前作のJ.J.エイブラムスの『EP7/フォースの覚醒』があまりに既存のスターウォーズ(以降SW)6作品への遠慮と、世界中の旧来SWファンに媚びへつらったもので新鮮味に乏しく心底ガッカリした部分があったのは本音としてあります。
が、やりました!やってくれました!完璧です!脱帽です!大拍手です!
ルーカスは、SWにはまだまだ語られるべきEPがあると発言していた、まさにその「まだまだ語られるべき」部分。これぞ「我々が見たかったSW」を真っ向勝負で描いて大成功。エンディングでお馴染みのテーマ曲が流れた瞬間に「(EP3~4が)繋がった」実感を確かに感じ、鳥肌が立ちました。
しっかりルーカスイズムを引き継ぎながら、新しい物語を構築し、SWという一大叙事詩の中で存在意義のあるEPとして成立させました。ルーカスが手掛けなくても、同シリーズが成立し続ける不安の払拭をしてくれた!
何よりも、この『ローグ・ワン』は泣けるんです!泣けるSW!
言ってみればSWは、所詮はSF映画であり、大衆娯楽の最高峰なので、これまでは感動とは無縁の「遊園地のような映画」でしかありませんでした。楽しければそれでいいってやつ。
しかし、この作品では、今までアトラクション的な描写とでしか描かれて来なかった戦闘シーンに「大義名分」を持たせました。
戦争に大義名分や正義などありはしないと個人的には思いますが、この映画で活躍する先述の反乱軍のスパイ達は、ローグ(=ならず者・無法者)なので、愛国心より「自身の正義」のために立ち上がります。「利他的な信念」とでも言うべきでしょうか。そんな信念を持ったローグ・戦士たちが帝国軍に挑む自己犠牲の姿をこの上ない英雄像として描き切り、思わぬ感動路線に持っていく。
その戦闘シーンが、テンポがあり、流石の迫力が凄いこと!
初めてSWの戦闘シーンで、まるで『プライベート・ライアン』のような生身の人間の戦いなんだというリアリスムが感じられました。
これが吉と出たんです!本来ならSWはWarsと銘打っておきながらも、現実の戦争を感じさせるべきではないと思っていましたが、そういう嘘くさいファンタジーが、もはや通用しない世相なんじゃないかと思うんです。娯楽は娯楽として、SWはその王道中の王道でもいいけど、ここまで迫真のメッセージを見せつけてくれなきゃ、もはやSW歴も25年以上になる古株ファンの俺は満足はしない。SWが好きで本当に良かった。そう思える名作でした!
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