ライブレポート

本当に目の前にビリー・アイリッシュがいるよ!



©ROCKinNET.com

ビリー・アイリッシュの初となる単独公演を観る。
舞台上は質素なのに映像や演出力の抜群のセンスで究極のスペクタクルと化す。まるでアート空間にいるような感覚だ。現代の寵児と呼ばれて久しいが、そんな彼女が目の前にいる非現実性が脳を麻痺させ、夢でも見ているかのような幸福感とも言えぬ不思議な感覚でいた。

スローな曲調が多いので、どんなライブか気になったが、物凄くグルーヴィで肉体的。彼女はライブ・アーティストだった。観客を煽るだけ煽る。サマソニ以上の大歓声が有明アリーナを包む(それでも「It makes me nervous(皆とても静かね)」と彼女は言ったが・・・・・・笑)。「bad guy」「Oxytocin」「Therefore I Am」で観客と近い距離でボルテージを上げる一方で、「when the party’s over」「everything i wanted」など囁くような彼女独自的な歌唱スタイルで”聴かせる”体制に入る。その様は聖人のような神々しさだった。希少な体験をしているにも関わらず、緊張感を感じない、文句なしで世界イチのスターなのに親近感がある、ビヨンセやレディガガらとは真逆のスタイルなのは、これが2020年のスターの在り方だと提示しているかのよう。2018年のサマソニで小さなステージで歌っていたとは思えない速さでスターになった、彼女は完全に新しい時代の空気感を同時に持ってきた希有なカリスマだ、待ちに待たれた、たった一夜の日本公演、まさしく、日本音楽史に刻まれた伝説の夜だった。

ビリーを知った時の衝撃は、ロックだポップだの音楽のカテゴライズ論争や、テイラー・スイフトを聞くかベックを聞くかの世代論争、政治的な部分まで含めて垣根を取っ払った、それを1発目から成し遂げたことにあると思ってるが、現にこの日も有名人らが、AimerやTAKUYA∞(UVERworld)、chayなどの現役世代の歌手やクリエイターから、湯川れい子や渋谷陽一などの世代までが同じアーティストのライブに集ったことが凄まじい。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※当記事の著作はROCKinNET.comに帰属し、一切の無断転載・再交付は固く禁ずる。



◆関連記事◆

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 【ライヴレポ】ワンオク初の東京ドーム公演で見た“世界基準のバンドの風格”に圧倒さ…
  2. 【ヒットの勝算はネット戦略にあり?】恐怖のピエロ映画『IT』が公開第三週で興収首…
  3. 【速報レポ】My Hair is Badの初武道館公演を観る!椎木が提示した正し…
  4. 遂にNYタイムズ誌まで?ガキ使の黒塗りメイク批判は行き過ぎだと思う理由!
  5. 安室奈美恵の引退への想い~安室という現象が現代の日本女性像を変えた~

関連記事

  1. ライブレポート

    ひたちなか終了!

    ってわけで、ROCK IN JAPAN 2012終了!…

  2. ライブレポート

    SUMMER SONIC 07

    もはや来ることが宿命・・・SUMMER SONIC 0…

  3. ライブレポート

    ROCK IN JAPAN 2016 vol.3

    最終日!この日見たアーティストはこんな感じ↓●…

  4. ライブレポート

    BUMP OF CHICKENの日産スタジアム公演の想いをぶつけます

    この世に楽園があるとすれば今日の日産スタジアムだったと断言できる感動が…

  5. ライブレポート

    COUNTDOWN JAPANのRADWIMPSが凄過ぎた!

    今回のCDJで特に印象的なのは、やはりRADWIMPSでした。…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

[PR]
  1. ライブレポート

    ポール東京ドーム初日を観た!
  2. ライブレポート

    ELLEGARDEN復活ライヴを観る!10年の活動休止の先にあった変わらない尊さ…
  3. ニュース

    アリアナ・グランデのライヴ会場で起こった爆発テロについて
  4. ニュース

    【フジから若者が消えた?】フェスの“聖地”フジロックが中高年化している問題。若者…
  5. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
PAGE TOP