映画レビュー

帰宅部の高校生観て何が楽しいんだよ?虹色のはずなのに虹色じゃなかった『虹色デイズ』

(C) 2018「虹色デイズ」製作委員会 (C) 水野美波/集英社


中川大志が主演じゃないという前提条件を把握してないと戸惑うことになる。よりによって最も知名度が低く、華も無いEXILE系の兄ちゃんが主演だったと把握できたのは物語のクライマックスの時だった。そのくらい、中川大志の主役感と、EXILEの兄ちゃんの脇役感が相反することでの違和感があった。
大袈裟な例えだが、トム・クルーズはどんな映画に出ようと絶対に主演だ。脇役なんてことは有り得ない。『マグノリア』みたいな例はあるが、あれは群像劇なので除外。中川大志がミッション・インポッシブル級の俳優だとかって訳では無く、この面子なら主演でないとバランスがおかしいってこと。
役者には役者の立ち位置がある。中央に立つべき俳優がいる。若手俳優の人気者筆頭の中川は、この映画でも中心でなければいけなかった気がする。バランスがおかしい。完全な配役ミス。LDHの主張が強かったか、事務所の忖度なのか?

そもそも、この映画には青春がない。ドラマがないのだ。それは彼らが帰宅部であることが要因として最も大きい。何にものめり込んでいない。若さを無駄に消耗するなとか糞爺みたいな説教はしたくはないけど、これは映画だ。異性にだけ夢中な青春期を描いただけの本作に何も心が揺さぶらされない。「あの子が好き」それだけ。まるで、そこらの高校生のSNSを見ているようなみみっちさ。キラキラしているはずの劇中の17歳の日々は決して“虹色”ではなかった。



今一度、考えてほしいのは、リア充なんて言葉が定着して久しいが、それって結局、彼氏や彼女がいか否かってことでしょ? 恋人がいれば充実してるなんて実に充実のハードルが低い。その程度で充実してる認定は、浅はか過ぎる。そりゃ、恋人がいるに越したことは無いだろうが、恋人がいればALL OKみたいな軽薄さが逆に惨めだろうって。

UVERworldの言葉を借りるならば、《いつも甘えた家庭に包まれ/友達が100人いて/恋人が何十人いたって/満足出来ない人もいて/自らある種の地獄へ向かって行く/でも僕は違う/家族に憧れ抱いたままでも/まだ上手く友達も作れずに恋愛に臆病なままでも/前を向いて生きている/幸せも感じている/すべては自分次第》ってこと。

そんな自分も高校三年間の記憶をごっそり消しても差し支えないような貧相な青春しか送ってない。だからこそ、キラキラとした高校生活疑似体験がしたかったのだ。たまに、若手俳優が出るteen向けの映画を観るのは、この冴えない自分の青春期の補完作業なんだと自覚はあるが、期待は裏切られたようだ。
ただ、吉川愛の圧倒的ヒロイン感には言葉もなかった。女子高生がイケメンを愛でるだけの映画かと思っていたが、しっかり存在感を発揮していたのが流石だった。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。



 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 【ヒットの勝算はネット戦略にあり?】恐怖のピエロ映画『IT』が公開第三週で興収首…
  2. 『娼年』の実写化で性に真剣に向き合った監督と、素っ裸で腰振りまくった松坂桃李に敬…
  3. 世界で大ヒット中の映画『スパイダーマン:ホームカミング』の主人公トム・ホランドの…
  4. 『君の名は。』のハリウッド実写化が失敗すると断言したい理由
  5. 安室奈美恵の引退ツアーを観る!世界中の賛美を彼女に贈りたい!

関連記事

  1. 映画レビュー

    自分の起源を知り家系を大事にする想いに感動する『リメンバー・ミー』

    お盆の時期、幼い頃に両親の実家に行った際に、仏壇がいつも以上に大掛…

  2. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】SCOOP!

    この国のジャーナリズムとは何か?それを『モテキ』や…

  3. 映画レビュー

    実写版『ダンボ』大衆娯楽施設が悪者って・・・よく許可が降りたなと思う

    耳が大きいという外見的なハンディを負った小象は正しく『シザーハ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

[PR]
  1. 邦楽

    KEYTALKの八木氏はナゼ愛されるのか?その無敵な愛嬌の謎と八木氏のドラムテク…
  2. ハリウッド

    【勝手に大予想】ダニエル・クレイグ007卒業で次のボンドは誰になる?
  3. 日記

    大雪なので雪の日に聴きたい楽曲を集めてみた!
  4. ニュース

    エルレ細美が「待った!」転売野放し・・・チケットだけじゃないライヴ物販問題を考え…
  5. ハリウッド

    『君の名は。』遂に北米公開で絶賛の嵐!
PAGE TOP