映画レビュー

【映画鑑賞日記】クリミナル 2人の記憶を持つ男

(C) 2015 CRIMINAL PRODUCTIONS, INC. All Rights Reserved.

スーパーマンの父親役から目立った作品にはご無沙汰だったケヴィン・コスナーが主演を務め、名優トミー・リー・ジョーンズとゲイリー・オールドマンも出演するなど往年スターの豪華な配役に加え、若手俳優の筆頭の呼び声も高いライアン・レイノルズも出演してることから、「新旧のスターの共演」が映画ファンとして嬉しかった。本来ならば、ライアン・レイノルズが主演をしないといけないところなのに、出来ない・・・まだまだ名スター達が後進に道を譲らないのか、彼らほどのカリスマ性を持った若手が出て来ないのか、とにかく爺様達が元気です!

殉職したCIA(ライアン)の脳の記憶や能力を司る部分を、別人の脳に移植させるという、斬新且つ、現実味を帯びない近未来的な設定が非常に面白かった。ハリウッド映画では、こういった現実味の無い設定を時たま見る。
例えば、ジョン・トラボルタとニコラス・ケイジが共演して話題だった、ジョン・ウー監督の『フェイス・オフ』(1997)なんかもそう。
FBI捜査官とテロリストの顔そのものだけを整形手術で入れ替えるという、当時の感覚としては、絵空事以外の何物でもない設定だったが、これが現実のものとなって驚く。

ハリウッドの空想は10年以内に科学が追いつく時代・・・凄い時代だ。
本作の主人公であるケヴィン・コスナーは“荒んだ思考しか出来ない凶悪犯”と、“幸せな家庭を持つCIAエージェント”の両極端の脳・記憶・感情を持つことで苦悩する。凶悪犯の性格の比重が大きい時に、移植されたエージェントの家に行き、その家に飾られた家族写真を見て、どこか悲しそうな表情をするコスナー。
その時、“幸せ格差”という言葉が頭をよぎった。あの時のコスナーは他人の記憶や感情が入ることで、凶悪犯として幸せというものを知らないで生きてきた人生の不毛さに気付いたかのように、初めて己を顧みる「異化作用」が行われていたように思える。結局、暴力からは幸せは生まれないのだ。

この臓器移植によって、人格が変貌するというのはリアルな世界でもあるらしい。簡潔に例を挙げると、17歳の少年の臓器を移植された老女が、今まで興味も示さなかったパンク・ロックを大音量で聴くようになったりということが、現実世界にあるというのだ。

劇中のコスナーも、移植直後は人道に外れた行動をするものの、次第に、自己犠牲も厭わず、人質の救出、世界の危機の回避に奮闘するようになり、その姿からは、もはや凶悪犯の面影も無く、人気ドラマ「24」のジャック・バウアーや、トム・クルーズが演じたジャック・リーチャーのように、アウトロー・ヒーローの様だった。
まさに、“永遠の英雄”ケヴィン・コスナー映画だなと感服したと同時に、新旧スター俳優の豪華共演、派手なアクションもあり、一流アクション大衆映画として楽しめること、間違いないので、是非オススメしたい。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 実写化史上最も成功していると言って過言でない『美女と野獣』に感動する
  2. ポール東京ドーム初日を観た!
  3. 『君の名は。』遂に北米公開で絶賛の嵐!
  4. 第10回 独断で選ぶ素晴らしい邦楽たちTOP10 2018
  5. マーベルが『ブラックパンサー』でヒーロー映画初のアカデミー作品賞を獲得するために…

関連記事

  1. 映画レビュー

    『デッドプール2』ブラックな笑いと過激描写が続編で増し増しで強引に続編成立

    前作で度肝を抜かされたブラック・ユーモアが続編となって何割か増し増…

  2. 映画レビュー

    『検察側の罪人』ようやく見れた英雄以外の汚れたキムタク!

    この映画の最たる存在意義は、ジャニーズによる本格的な社会派であると…

  3. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】映画 ビリギャル

    (C) 2015映画「ビリギャル」製作委員会予告編で流れた、聖…

  4. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】SING/シング

    もしズートピアで『glee』をやったら・・・「My w…

  5. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】アーロと少年

    (C) 2016 Disney / Pixar. All Rights…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

[PR]
  1. 映画

    日本アカデミー賞とかいう老害賞には文句しか出て来ない
  2. 映画レビュー

    『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』の功績は神話をオリジナリティをもって進展させ…
  3. 日記

    パリピが日常悩んでる嫌なことって何?ストレス溜めない極意がULTRA JAPAN…
  4. ハリウッド

    【報酬額予想】相当稼いだだろう新スパイダーマンのトム・ホランドが確定申告で困って…
  5. ライブレポート

    13年ぶりロッキンに出演したサザンが凄かった!ROCK IN JAPAN史上最大…
PAGE TOP