観客の有無についてはIOCや国で色々議論されています。要請を出す時期でも案件でもないという判断です。フェスは地元で開催される非常に大きなイベントだということで、今回要請書を出したということです。」
⇒茨城県の地元で開催されるのは五輪もロッキンも同じである以上は、ロッキンが要請書を出して、五輪は要請を出す案件でない論拠の説明になっていない。言い訳にしては苦しい。要は国が絡む物には意見できず、民間企業であるロッキンなら厳しく言える。弱い者いじめの構図。スネ夫的な発想。本当に卑怯である。


渋谷陽一が早く決断したことで食い止めた負債と、今後のロッキンと茨城県医療の関係性

渋谷陽一は温和な人柄ながら時に激情的な人である。かつて、ライジングサンと出演者ブッキングで揉めた時も、その裏事情をブログで発信したことがあった。当時の音楽ファンの反応は「わざわざ表で言うことじゃない」と渋谷陽一批判が大きかった。このように、時として感情が先導して物事を言う側面があるが、今回は責任者としてやむを得ない苦渋のファインプレーとしか言いようがない。理由は、フェスは医師の協力なしでは今後も運営できない。熱中症、怪我、過呼吸などのトラブルは健康にフェスを過ごしていると知る容姿もないが、想像以上に多く、救護室は多忙を極める。茨城県の医師は、今後のロッキン開催にも無くてはならない存在なのだ。準備期間の財政的マイナスをいち早く止める責任もあること、また医療従事に今後もお世話になることを踏まえれば、決断は早く、要請に従わざるを得なかったのだ。それでも、中止にだけはしない、これだけの対策はしたという主張を貫いて欲しい気持ちも全く無かったわけではないが。
今日は茨城で民宿業を営む人のツイートを見た。全てキャンセルだそうだ。僕もホテルのキャンセルをした。1ヶ月後のために多くの労力が費やされた。それをろくに確認や検証もせずに中止なんてよく口に出来たものだ。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※当記事の著作はROCKinNET.comに帰属し、一切の無断転載・再交付は固く禁ずる。



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