ライブレポート

時代の寵児チャーリー・プースの日本初ツアーを観た!

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彼の音楽は実に純粋である。純粋というのは真新しさや時代に媚びていないという意味合いだ。時代性を垣間見ない王道のポップ・ソングやR&Bである。しかし、古びた感覚など無い、オーソドックスと言えば芸が無いように聞こえるかも知れないが、彼の楽曲は正しく現代の曲としての鮮度もあると消化できるから、現代の寵児としても相応しい。それは、彼の感性の良さに表れていると思うと同時に、EDM等に占拠された時代の中で輝きを放つ、アナログな生バンドの音を重視する彼の存在感の特異さの証明でもある。

source:Warner Music Japan


この日、初めて彼を生で観た。彼にとっても日本での本格的なツアーは今回が初となる。彼の登場で黄色い大歓声が巻き起こる。ホール公演だけに距離感も近く、その分、歓声もひと際大きい気がした。これほどの旬の世界的ミュージシャンをホール規模で観る奇跡が、半ば夢のようなような至福の体験だった。
特にファイヴ・ピース・バンドのグルーヴ感が凄まじかったのが印象的だった。のっけから「The Way I Am」で東京国際フォーラムの数千人の観客が一斉に横揺れしている。このグルーヴこそ、さっき言った彼の楽曲の純粋さ・王道性だ。そして「How Long」では、サビ直前に観客へマイクを差し出すと、客席からは大合唱が起こる。どれほどの人が彼を待っていたかが分かる光景である。

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語弊を与えたらいけないが、彼はどこか芋臭い。田舎臭がするというか。
ごく普通の男子っぽさを持ち合わせている。この日も登場した格好はTシャツというラフさである。MCでも「テイラー・スイフトも来日してるのに僕を選んでくれてありがとう」だとか「あまり日本でプレイしたことないのに売り切れなんて思ってなかった」なんて本音が少年っぽく微笑ましい。しかし、彼の最大の持ち味はピアニスト(キーボーディスト)である点だ。その鍵盤を弾きながら出される歌声の美しさには同性でも酔いしれるレベルだった。芋臭さが一気に吹き飛ぶ。そして、彼の楽曲とヴォーカルは、どこか切ない。よく彼を“現代のエルトン・ジョンだ”と形容することがあるが、歌声で聴衆を惚れさせ、涙させるほどの才能の持ち主というのは凄まじい。「Change」「We Don’t Talk Anymore」「One Call Away」には涙腺に訴えかけるものがあった。そして、アンコールで披露された「See you again」で涙腺は崩壊した。特別な演出無くして歌に酔いしれるという至極当然なライヴの形があった。これも純粋。ヴォーカル力の高さと、楽曲のクオリティの高さがある前提でこそ成立し得るものである。


時折、ショルダー・キーボードでソロを弾くなど音楽家としてのハイ・スキルを見せる一幕もあったのが嬉しかった。幼い頃から鍵盤に触れてきた環境を垣間見れる才能に脱帽である。
そして、それに呼応するように終始歓声が湧き上がっていた空間が気持ち良かった。追加公演も即日完売で、チケットは争奪戦だった。次は、大きな会場で観たい気もしている。

セットリスト(2018/11/22@東京国際フォーラム)
M-1 The Way I Am
M-2 Slow It Down
M-3 How Long
M-4 Empty Cups
M-5 LA Girls
M-6 Marvin Gaye
M-7 Patient
M-8 Change
M-9 We Don’t Talk Anymore
M-10 Somebody Told Me
M-11 Done for Me
M-12 Suffer
M-13 One Call Away
M-14 Attention
M-15 BOY
En See You Again

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

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