ライブレポート

桑田佳祐4年ぶりのソロ年越しライブ初日を観る!

kuwata2016

この日のステージに大きな意味があるとすれば桑田佳祐が還暦になって初めてのライヴと位置付けられるだろう。そう、桑田も還暦を迎えたのだ。しかし、今年は自身がこの国で構築してきた大衆ポップの焼き直しをすることなく「ヨシ子さん」という他を圧倒する曲で世の中に切り込んだり、時流の読み方、その挑戦的な姿勢は引くことを知らない。
この日のライヴも、還暦のミュージシャンにしては実験的でありながら大衆娯楽として完璧にこなす。このライヴのセットリストを改めて見ると、ソロ作品から必ず1曲は入れてくるところからも、2016年現在の桑田のソロライヴとしては集大成的なものであったし、彼の自身の音楽活動を、時にリリース時系列に沿って着々と歩んでいるようなものだった。
しかし、それは同時に多くのファンの人生の轍と重なる。「あ~この曲が流行した時、苦しかったな・・・けど、こうして俺は桑田佳祐を見て感動している、それって結局まんざらでもない人生だな」とかね。個性を大衆化できる音楽家は類稀なる天才としか形容し難い。

そして何よりも、この日の桑田佳祐はニュートラルだった。歌詞を忘れることは珍しくもないが(少し多かったが笑)、そんなミスを観客が完成でフォローする。距離感の短さと長年で構築された信頼関係で成立する瞬間を垣間見た。客だって年を取る。それでも、桑田佳祐は第一線をひたすら圧倒的な質の楽曲を以て、大衆文化の象徴を成し遂げる。個人的には歌謡曲路線から脱してほしいと切に願っているわけだが。
2017年はおそらく新作アルバムと全国ツアーだろう(そして2018年のサザン40周年、2020年の東京五輪と続く)桑田は歩みを止めない。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. パリピが日常悩んでる嫌なことって何?ストレス溜めない極意がULTRA JAPAN…
  2. 第10回 独断で選ぶ素晴らしい邦楽たちTOP10 2018
  3. ノエル兄貴「ロックが衰退したのは『フレンズ』が原因」と独自の分析を披露!
  4. 遂に日本国内興収100億円突破!『ボヘミアン・ラプソディ』はアカデミー賞を獲れる…
  5. 【フジから若者が消えた?】フェスの“聖地”フジロックが中高年化している問題。若者…

関連記事

  1. ライブレポート

    SUMMER SONIC 2016 レディオヘッドを見る

    多くを語る必要はない。彼らのステージを、今年のサマソニ…

  2. 邦楽

    仮面ライダー×スーパー戦隊「超英雄祭」を見るため日本武道館に行った

    我々の時代は「後楽園遊園地で僕と握手」だったけど(今もその…

  3. ライブレポート

    サマソニ史上最高潮!圧巻のレッチリ!(サマソニ2011)

    おそらくサマソニ史上最高の盛り上がりだったんじゃないだろう…

  4. 邦楽

    宇多田ヒカル8年ぶりの新作リリース決定

    宇多田ヒカルが、9月28日に8年ぶりとなる新作をリリースす…

  5. ライブレポート

    COUNTDOWN JAPAN 1314 vol.5【俺達だけじゃね?論争】

    ONE OK ROCKの時に最前列付近にいたんです。もちろ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

[PR]
  1. ハリウッド

    【ヒットの勝算はネット戦略にあり?】恐怖のピエロ映画『IT』が公開第三週で興収首…
  2. 音楽

    【この夏も話題独占】ジャスティン・ビーバーの恋愛遍歴を振り返り!
  3. 映画レビュー

    『茅ヶ崎物語 ~MY LITTLE HOMETOWN~』からサザンがエロスを歌う…
  4. ライブレポート

    METROCK 2017 1日目完レポ
  5. ニュース

    【徹底考察】『カメラを止めるな!』は何故ここまでヒットしたのか?を真剣に妄想する…
PAGE TOP