音楽

何故ハリーはソロ一発目で絶望を歌ったのか?

高音ボイスが印象的な壮大なロック・アンセムで幕を開けたハリー・スタイルズ。
その歌声の美しさに世界中が酔いしれたことだろうが、ソロ一曲目である「Sign of the Times」は歌詞もさることながら、非常に暗いテーマ性を持っている楽曲である。

We never learn, we been here before
いつまで経っても学べない
Why are we always stuck and running from
いつまで経っても立ち往生
The bullets?
弾丸は
The bullets
避けれない

Just stop your crying
泣くだけじゃ
It’s a sign of the times
世界は変わらない
We gotta get away from here
ここから離れないと
We gotta get away from here
ダメな気がするよ

何故、彼ほどのスターがバリバリのPOPでなく、絶望から自身のソロ活動を始めたのか?
ハリーは米ローリング・ストーン誌にこう答えている。「今の世の中で起きていることで僕を傷つけるのは、そのほとんどが政治的なものではなくて、もっと根本的なものなんだ。権利の平等とかさ。人種でも性別でも、すべての人にとってね」・・・ナショナリズムが横行する世界への警告とも捉えられる発言である。

とにかく社会的なメッセージ性の強い曲だなと思うと同時に、この曲を初のソロに選んだハリーの狙いは、自身のボウイ化かなと思った。70’sにアイドルから影響力を持ったミュージシャンに変貌を遂げたデヴィッド・ボウイの若かりし頃の姿をどこか彷彿とさせるものがある。ハリーほどの現代におけるスターなら説得力もある。彼はもはやアイドルという容易なジャンルで括ることの出来ない存在になっていた。ソロになって、楽曲を聴き、ようやく気付く。

 

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