邦楽

THE ORAL CIGARETTES山中がビバラでUVERworld TAKUYA∞にガチギレした件の落とし所




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ビバラで何があった?オーラル山中謎のブチ切れ事件!

GW真っ只中である。音楽好きにとってはフェスは夏だけのイベントではなく春フェスも定着し、そこら中で音楽フェスが開催されている。筆者は“VIVA LA ROCK 2018”に連日参加中なのだが、2日目の2018年5月4日ちょっとした珍事件が起きた。事件ってほど大袈裟でもないし、話を大きくする程のものでもないのだが。

※注意※
この記事にはオーラル山中の否定的なニュアンスも書かれています。
しかし、アンチとか、彼を攻撃する意図ではないこと、筆者も山中のファンであることを前提に客観的立場から発言した内容と捉えて頂けると幸いです。
否定的な意見が不快だという方は、閲覧をおやめください。そのご判断は読者様に委ねます。



UVERworldのTAKUYA∞が叫ぶ「生温いバンドが許せない」

この日も出演バンドは最高なメンツが揃った。マイヘアに始まり、KEYTALK、凛として時雨、UVERworld、オーラル。どのバンドも本域でやってるから各々が絶大な支持を集めている超人気バンドである。言わずもがなだけど。
そんな中、UVERworldのTAKUYA∞(Vo)がMCで「半端ねえなビバラ!他のバンドに嫌われたっていい。こんなにフェス楽しみに来たのは、他のバンドに気に入られるために来たわけじゃねえ!何なら生温いバンドが嫌いなんだよ!スタイルはあるだろうけど。生温い大学生、生温い美容師、生温い俳優は別にいいけど、あまりに本気で孤独にバンドやってきたんだからよ!」と言った。ウーバーをタイアップ型の大衆バンドから、ライブハウスを中心に活動するロック・バンドにするために、酒も煙草も辞めて、毎日10km走っているストイックなTAKUYA∞らしい本音だった。
ここで注意しておきたいのは、「生温いバンドが許せない」ということであって、TAKUYA∞は世代間に一切触れてもいないし、問題視もしていなかったということ。

出典:FM802 ROCKKIDS802 twitter

TAKUYA∞の発言を受けてか?オーラル山中がブチ切れる!

これに、この日ヘッドライナーを務めた、THE ORAL CIGARETTESの山中拓也(Vo)がステージ上で噛み付いた。
「世代交代がしたいんです。UVERのTAKUYA∞君も言ってたけど、生温いロックバンドが嫌いって。そういうこと言われるのが一番ムカつくんだよぉー!若手の俺たちが先輩をぶっ潰しにかからないといけない!」と瞳孔が開いたような顔立ちで叫んだのが印象的だった。その後、後輩のマイヘアを賞賛し、先輩で今日だけ復活したthe telephonesを良い先輩だとわざわざ言った。UVERに噛み付いた後に、良い先輩として別バンドの名を挙げる。



それに集約されているように、この日の山中はいつもと違って非常に感情的だった。変に高笑いをしたり、本編終わりにマイクを床に叩きつけるように投げ捨てて去って行ったりと。ヘッドライナーの高揚感もあっただろうが、そこに怒りめいたものも感じた。

観衆の前で名指しで噛み付き歓声を浴びる美学を感じない

ただ、山中のファンだからこそ言うが、名指しでステージ上で噛み付き、潰すというのは駄目だ。些か幼稚に思えて感心しなかった。以前、サマソニでTOKIOが出た時に、TOKIOの客入りが予想に反し多く、真裏のcoldrainのマサト(Vo)が「国民的アイドル見なくて大丈夫ですか?・・・・・・まあどうでもいいよな」と名指しで無いものの、誰のことを言ってるか一目瞭然にdisってバッシングを受けたが、それに近い気がする。

ただ、TAKUYA∞の発言はオーラルに対してでは絶対になかった

おそらく山中はTAKUYA∞の言葉を自分が言われていると思ったのだろう。しかし、TAKUYA∞は最近の若手バンドが生温いとか、オーラルが生温いとか言ってはいない。バンド・シーン全体を通して、ロックをしてるバンドがどれだけいるんだよ!というニュアンスの方が近かった。あの言葉を誰が聞いても「あ、これはオーラルを指してるな」とは100人中100人が思わないだろう。

だから、山中の自意識過剰や被害妄想なのは間違えない。TAKUYA∞のパフォーマンスも凄かったから、ヘッドライナーとしての嫉妬心がむき出したのかも知れない。後に山中はライヴ終わりに即効TAKUYA∞に謝りに行ったことが、TAKUYA∞のブログで「追記」として明らかにされている。このブログは有料コンテンツなので引用する訳にはいかないが、「(謝る態度が)ずるい」と。「先輩風吹かしたつもりはないのに、後輩風を吹かせるんだもんな」と。ちなみに、TAKUYA∞は、ここでも山中の名前は出していない。


そもそもTAKUYA∞は先輩風拭かせるような野暮な男では無い

繰り返しになるがTAKUYA∞は後輩を攻撃するような野暮な男ではない。実際に2016年のCOUNTDOWN JAPAN16/17の大晦日に出場した際には、「楽屋の先輩に言われちまったよ。最近の若手はロック・バンドやってるっていうのに、酒も煙草もやらねえって。つまんねえって。けど、俺はこのステージを最高な物にするために辞めたんだよ」と。先輩にも噛み付く、そんな男だ。先輩風吹かせるなんて真似するはずがない。
しかし、この件のTwitterを見ると、TAKUYA∞が「最近の若手は生温い」と発言したにすり替わってしまう。それで山中が世代を代表して噛み付いた、「切磋琢磨している」という美談になる。いやいや、それでは、全く事実と掛け離れているし、バンドマンにも失礼ではないか?

