映画レビュー

【映画鑑賞日記】パッセンジャー

http://www.passenger-movie.jp/

誰かに求められること、他人を意識した言動が意味を成す。対象があって、その反応が返ってくることで自分の生を感じることができる。それが、人生なんだと改めて感じた。

これら“無人島劇”の一人芝居の名作は多々ある(J・ローレンスも起きるので厳密には一人ではないが)。分かり易いのはR・ゼメキス監督の『キャスト・アウェイ』なんかが思いつく。他にも、『イントゥ・ザ・ワイルド』、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』、『127時間』なんかがあるが、このどれもが、命を掛けた必死のドラマがあった。孤独とは生きる上でそれだけの恐怖なんだと。

そういうものに比べると、この映画は実にポップで軽快だ。
冬眠状態に保存され120年掛けて新世界へ飛び立った宇宙船の中で、到着より90年も早く目覚めてしまったクリス・パイン。当然の如く慌てふためくが、切羽詰ってる感じはさほどない。彼の雰囲気のどことないチャラさが『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』に起用される由縁であろうから、欠点ではないと思うが、ここが孤高の演技をしたトム・ハンクスとの違いか。
それとも、そもそも、この映画はそういったところに重点を置いておらず、大衆的な恋愛物語にしたかったのかもしれない。“宇宙版タイタニック”とでも言うべきか。先に言ったポップとは、そういう意味である。
とにかく120年の大規模プロジェクトでありながら、宇宙船の不具合の多さには呆れるほどだが、次々に起こる問題が映画の娯楽性を際立てている。記憶に新しいところでは『ゼロ・グラビティ』なんかが傑作だったが、宇宙映画に新たな良作が加わったと言っていいだろう。

ただ・・・
思ったんだけど、クリスはジェニファーを選んだ理由は容姿が気に入ったからに他ならないが。いくら容姿が美人でも、起きたら性格超最悪だったらどうしたんだろうか?
それこそ、最悪な人生でしかない(笑) なんて余計な心配をしてた。
あと、数秒も出てないアンディ・ガルシアの無駄遣いは何なの?

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. ロック・イン・ジャパン2017 2日目ライヴレポート
  2. 【全曲レビュー】桑田佳祐の最新作『がらくた』が凄過ぎた!大衆音楽ここに極まり!
  3. 13年ぶりロッキンに出演したサザンが凄かった!ROCK IN JAPAN史上最大…
  4. ワン・ダイレクションのソロ実績がビートルズに並ぶ!活動休止後の各メンバーの成績も…
  5. ロッキンにサザン13年ぶりの降臨!昨年の桑田ソロに引き続きフェスに出る意味とは!…

関連記事

  1. 映画レビュー

    『キャプテン・マーベル』最終決戦前の最重要作品!男性主義もサノスもぶっ飛ばせ!

    マーベル好きとしては非常に意味深い作品だったと思う。アベンジャ…

  2. 映画レビュー

    二兎追う者は一兎も得ず?『女王陛下のお気に入り』は権力に奢れる人間の愚かさを描いた愛憎劇

    アカデミー賞はこの映画の何が好きだったの?英国王室・衣装メイク…

  3. 映画レビュー

    【音楽だけ】MVのような薄っぺらい映画『グレイテスト・ショーマン』なんかで感動してる場合じゃない

    薄っぺらい映画だった。こういうのを観て「夢を追うことの大切さを学ん…

  4. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】ザ・ウォーク

    (C)2015 Sony Pictures Digital Produ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

[PR]
  1. 邦楽

    松任谷由実「恋人がサンタクロース」がクリスマスは恋人と過ごす日という社会的呪縛を…
  2. ライブレポート

    ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017 4日目ライヴレポート
  3. ライブレポート

    【ライヴレポート】ポール・マッカートニー(2018/11/1@東京ドーム)
  4. 邦楽

    【全曲レビュー】桑田佳祐の最新作『がらくた』が凄過ぎた!大衆音楽ここに極まり!
  5. ニュース

    【歌姫から伝説へ】安室奈美恵に25年分の感謝を!さよなら、ありがとう安室ちゃん!…
PAGE TOP