映画レビュー

新生SWよりもSWっぽい?リュック・ベッソン監督、久々の娯楽映画の成功例『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』

(C) 2017 VALERIAN S.A.S. – TF1 FILMS PRODUCTION


『フォースの覚醒』と『最後のジェダイ』を観て感じていたことは、ビジュアル面での弱さだった。異星人が少ない。SWって奇妙な異星人が出てきてナンボの世界であるはずだけど、ほぼ生身の人間のドラマなのは、SFの伝説的映画の続編として物足りなさを感じた。そんな不満を見事にクリアしたのが、この『ヴァレリアン』だった。新SWは、リュック・ベッソンに作らせれば良かったんじゃないかと思うほどの独自性と奇抜さで、見事に世界観を構築。

その昔、まだ俺が中学生の時だったろうかベッソン監督作で『フィフス・エレメント』って映画があって、今見たら学芸会のようなものだろうけど、これもこれで、当時はビジュアル的には相当の革新的な映画だった。内容は大したものでは無かったけど。それの現代版とも言える圧倒的な美しさと、奇抜さで、それだけでも異次元に行ったような、SF映画の手本となるような作品だったと思う。


冒頭で次々と異星人がやってきては、人類と握手をし、巨大な宇宙年を形成していく様は、まるでEU離脱や難民拒否のトランプ政権など、ナショナリズム横行する世界へのアンチテーゼのよう。その過程のシーンのBGMが、デヴィッド・ボウイの「スペース・オディティ」なのもセンスが良い。冒頭の5分間で、心奪われてしまった。
意外だった。ここ数年のベッソン作品は『LUCY/ルーシー 』など、嘲笑レベルの駄作が続いていたからだ。今回も期待せずに観たが、ビジュアル面は当然のこと、その娯楽度の高いことに驚く。

宇宙の平和を守るため、銀河をパトロールする連邦捜査官のヴァレリアンと、その彼女であるローレリーヌのカップルが、襲撃によって連れ去られたルー大柴似のお偉方を助けるために、宇宙をまたにかけた冒険に出る。しかし、それには陰謀が隠されていて・・・・・・って話。

主人公がカップルというのも、面白いところで、この映画って、まるでデート・ムーヴィーなんだよね。カップルのさり気ないデート中のいざこざを描いていて、男の言い分と、女の言い分が常に衝突する。彼女も彼女で引かない。逆に男を助けたりもする。ブルース・ウイルスが、美しい女優を体張って助けるとか、もはや、そういう時代じゃない。如何にも現代的なカップル像を描いたことが勝算だったように思える。演じた若手二人にも大いに拍手だ。

途中でリアーナが出てくる意味は、よく分からなかったけど。流石のパフォーマンス力を発揮してるので、一見の価値はアリかな。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。



 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 『ブラック・パンサー』を観た!社会風刺と娯楽性が融合したマーベルの新傑作が誕生し…
  2. 実は失敗していたサザンの紅白!ユーミンとの奇跡の共演に助けられ拍手喝采!
  3. 初の武道館公演を控えるマイヘア椎木ってナゼ好かれるのか?彼の魅力を挙げてみる!
  4. 2017年 勝手に選ぶベスト洋楽 TOP10
  5. 【大混戦】#TimesUp運動の影響で本年度オスカー主演男優賞はティモシー・シャ…

関連記事

  1. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】風立ちぬ

    (C) 2013 二馬力・GNDHDDTK切なくて、時に苦…

  2. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】二ツ星の料理人

    Artwork (C) 2015 The Weinstein Comp…

  3. 映画レビュー

    人種差別を逆手に取った今までにない恐怖『ゲット・アウト』に身の毛がよだつ!

    ※ネタバレ注意※ この記事は映画の内容に触れていますので、閲覧…

  4. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】ムーンライト

    黒人による黒人への差別と迫害・・・アメリカでは黒人以上に同…

  5. 映画レビュー

    『ジョン・ウィック:パラベラム』アクションが九割を占め正直飽きる・・・

    愛犬を殺され、その復讐のためにマフィア組織を全壊させてきたジョ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

[PR]
  1. テレビ・芸能人

    【徹底考察!】元SMAP「72時間テレビ」が大盛況!ネットはテレビに取って代わる…
  2. ニュース

    アリアナ・グランデのライヴ会場で起こった爆発テロについて
  3. ニュース

    またもコンサート会場が狙われる「米国史上最悪の銃乱射事件」から音楽ライヴ運営の将…
  4. ハリウッド

    【ジャスティス・リーグ公開記念】いま最もホットなハリウッド俳優“エズラ・ミラー”…
  5. ライブレポート

    【ライヴレポ】ワンオク初の東京ドーム公演で見た“世界基準のバンドの風格”に圧倒さ…
PAGE TOP