ライブレポート

【ライヴレポ】ブルーノ・マーズの圧倒的な完璧なエンタメSHOWを観て“時代が彼を選んだ由縁”を感じた!

出典:YOUTUBE


4年ぶりの来日公演である。前回は幕張メッセだった。相応に動員はあったが、平たい会場で見にくいせいもあってか、ステージもさほど大きくなかったと記憶している。当時は流行歌手の部類の印象が強く、今のようなファンキーで横ノリな感じでもなく、恋愛ポップ・ソングを歌っているイケメン歌手の色合いが強かった。要は「Uptown Funk」以前だ。それから数年経過し、彼の人気は日本でも爆発していた。前回も相当チケットの入手には苦労したが、今回は2万人以上を収容する、さいたまスーパーアリーナ4Daysにも関わらず、先行発売の時点でソールド・アウト。チケットも安くはない。しかし、会場は隅から隅まで超満員だった。ここまで日本国内で支持を集める海外のアーティストはそうはいない。まさに時代の寵児である。



ブルーノの音楽は決して真新しい音楽ではない。バンドの音もアナログだった。むしろ70年代の黒人音楽を焼き直している。最新鋭の音楽に挑戦するのではなく、アメリカに古くから根付く黒人音楽を再現する、非常に保守的なシンガーである。昨年2017年のグラミー賞ではビヨンセを抑えてアデルが獲ったことで白人優位の批判も出たように、今年のグラミー賞はブルーノ・マーズが主要3部門含む6冠を制覇し、ケンドリック・ラマーで無いことの不可思議さとして批判が上がった。
ただ、音楽を純粋に娯楽と捉えた時に、ブルーノほどのドストレートなエンターテイメントをやってのけることが出来るシンガーはそうそういないと確信したステージだったのは間違えない。あの大規模な会場で、どデカいスケールで、数万人が一斉に踊り狂うドストレートなエンターテイメントの凄味ったらなかった。そういう良い意味での保守性が万人に受け入れられる由縁なのかなと思った。分かり易いってことだ。分かり易い娯楽ほど共感性が強く、完璧な物はない。そういう意味でブルーノのステージは圧倒的だった。

彼自身が黒人ではないのに黒人音楽をやることへの反発もあるらしいが、彼自身のルーツでもあるグルーヴの再現は、彼の本来の才能を開花させるのにひと際役立ったようだ。終始、圧巻の歌声とダンスやステップの肉体的表現で一大エンターテイメントに昇華させていた。まるで新時代のジェームス・ブラウンのような(なんて言ったら、また批判が起きるだろうが、そのくらいの無敵オーラが凄まじかったということ)。天才がなせる業だ。「24K Magic」では会場が揺れんばかりにグルーヴィングし、「Just the Way You Are」では黄色い歓声と共に大合唱が起きる。時代が彼を選んだ理由が分かるステージだった。

◆セットリスト◆
M-1 Finesse
M-2 24K Magic
M-3 Treasure
M-4 Perm
M-5 Calling All My Lovelies
M-6 Chunky
M-7 That’s What I Like
M-8 Versace on the Floor
M-9 Marry You
M-10 Runaway Baby
M-11 When I Was Your Man
M-12 Piano Solo
M-13 Locked Out Of Heaven
M-14 Just the Way You Are
アンコール
M-15 Uptown Funk
(2018/04/11@さいたまスーパーアリーナ)

(文・ROCKinNET.com編集部)
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