山中はTAKUYA∞への憧れも抱いていた

ただ、実際に山中はジョージ・ウィリアムズとの対談でTAKUYA∞に憧れている発言もしている。

山中 ONE OK ROCKのTakaさんと、UVERworldのTAKUYA∞さんに会ったときに、僕ちゃんと目を見て喋れなかったんです。他の人と喋るときにそんなことないのになんでやろって考えたら、自分がその人と話す努力がまだできてないからだなって思ったんですよ。(中略)

ジョージ 憧れの人と話すと自分の足場が弱くなってくるように感じるよね。でも実は自分がそう思ってるだけかもしれなくて。

山中 そう、相手はすごく対等に話しかけててくれてたなっていう印象があったから、余計に悔しくて。だからこの人の前でも胸張っていられるくらい自分に鞭打たないとだめだなって思います。
引用:www.m-on-music.jp/0000169707/

山中もストイックなのだ。けど、今回は言われなき勘違いによって山中が一方的にキレた感がある。ミュージシャンたるもの、多少は尖ってた方が面白い。桑田佳祐と長渕剛という今や大御所同士だって若い時は互いにぶつかったことさえある。けど、今回の件は何も喧嘩をしているわけではない。物事は解決済みで、むしろキャリア的に先輩に当たるTAKUYA∞が「ステージ上でも普段も同じ態度でいればいい」と発信したことで終結したといっても同然だ。



最近の山中のMCに違和感、世代交代は公言してするものじゃない!

ただ、山中の最近の「世代交代してやる」発言に少し違和感を感じていた。観客を巻き込むから余計に。信仰宗教じゃあるまいし。そもそもが、世代交代とかっていうのは自ら言うもんじゃない。需要と供給のバランスであり自然現象である。むしろ、音楽に世代は無関係である。40代50代がオーラル聴いてもいいじゃないか。10代20代が矢沢永吉を聴いてもいいじゃないか。
まして、「新しい時代」というワードは、TAKUYA∞もライヴ終わりに自己紹介のキャッチコピーのように「新しい時代に足跡を付ける、俺たちがUVERworldだ」と、必ず口にする言葉だ。ただ、山中が違うと思うのは、既成概念の崩壊を暗に主張している点。世代交代や時代の寵児になるというのは、直接的な言葉でなるのではなく、実績を積み重ねてなるもの。売れたい!売れたい!だから、上が邪魔!ばかり言っていることに、美学を感じない。

そういう勢いや刺々しさも大事だと思うのだが、自分で言ってしまうところがナルシズムが暴走しているようで違和感はあった。
若い世代だという誇大主張。上の世代を無意味に敵視する。こういうのって、誰も馬鹿にもしてないのに、若いからというだけで、自ら「ゆとりだからって舐めるな」というタイプの被害妄想に似ていると思う。TAKUYA∞が若手バンドを指摘していないのに、山中が過剰反応を示したように。現にゆとり批判をするような愚民中の愚民はほっておけばいいが、TAKUYA∞はそれとは異なる大人だし、いや、彼もまだまだ自分を発展途上と言う現役のバンドマンだ。


オーラルを初めて見た時のMCは自己陶酔は感じられなかった

山中は昔はそういうキャラ・芸風では無かった。大病と手術を繰り返してきた人間だ。人の脆さや弱さを知っている。同時にそれを経験した人間が、どれだけ強い事かも知っているはず。初めてオーラルを見た「COUNTDOWN JAPAN 15/16」で「一度どん底に這いつくばった人間は強いって。一度上に這い上がろうとした人間は強いって。俺らオーラルが証明します。闇の中でもいい!そこで、もがき苦しんで。それで大丈夫ですから。光は必ず差し込みますから。」という名MCが印象に残っている。それが出世欲や自己顕示欲を主張するようなMCに変わっていく。それが悪いとは言わないが。個人的には前者の山中の方が魅力的だった。

明日のビバラも物凄いことになってるぞ!

とにかく、両組共に素晴らしいパフォーマンスだったし、音楽に優劣を決めるなんて馬鹿げているけど、今回の言動に限って言えば、TAKUYA∞の方が一枚上手だったかなと思う。
本音を言えば、メジャーデビュー5年で「新時代の幕開けがしたい」とか他バンドを名指しでたたき続ける浅はかさに気付いてほしい。山中が逆立ちしても敵わないロック・スターはまだまだ星の数ほどいる。それは、明日5月5日のビバラが証明するだろう(細美武士、TOSHI-LOW、銀杏、ホルモン、スカパラ、ユニゾン等)。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。






 

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