映画

鬼滅の刃『無限列車編』初週46億円は世界基準では大した記録ではない?



映画館にてポップ撮影(Photo by ROCKinNET.com)
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

鬼滅、国民的アニメへの布石か?まさに社会現象!

至る所にコラボグッズが並び、今や街を歩けば、猫も杓子も「鬼滅!鬼滅!」と話題、前代未聞の社会現象となっている鬼滅の刃であるが、先日公開された、劇場版『鬼滅の刃』無限列車編のオープニング記録(金土日の興収)が46.2億円という驚異的な成績を記録したことが話題だ! 日本映画興行において、まさに快挙。それどころか、今回の鬼滅の映画の興収が、実は今年に入って日本以外の全世界の映画興行収入の合計よりも上回っているということが話題になっている。ニューヨークタイムズもパンデミックにおける映画産業の成功例と賞賛の記事を掲載している。

ハリウッド大作が軒並み延期で映画館の救世主に!

その理由を考えるならば、最も大きな要因はタイミングにあろう。今年の映画界はコロナの影響で、劇場公開がままならずハリウッド大作が不在である。欧米諸国のコロナ感染が甚大な被害をもたらし、公開延期や配信に切り替える新作映画が後を絶たないため、日本公開も来年に延期されている。要は、ライバル不在。そんな中で、鬼滅の映画は1つの劇場での公開回数が異常に多いのだ。「TOHOシネマズ新宿」「新宿バルト9」「ピカデリー新宿」の3館では1日の上映本数は99本にも及ぶという、前代未聞である。入れ食い状態。通常、ハリウッド大作や邦画にせよ、公開作品数が多ければ、このような独占は絶対に無理である。しかし、藁をもつかむ思いの映画業界は鬼滅にしがみついている、不況に苦しむ映画業界にとって鬼滅は救世主なのだ。


鬼滅の記録で騒げるのは今だけ?国内だけ?

コロナ禍における好成績であり、世界基準では大したことはない?

確かにパンデミックにおける世界情勢を考えれば快挙を成し遂げている鬼滅の刃だが、特別に鬼滅が凄いということではない。
事情が特殊なだけに、諸外国の興行収入の合計に上回ったことで過大評価されるのは些か疑問で、それだけ諸外国の映画産業がコロナによって大打撃を与えられているという深刻さが如実に現われた結果であると捉えるのが正しい思考に思える。
なぜなら、例えば『アベンジャーズ/エンドゲーム』は世界のオープニング興収は1400億円だし(北米だけでも約385億円)、『スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のオープニング興収は400億円(北米だけでも約190億円)と、今回の鬼滅の10倍、30倍以上、破格の成績を収めているからだ。ここを勘違いしてはいけない。鬼滅の刃が世界基準の成功を収めているというと少し意味合いが違ってくる。

果たして『無限列車編』は、どこまでヒットするのか!

ただ、これだけの勢いがどこまで続くのか、果たして鬼滅『無限列車編』はどこまでヒットするのかは非常に気になる。
レーティングはPG12となっており、保護者の助言と指導があれば、子供も見ることが出来る。なので、連日、映画館には、子供だけでなく、その親世代など幅広い世代が鑑賞しており、この現象は、ジブリ作品や、『君の名は。』『アナと雪の女王』などメガヒットした作品とも類似している。

これまでの国内のオープニング成績の最高値は『アナと雪の女王2』の19.2億円である。ちなみに、『アナと雪の女王2』は国内の歴代興収の17位(133.5億円)。続く、オープニング成績16.4億円の『天気の子』は国内の歴代興収12位(141.9億円)である。このように、ロケットダッシュで、オープニング成績が記録的なヒットになっても、後の客足が伸びずに、国内歴代興収10位内には入らないケースもある。


失速は早い?200億円も夢ではない?どっちか!

また、鬼滅の場合は、コアなファンは持っているにせよ、少年漫画特有の残酷描写もあるなど好みが分かれる作品だけに、どれだけ支持が広がるかは未だに未知数で、ロケットダッシュだけが際立ち、失速が早いのではないかという見方もある。その一方で、映画興収は、初動の3~5倍とも言われるため、150~200億円の大台は現実的で、前人未踏の300億円を収めた『千と千尋の神隠し』超えも無いとは言い切れないのではという見方もある。

コロナで映画界の話題も無いに等しかった2020年の、唯一の希望となった劇場版『鬼滅の刃』無限列車編。どこまでヒットするか要注目である!

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。


 

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