ライブレポート

SUMMER SONIC 2017 東京会場1日目ライヴレポート

© ROCKinNET.com


今年もサマソニの季節がやってきた。サマソニと言えば、八月中旬。お盆の時期だ。世間が束の間の休暇を取っている時期に日本最大級の音楽フェスは行われる。割り箸が刺してある茄子やキュウリを見ない夏がどのくらい過ぎただろうか。日本情緒なお盆の過ごし方を忘れる程、要は俺はこのフェスに来続けている。数えて11年目。ロッキンと日程が被った1年を除き、個人的には10回目のサマソニとなる。

観たアーティストを紹介
簡易ライヴレポート

LANY

エレクトロ・ポップの王道サウンドが嬉しくなる。ついこの前はOwl Cityがいたように、このジャンルって数年周期に、とんでもない才能が出て来るものだ。妙にセクシーさを売りにしてる部分が、The 1975チックで、今時だなと思った。インディー・ポップの新生として益々大きくなっていくことが確約されているような新人離れした完璧な演奏力と、世界観の構築に唸るばかりだった。

デクラン・マッケンナ

今年は話題の新人を同じエリアで立て続けに観ることが出来るのが嬉しい。英国のメディアを独占しちゃってるデクラン・マッケンナは、この日サマソニに出る新人としては最注目だった。強烈な社会風刺、大人社会への攻撃性が強く、若さがゆえに書ける歌詞の説得性には脱帽する。そんな若者のライヴはどんなのか? ジェイクバグのような落ち着いた感じを想像していたのだが、ステージを降りたり、無意味に靴を脱ぎ飛ばしたり、18歳の彼だから出来る無邪気なパフォーマンスの青臭さが微笑ましくもあり、力強くもあり、幸先が良いことが窺い知れた。

BRADIO

サマソニに来たら海を見ると決めている。観光地の海水浴場でもなければ、泳げないし、決して綺麗な海ではないが(笑)そんな海際のステージに出て来たのは邦楽界で勢い付いているBRADIO。邦楽フェスで何度も観てきたが、サマソニでは外国人のオーディエンスも踊らせていた。邦楽的ではない横ノリなファンクが世界基準の音楽であることと、彼らが国境を超えたバンドである確認ができた。

UVERworld

出典:FM802 ROCK KIDS 802 twitterより


EDM界の大物DJ、世界的人気のR&Bグループが後に控えるサマソニのメインステージの中で、日本のロック・バンドとしての自分達の立ち位置を、TAKUYA∞は、よく考え、どう見せるかを、わきまえている非常に計算尽くされた舞台だったと思う。日本語歌詞を重要視するUVERにとって洋楽主体フェスはアウェイに違いないが、いつもと変わらない熱量でサマソニのメインステージにメッセージを刻んだことは流石としかいいようがない。

実はここで雨が本降りになる。サマソニでの雨なんか慣れたものだ。時期的に降りやすいのだろう。2008年頃からゲリラ豪雨や予報に反した突然の雨が増えた気がする。とにかく、濡れっぱなしも嫌だということで、ZOZOスタジオ内のロッテの球団物販でカッパを買う。しかし、世の中は不条理である。俺達がカッパを買った途端に雨が止んだ・・・・・・んだ、こら!(笑)

ブラック・アイド・ピーズ

出典:http://www.summersonic.com/2017/lineup/042.html


初めてサマソニに来た年のヘッドライナーが彼らだった。本格的な再結成のパフォーマンスが観れる喜びはひとしおだ。ただ、少しメンバーの加齢を感じた。2007年当時は、もっと攻撃的だった気がする。10年も時が経過していれば無理もない。しかし、驚くのは楽曲が持つ普遍性だ。洋楽シーンでは流行に乗ったものが持て囃され、チャートの上位に君臨する。10年前、彼らの楽曲も然りだった。しかし、10数年後の今聞いても、どれもがしっくりくるのだ。終わらぬ戦争と無くならないテロ被害の時代に「Where Is The Love?」が染み入るように。新作を作っているという特大のプレゼント告知もしてくれたし、久々に聴いた「I Gotta Feeling」のポジティブ感に心の底から躍動したし、本当に楽しかった。ただ、やはり、このグループにはファーギーが必要だ。

カルヴィン・ハリス

出典:MNN


一昨年のZEDDの成功からだろうが、最近のサマソニの裏テーマに「EDM」がある。いよいよ、そのジャンルの真打登場である。
最強だった。現代の音楽シーンのポップ・ミュージックの最高峰の体験をさせてもらった。2010年代のダンス・ミュージック・シーンで、これ以上の体験は出来ないだろうと思うくらい。
数多く存在するDJ達の中で、彼が世界で最も稼ぐ理由が知りたかった。何故、彼なのか? それは、EDM衰退期にトロピカル・ハウスに手を出したり、最近出したEDM要素皆無のファンクな新作だったり、常にポップ・ミュージックにおける時代性を更新させるからだ。しかし、サマソニの場で、そういったダンス・ミュージックの新風を吹かせることはしなかった。その狙いが吉と出た。この日のサマソニの光景を見る限り、カルヴィンは自身が求められているものを過剰に演出した。だから「Lean On (feat. MØ)」も、リアーナの「We Found Love」までも取り入れる。もちろん自身の特大ヒット曲「Summer」なども出し惜しみせずにプレイする。EDMの使い手としての常套手段には、否応なく盛り上がるしかなかった。

邦楽比重が高まるサマソニに喝!

© ROCKinNET.com


今年の花火も格別に綺麗だった。
最近サマソニは変化しつつある。昨年から邦楽アーティストがヘッドライナー前を務めるなど、邦楽比重が大きくなっている。サマソニ自体が中国進出するとのことで、日本の音楽シーンを世界に広める狙いもあるのかもしれない。ただ、これだけの世界的なビッグ・ネームが一日に複数組も見れるイベントはそうそうない。邦楽勢にも頑張ってほしいが、どうしてサマソニが、洋楽フェスとして成熟し、今の繁栄があるのかは忘れてほしくない。
来年は誰が来るかな・・・・・・楽しみだ。

See you 2018

(文・ROCKinNET.com編集部よっしー)
※無断転載は固く禁ずる。引用時はURLとサイト名の記載を必須とします。


 

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