フェスシーンの旬な若手人気バンドから新進気鋭のラッパーやシンガー、大御所までを1日で総括的に見れるのもフェスの醍醐味でありCDJの良いところだと思った三日目のライヴレポです。
2018/12/30
●フレデリック
少し前は細美武士であったりストレイテナーらが台頭してきてフェス文化の創生期を支えたように、今やこの世代のバンドがフェス過渡期を支えているんだなと感じる「俺たち無敵です感」。それに比例するように上達していく演奏テクニック。何度も彼らのパフォーマンスは聴いているのだけども、過去最高潮のバンド・サウンドが聴けた気がした。代表曲「オンリーワンダー」に依存せずとも成熟したダンス・ロックライヴが成立していたことが何より嬉しい。それと、お兄ちゃん、洗練されたというかカッコ良くなったね。
M1 シンセンス
M2 KITAKU BEATS
M3 リリリピート
M4 TOGENKYO
M5 NEON PICNIC
M6 LIGHT
M7 かなしいうれしい
M8 オドループ
M9 飄々とエモーション
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●sumika
ポップ・バンドとしての裾野の広さというか、聴衆に届けるために書かれたジャンルレスな楽曲たちのどれもが多幸的で聴いてて嬉しくなった。それを「おかあさんといっしょ」の歌のお兄さんのような“こなれた”笑顔で完璧に見せるのだから頭が下がる思いである。最初は演歌歌手のディナーショーような嘘臭せぇ奴らだなと感じていたんだけども、その献身さが素晴らしいの一言に尽きる。特に「ファンファーレ」の高揚感の中に感じる僅かな切なさに胸キュンした。新年に向けてsumikaが背中を押してくれたような気がして幸せだった。
M1 フィクション
M2 Lovers
M3 1.2.3..4.5.6
M4 ファンファーレ
M5 ふっかつのじゅもん
M6 ペルソナ・プロムナード
M7 いいのに
M8 Summer Vacation
M9 「伝言歌」
●佐野元春&THE COYOTE BAND
主催者の渋谷陽一が大の佐野フリークであるからだろうが、このCDJには必ず出演する佐野元春御大。毎年ってわけでもないが出来る限り観るようにしている。年代的にもキャリア的にも異色であるだろうが、他のどのバンドよりも完成されたステージであることは言うまでも無い圧巻のパフォーマンスだった。音楽イベントとしても、こういう“本物”を呼び続けないといけないと思った。真裏の20代と思しき女子たちが「カッコ良いおじいちゃん」と言っていたが正にその通り。カッコ良いと思われる壮年であり続ける御大の姿に感動を覚えた。大胆にスカを取り入れた「インディビジュアリスト」は今聴いても実にクールだった。
M1 ストレンジ・デイズ
M2 優しい闇
M3 La Vita è Bella
M4 純恋(すみれ)
M5 禅ビート
M6 インディビジュアリスト
●Creepy Nuts
R-指定がフリースタイルで日本で有数である由縁を見せつけられた。観客から自由な言葉を集めて瞬時にラップにするのはラッパーである限り必須のスキルと言えようが、アウェイとも言えるロック・フェスの会場でディスも封印して誰もが耳馴染み良いラップに仕上げる心配りが素晴らしい。大衆ラッパーとしてジャンルを開拓していくに相応しい才能とタレント性が備わっていること、その勢いが増していることが感じられただけでも良かった。時間がないからか、DJ松永の達者な毒舌トークが抑え気味だったのは物足りなかったが、超絶テクが観れて良かった。
M1 DJ松永ルーティーン
M2 助演男優賞
M3 よふかしのうた
M4 紙様
M5 メジャーデビュー指南
M6 合法的トビ方ノススメ
M7 生業
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●THE ORAL CIGARETTES
初武道館公演頃から暴走し出した“俺が俺がアピール”も、今となっては必要ないんじゃないかと思うくらいに成長を果たしたことが分かるセトリとMCだった。「ワガママで誤魔化さないで」「容姿端麗な嘘」など新しい楽曲が人気曲と聴き劣りしなかったことが何よりもオーラルの大衆性が健在である証明である。キッズ達が暴れるだけのバンドにするには惜しいと思っていたし、「番狂わせ」ばっか言ってるのに飽きてきた頃でもあったので余裕が垣間見れたのが何よりも嬉しかった。終焉後、暴れ終わったキッズ達が早々に会場を後にする間も、ずっと頭を下げていたヤマタクが頭を上げるまで拍手を贈り続けた。
M1 狂乱 Hey Kids!!
M2 カンタンナコト
M3 PSYCHOPATH
M4 ワガママで誤魔化さないで
M5 What you want
M6 容姿端麗な嘘
M7 CATCH ME
M8 BLACK MEMORY
●小袋成彬
カッコ良い男だ。洗練されてる。そして透き通るような美しい歌声に同性でも惚れ惚れしてしまう。キャッチーでもないし大衆性も感じない。MCすら一切無い。耽美な世界観を佇まいと歌声だけで構築するヴォーカル力に圧倒される。控えめな自己愛は実に芸術的で、どこか孤独で寂しい。けど、それを良しとし、客に媚びないスタンスを貫いているところが素敵過ぎる。あの宇多田ヒカルが惚れた理由がステージ上に集約されていたように思える。ただ、このフェスの参加も三日目で疲労が最高潮に溜まってるタイミングだったので眠くはなった。要するに、それだけ耳馴染みが良く、心地良いヴォイスだという証明でもあるのだが。本物のシンガーだ。
M1 Selfish(WoO!)
M2 茗荷谷にて(extended)
M3 E.Primavesi
M4 Summer Reminds Me
M5 Lonely One
M6 新曲
M7 愛の漸進
M8 Daydreaming in Guam
●UNISON SQUARE GARDEN
斉藤(Vo)のスカパラ、SKY-HIとのコラボ、田淵(B)のa flood of circleのプロデュース活動など、充実したユニゾン以外の活動がバンドに反映されているのが感じられたのが良かった。新曲「君の瞳に恋してない」の振りかぶった王道加減にノックアウトだった。一方で、1st収録の「WINDOW開ける」なんて古い楽曲をやったのも意外だった。多くのバンドって大体フェスでの選曲は決まっている。けど、ユニゾンって未知数な部分にワンマンのような楽しみがある。代表曲「シュガーソングとビターステップ」も早々にやってしまうのは、どうせお前らコレ聴きたいんだろと言わんばかり。ニワカは代表曲聞けば帰ることが周知の事実だし。ユニゾンのそういうスタイルが好きだ。斉藤の邦楽ロック界における圧倒的な王子感も炸裂していたのもGOOD!
M1 天国と地獄
M2 シュガーソングとビターステップ
M3 Catch up, latency
M4 フィクションフリーククライシス
M5 WINDOW開ける
M6 fake town baby
M7 23:25
M8 君の瞳に恋してない
M9 シャンデリア・ワルツ
(文・ROCKinNET.com編集部)
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