映画レビュー

【映画鑑賞日記】ジャングル・ブック

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この映画の凄いところは、少年一人が出演者ってところ。しかも無名の子役。そんな子供が相手役不在のまま、よくあそこまでの名演を魅せたと思うと奇跡とすら思えてきます。
そもそも、この映画のリアリティ・現実世界に存在するのは、彼のみです!
動物も、ジャングルをはじめとする景色すべても、実際には存在しないバーチャルだってことが信じられない。自分で見ている光景を疑ってしまいます。VFXここに極まり!と言わんばかりの高クオリティ。映像革新がこの映画の最大の魅力でしょう。

アニメ映画はコメディだったけど、この実写は悪役であるシアカーンの凶悪性を膨れ上がらせ、その恐怖を煽ることで作品全体に渡って危機感迫る、ハラハラドキドキ連続の冒険活劇として昇華させました。ディズニーの実写としてはNo.1の出来栄えと言って過言でないです!

とはいえ、ディズニーの実写化の成功例って実は少ないんです。
そもそもアニメで完結している隙のないキャラに成りきれる役者がいないから。
その点でいえば『101匹わんちゃん』の実写映画『101』で悪役クルエラ・デ・ビルを演じたグレン・クローズがダントツではまり役でした。
が、今回のモーグリ演じた少年は、それに次ぐ見事なはまり役だったと思います。まっすぐで、ジャングルで生きようとする生命力に溢れた瞳。あれは彼しか体現できないでしょう、よく見つけてきたもんです。

そんなモーグリの人間性を、この映画は存分に見せます。
モーグリが道具を使うんです。アニメでは、そういった人間性は一切削除されていました。
彼は人間として生きるべきか?オオカミとして生きるべきか?必要以上に問いただします。
その選択は、アニメとは違うものでエンディングを迎えますが、その結末には、いい加減にしつこいかもしれないけど、ディズニー映画のアナ雪以降の基軸とも言える<ありのまま>精神をど直球に投げかけるという、新解釈で構築させていました。この実写は<いま>を生きることを重要視しているようです。
あと、どうでもいいのですが伊勢谷祐介の吹き替え・・・酷過ぎです(下手の極み)
近所で字幕版がやってなかったのが最大の惜しい点ですね。

 

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